見せたエースの真骨頂 村田・浅利の完封リレー/東京六大学秋季リーグ戦

2023.09.25

 早大に快勝。初回に宗山塁内野手(商3=広陵)の適時二塁打で先制すると、7回表には菅原謙伸捕手(政経4=花咲徳栄)にも適時打が飛び出し勝負あり。投げては中1日で先発した村田賢一投手(商4=春日部共栄)が6回を散発1安打に抑え、リーグ通算14勝目を挙げた。対戦成績を2勝1敗とし、勝ち点を2に伸ばした。

(明)村田、浅利―菅原

(早)●加藤、伊藤樹、香西印出

【安】(明)

【二】(明)榊原(1回)、宗山(1回) 

◇犠打 加藤(、7回) 併殺 ◇残塁 ◇盗塁1 上田回) ◇失策0

 

 土曜の1回戦では4回3失点で降板している先発の村田だが、この日はいわゆる〝いい時の村田〟だった。シンカーやカットボールをゾーンに散らしゴロアウトを量産。最速は144キロを計測した。ハイライトは4回裏。初安打を許した後1死三塁で中軸を迎えた場面。落とせない3回戦だけに外角中心の慎重な配球を徹底していたバッテリーだが、この場面は熊田任洋選手(早大)、印出太一選手(早大)と続くクリーンアップに対して強気にインコースの直球を続けた。インコースで追い込み、クイックで外角に投じた144キロの直球に印出は狙いを絞れず、バットは空を切った。6回を投げて奪った三振は3つと決して多くはないものの、ここでは連続三振。ピンチを迎えたこの場面での配球は三振を狙いにいったようにも見受けられ、奪三振能力の際立つ新たな村田の真骨頂が垣間見えた。

 

 2回戦に続いて先発のマスクをかぶった菅原。ポジショニングの指示やカバーリングなど安定したインサイドワークが光る好リードは昨年度の正捕手・蓑尾海斗選手(令5文卒・現Honda熊本)を彷彿(ほうふつ)させた。しかし打撃面では外角の対応に苦しむ場面があり、小島大河捕手(政経2=東海大相模)との併用を検討しても面白いだろう。3番の宗山も2試合連続で3安打を記録するなど状態は上向き。下位打線の状態が上がらないだけに宗山、上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)の打撃結果がチームの順位を決めることになりそうだ。

 

 次戦は中4日で立大と対戦する。リーグ戦後半に慶大、法大と上位校との対戦が控えているだけに、消耗を少なく短期で決め切れるかがポイント。ここまで流動的な起用が続いている投手陣だが、ドラフトイヤーの石原勇輝投手(商4=広陵)、蒔田稔投手(商4=九州学院)の活躍に注目したい。

 

[上瀬拓海]