後半に打者一巡の7得点で立大に逆転勝利/東京六大学秋季リーグ戦
前日に8―2と快勝し、悲願の優勝を果たすにはもう負けられないと臨んだ立大2回戦。今試合も初回表に先制を許す苦しい展開となり、7回二死まで3安打1得点に抑えられた。しかし打線が8回裏に立大中継ぎ陣を捉え、一挙に7得点と大逆転。優勝への大きな勝ち点1を獲得した。
◆9・2~10・22 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・24 対立大2回戦(法大多摩グラウンド)
○明大9―7立大
先発のマウンドには森慎之介投手(商2=佼成学園)が上がった。初回表に1失点を喫し、出はなをくじかれる。4回表にも相手打線に捕まり、3回2/3、4失点と厳しい内容での降板となった。
打線は相手先発投手の球に的を絞れずに苦しんでいた。それでも7回裏に二死から代打・髙橋功久外野手(政経3=一宮)が右前安打で出塁し、続く前國藤海斗外野手(政経2=明大中野)が四球を選んだ。二死1、2塁となりここでも明大は代打・金野慎ノ介外野手(政経3=明大中野八王子)を起用。初球から積極的に振り抜いた打球は遊撃手の横を抜ける適時打に。劣勢の中でも仕事を果たし、相手先発を引きずり降ろした。
1点を返した8回表に登板したのは、久々の出番となった正富健投手(法4=佼成学園)。テンポよく打ち取ったものの、二死で迎えた打者には少し高めに浮いた球を左線へ弾き返され二塁打に。「緊張がすごくて最初は手につかなかった。一つ長打を打たれたら落ち着けるようになり、いつも通りに投げられた」。得点圏に走者を置いても落ち着いた投球を見せ無失点で切り抜けた。
正富の投球から勢い付いた明大打線は、先頭の5番・福田竜大外野手(商2=鎌倉学園)が相手の失策で出塁し、吉原瑠人捕手(法3=仙台育英)が右翼手の前に落ちる安打を放つ。安藤朗内野手(政経3=日大二)が手堅くバントをするも走力が上回り内野安打となり無死満塁に。その後2者連続の押し出しで4―7と追い上げる。続く打者は抑えられるも、一死満塁で代打・河野壮希内野手(営2=明大中野八王子)。「後ろに当たっている田村さん(田村陽大内野手・農3=花巻東)、永輝さん(金澤永輝主将・法4=花巻東)がいたのでそこにつなげるように、自分で終わらないようにいった」。打球は二塁手の頭を越える2点適時打でついに1点差まで迫った。四球で再び満塁となり一打同点の場面で打席に立った金澤が真ん中付近に入ってきた初球を弾き返し同点に。明大ベンチのボルテージは最高潮になった。またしても一死満塁で福田。初球から振り抜き左犠飛で8―7ととうとう勝ち越し、その後吉原も続きダメ押しの適時打で2点のリードを得た。
8回裏に驚異的な粘りを見せて一挙に7得点と鮮やかな逆転勝ちを成し遂げた明大。打撃陣は夏を経て確かな成長をしている。「代打陣はスタメンで出てもおかしくないレベルの選手。だからスタメンで出る人も思い切ってプレーでき、途中から出る選手も自信を持ってできていると思う」(金澤)。秋季リーグ戦は残り2カード。9年ぶりのリーグ優勝を目指し全員で最後まで勝ち進む。
[阿部倖明]
試合後のコメント
金澤
――点差を離された時にベンチ前でどのような話をしましたか。
「今年の秋リーグ戦の明大は終盤に強いから、絶対に逆転できる。絶対にチャンスが来るから、そのチャンスをモノにするために全員で顔を上げて、とにかく1点ずつ積み重ねていこうと話しました」
――次戦に向けての意気込みをお願いします。
「まだ試合はあるので、もっと強くなれると思うし、もっとレベルアップできると思うので、まだまだ満足せずに、もっと強いチームを目指していきたいと思います」
安藤
――リーグ戦を通して二塁手として出場している中で、何か意識していることはありますか。
「とにかく取れるアウトをしっかりと取ること。ピッチャーを苦しめない、 しっかりピッチャーに声掛けながら守ることですね」
――このリーグ戦を通して調子としてはいかがですか。
「バッティングはもう少し調子を上げたいです。次の慶大もいい投手が多いので、しっかり1試合に1本打てるようにやりたいです」
河野
――今日の試合をベンチでどう見ていましたか。
「最初からは出ないで、先輩からもこの場面あるよと代打の準備は言われていたので、それに合わせてやっていました」
――リーグ戦を通して代打起用が多いですが、打席に立つ時に意識していることはありますか。
「春季リーグでは全然ダメでした。でもそこで慣れや、いい経験ができたからこそ今につながっていると思うので、春の反省や経験が生きていると思います」
正富
――かなり久々の登板となりましたがいかがでしたか。
「自分はとにかく投げたいという気持ちだけは特に強いですね。そういう中で、チャンスもらったらいつでも万全の状態で投げようと続けてきました。それがとにかく無失点という今日の結果に出たので良かったと思います」
――5点ビハインドと劣勢の中での登板でしたが、どのような意識でマウンドに上がりましたか。
「半ば消化試合のような雰囲気もありました。それでも優勝するためには2連勝が絶対に必要だったので、自分が抑えて流れ持ってくれば、まだ後半戦えるかなと。なんとか流れ持ってこられるように元気をあげようと思いました」
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