全国大会へ向け快調な練習/通常練習

2023.11.02

 10月に行われた関東学生グライダー競技会で、見事全国学生グライダー競技会(以下、全国大会)への切符を掴んだ明大航空部。そんな航空部の活動は2年前に建て替えた新しい宿舎で、主に土日を利用しての合宿形式で行われる。

 

 明大航空部の朝は早い。日没後はフライトが出来ないため、早い時には5時に起床し機体を組み始める。明大航空部が使用しているグライダーは、1年前に導入されたASK21Bの機体などの計4機である。そしてその日の風向きや天気などをミーティングで共有した後、すぐさまフライトを開始。1人で飛ぶには免許が必要だが、免許の取得には平均して2、3年かかるという。そのため免許を持っていない部員は教官と2人でグライダーに乗り操縦の指導を受ける。地上に降りた後も、教官からもらったチェックリストをもとに自分のフライトを振り返り、足りなかったところを次のフライトで改善する。

 

      (写真:機体を組む様子)

 

 フライト練習も終盤に差し掛かった頃、1人の部員の「やったー!」という声が聞こえた。話を聞くと、初めて1人でグライダーに乗るファーストソロが行われるという。同じ日に連続で別の教官2人から単独飛行に出るのに十分な技量があると認められると、ファーストソロの許可が下りる。2人乗りしか経験したことがない部員にとって、初めて1人で空を飛べるこのファーストソロは一大行事だ。普段は着陸した機体を車で引っ張るが、この時だけは初めてのソロフライトを終えた部員のもとに全員で走って迎え入れる。フライトを終えた直後に感想を伺うと「1人で飛ぶ空は自由だった」(山田舞刀・理工2=駿台甲府)と笑顔を見せてくれた。

 

    (写真:ファーストソロに向かう山田)

    (写真:山田を迎え入れる部員たち)

 

 絶え間なく行われるフライト練習が終わった後は、宿舎に戻り部員全員で今日の練習で良かったところ、修正すべきところをミーティングで共有する。普段のアットホームな雰囲気とは違った真剣な眼差しからは、大会出場の必須条件であるライセンス取得、来年の3月に行われる全国大会に向けての部員たちの熱意をうかがうことができた。

 

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明スポ記者もフライトを体験!

 今回、部員の方の勧めで私も体験フライトをさせていただきました!まずは機体の説明と注意事項を受け、2人乗りグライダーの前の席に乗り込みます。安全のためのしっかりとした5点式シートベルトを締め、部員の方による厳重なチェックを終えると、いよいよ出発。徐々に速度を上げる旅客機とは違い、一気に速度を上げあっという間に空の世界へ。グライダーからの景色は、雲ひとつない真っ青な空と、ミニチュアのように見える普段自分たちが生活している世界とのコントラストが言葉に表せないほど綺麗で、滑空場から約40キロメートル離れた東京スカイツリーも見ることができました。操縦してくださった教官の方によると、冬の晴れた日には富士山も見えるとのことです。ナビゲートをしてもらいながらゆっくりと地上に降り、7分間の素敵な空の旅を終えました。

 ご協力してくださった航空部の皆さん、本当にありがとうございました!

 

      (写真:上空からの景色)

 

[下元天花]

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