
立大に先勝 走攻守全てかみ合う/東京六大学秋季リーグ戦
早大相手に勝ち点を獲得し、いい調子のまま立大との1回戦に臨んだ明大。先制は許したがすぐに同点に追い付くと、3回表に田村陽大内野手(農3=花巻東)の適時打で勝ち越し。その後も森本琢己捕手(政経4=明大中野)の2点適時打などで得点を重ねて立大を突き放した。投げては近藤吏矩投手(営3=札幌一)が四死球を出したものの要所を締め、5回を投げて被安打わずか1本の好投を見せた。
◆9・2~10・22 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・23 対立大1回戦(法大多摩グラウンド)
〇明大8―2立大
1回戦 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
明大 |
0 |
1 |
2 |
1 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
立大 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
立大戦の先発は今リーグ戦フル回転の近藤。初回裏から2四死球を出してピンチを背負うと、1死二、三塁から一ゴロ間に走者が生還して先制される。「最悪の立ち上がりだった」(近藤)。2回裏も得点圏に走者を置いたが無失点に抑え、3回裏は三者凡退と徐々に落ち着きを取り戻していった。「自分でテンポよく投げてリズムを作っていくので、その状態を取り戻せた」(近藤)。ただその状態も長くは続かず、4、5回裏はそれぞれ満塁のピンチをつくる。しかし4回裏は三振で切り抜けると、5回裏は併殺打の間の1点のみにとどめる粘り強い投球で5回2失点。「今日どうしようもないくらいストライクが入らなくてやばかったんですけど、守っているみんなもしっかり声を掛けてくれてありがとうございますと思いました」(近藤)。決して良くない状態ながらも試合を崩すことなく、後続にバトンを渡した。
打線は2回表に相手の失策で同点に追い付くと、3回表は先頭の1番・前國藤海斗外野手(政経2=明大中野)がセーフティーバントを決めて出塁。そして次の打者の初球で相手捕手がボールを少しはじいた瞬間を見逃さず盗塁を決める。一死三塁となり3番・田村がフルカウントからの6球目を右方向へ打ち返して勝ち越しに成功。5番・福田竜大外野手(商3=鎌倉学園)は犠飛を放ってさらに1点を追加。4回表にも1点を加え、3点リードで迎えた5回表には再び相手の失策で1点を取ると、なおも一死満塁の好機で打席には森本。カウント2-1からの4球目を振り抜き、三塁手横を抜ける強烈な2点適時打。試合の主導権を確実に握った。
大きくリードした明大は6回裏から継投に入った。6回のマウンドに上がったのはルーキー・深瀬暖人内野手(営1=三島南)。高校時代まではショートを守り、大学でも内野手として登録されているが、投手としての才能を買われてリーグ戦初登板に至った。先頭打者にはストレートの四球を与え「結構ストライクが入らなくて動揺した」と振り返るが、次の打者には自信があるというストレートを高めに投げて三振を奪う。「周りから声を掛けてもらって、気持ちでガンガン行こうと思って、結果が三振だったので良かった」(深瀬)。1回を無失点と上々のリーグ戦デビューとなった。
7回裏は小磯孝平投手(政経2=日大二)が登板。制球に苦しみながらも最後は三振を奪って1回無失点に抑え、8回裏からは上井健太朗投手(農4=札幌一)が登場。「今日は真っすぐが走っていたので、それでどんどん押してカウントを取っていけた」の言葉通り、正確にコントロールされたキレのあるストレートで2者連続で三球三振。ただ3人目の打者にはそのストレートを捉えられる。ブレがなく威力がある直球だけに打球は大きく飛ぶも、中堅手の前國藤が背走からのジャンピングキャッチでアウトにしてみせた。上井は9回のマウンドにも上がり、最後は二ゴロで試合を締めくくった。
チームはここまで6試合を消化して3勝。14試合で5勝に終わった春季リーグ戦から格段に成績が向上している。このことについて上井は「4年生のチームに対する考え方とか、4年生が引っ張るというところがどんどん出てきたのが、春から秋に向けて変わった部分かなと思う」と分析。より一層頼りになった4年生の下に、3年生が投打の主体を担い、1、2年生の新戦力が台頭。明大準硬式野球部、今秋は一味違う。
[北原慶也]
試合後のコメント
上井
――今年度からは中継ぎでの登板機会が増えましたが、投球スタイルに変化はありますか。
「後ろだったらイニング数が短いので、どんどん真っすぐで押せるのが、自分の長所を生かせるポジションかなと思います」
――中継ぎに配置転換となった理由は何ですか。
「自分が4年生というのもあって、来年のことも考えたら、下級生もしっかり投げてくれないといけないので、ピッチャーを育てることが理由の一つです」
近藤
――4回裏の2死満塁のピンチで三振を取れたことについてはどのように思っていますか。
「打たれそうな雰囲気だったんですけど、気持ちが強ければ基本的に抑えられると思っているので、だから抑えられると思って投げました」
――今後に向けて改善点や意気込みをお願いします。
「立ち上がりとか、もっと自分で試合を作っていくというところを頑張って、残り全勝して優勝できるように頑張ります」
深瀬
――投手をすることに葛藤や難しさはありましたか。
「ずっとショートをやってきたので最初は結構、それを捨ててピッチャーをやるっていうのは怖いところがあったんですけど、頑張ってみようかなという感じです」
――目標にしたい先輩はいますか。
「上井さんです。今日もバシバシ。『すごいなー、やっぱ4年生』と思って、自分もああいうふうになりたいなと思います」
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