攻撃の手緩めず9安打 優勝の望みつなぐ/東京六大学秋季リーグ戦

2023.10.21

 1戦でも落とせば優勝の望みは霧散。首の皮一枚という緊張感の中、先発マウンドには蒔田稔投手(商4=九州学院)が上がった。6回92球を投げ、盤石の投球でリードを守った蒔田は2年生投手陣へとバトンパス。攻勢では2・4・6の偶数回にいずれも得点し、下位打線の演出力も目立った。5-2で法大1回戦を制した明大は、明日の第2戦に臨む。

(明)○蒔田、久野、大川―小島河

法)●吉鶴、塙―吉安

【安】(明)9(法)5

【三】(明)飯森(6回)

【二】(明)木本(7回)(法)武川(6回)、浦(9回) ◇残塁9 ◇犠打4 木本(2回)、小島河(2回)、蒔田(4回)、久野(8回)

 

 法大の失策で2点を先制した明大は、4回表に再び追加点のチャンス。6番・小島大河捕手(政経2=東海大相模)が変化球を捉え左翼へ安打を放つと、7番・斉藤勇人外野手(文4=常総学院)が打席で粘りを見せ安打で続く。1死一、二塁の好機で打席に入った8番・榊原七斗外野手(情コミ1=報徳学園)がこの日2本目となる安打を放ち、小島、斉藤、榊原の三連打によって3-0と点差をさらに拡大させた。

 

 6回表、投手の好投に応えるように、この頃打率が伸び悩む2番・飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)からうれしい一本が飛び出した。この回先頭の榊原が中堅に打球を弾き返し、3打数3安打の猛打賞でチャンスを演出。堀内祐我内野手(文4=愛工大名電)が冷静に四球を選び、2死一、二塁で打席には飯森。カウント2ボールから外角の変化球を振りぬき、打球は左翼線へ。快足を飛ばした勢いそのままに飯森は三塁へと突入し、今季の不調を払拭する2点適時三塁打を飾った。

 

 投げては今季、1回戦での先発起用が初となる蒔田が好投を見せる。前節の慶大戦で不振に終わった村田賢一投手(商4=春日部共栄)に代わり、大事な一戦を任された。2回裏には西村友哉外野手(法大)の強烈なピッチャー返しでひやりとする場面もあったが、6回裏終了までに被安打3無失点と上々の内容。また2死球含む3四死球を記録も、打者のインコースを果敢に攻めつつ安定したマウンドさばきで、まさに〝蒔田らしい〟投球だったと言える。7回からは久野悠斗投手(商2=報徳学園)、9回は抑えとして大川慈英投手(国際2=常総学院)が登板。バッテリー間のミスなどで2失点を負うが、最終的には5-2と試合を締めくくった。

 

 前節の慶大戦で勝ち点を落とし、自力での優勝は諦めざるを得なくなった明大だったが、リーグ戦4連覇に向けなんとか優勝の望みをつないだ。また昨季と比較し、今季の打撃面での戦術はやや控えめとも感じられる。〝MU砲〟という大きな戦力が不調の今、明大の『粘り強い野球』は最後に真価を発揮するだろうか。

 

[松下日軌]