
蒔田が、久野が、浅利が! 魂の完封リレーで窮地救った/東京六大学秋季リーグ戦

投手陣の奮闘が光った。先発の蒔田稔投手(商4=九州学院)が95球を熱投。続く久野悠斗投手(商2=報徳学園)と浅利太門投手(商3=興国)もピンチで粘りの投球を見せ、相手打線を封じた。岸本一心外野手(文1=横浜)の犠飛で奪った1点を守り切った明大は、カードを振り出しに戻した。
(明)蒔田、○久野、浅利―小島河
(慶)●竹内、谷村、森下―宮崎
【安】(明)3(慶)10
【二】(慶)斎藤快(4回) ◇残塁5 ◇犠打4 木本(2回、4回)、蒔田(3回)、岸本(4回) ◇失策1
負ければ優勝の可能性が消える正念場。打線は3安打と振るわなかったが、数少ない好機をモノにした。4回裏、先頭の宗山塁内野手(商3=広陵)がセンターへの強烈な安打で出塁すると、続く上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)は冷静に四球を選び、無死一、二塁の場面をつくる。後続の犠打と四球で1死満塁とし、打席にはルーキー・岸本。重圧に負けずきっちりと犠飛を放ち、貴重な先制点を奪った。先発の大役を託されたのは蒔田。序盤からピンチを招くも、緩急を駆使した投球で相手の得点を許さない。7安打を浴びながらも慶大の強打者・廣瀬隆太選手を3三振に封じ込めるなど、5回途中無失点6奪三振の粘投で自身の役割を果たした。
虎の子の1点を守りたい明大は、5回表、2死一、二塁の場面で久野を投入。追い込んだ後もゾーンでの勝負を選んだ久野は、力強い直球で空振り三振を奪い、ピンチを切り抜ける。6回表には走者を背負いながらも上位打線を打ち取り、勝利へのバトンをつなげた。7回表からマウンドに上がったのは浅利。8回表に1死一、二塁のピンチを迎えたが、吉川海斗選手(慶大)、廣瀬に対しフォークで連続三振に切って取ると、紫紺に染まる応援席のボルテージは最高潮に。9回表も粘られながら最後の打者を内野ゴロに打ち取り、ウイニングボールをつかんだ。
振り返ってみれば、この試合では毎回出塁を許し、得点圏のピンチを6度も迎えたが、投手陣がここぞの場面で踏ん張り切り、相手打線を15残塁に終わらせた。早大戦に続き、このカードでも1敗の劣勢から逆王手をかけた猪軍団。運命が決まる次戦の先発を予想されるのはやはりエース・村田賢一投手(商4=春日部共栄)だろう。早大3回戦での好投を再現し、大一番でリベンジを果たせるのか。
[李翔恩]
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