4―8と黒星スタートも次戦以降へのつながりを見せる/東京六大学秋季リーグ戦

2023.09.03

 秋季リーグ開幕戦となったこの試合。先発を任された近藤吏矩投手(営3=札幌一)の後を継いだ中継ぎ陣が計6失点と大乱調。打線は法大を上回る12安打を放つもつながらず、8回表まで0点に抑えられた。

 

◆9・2~10・22 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)

▼9・2 対法大1回戦(立川公園野球場)

 明大4-8法大 


 開幕戦の先発は近藤。「初戦なので絶対落とせない。なんとしても勝ちたいという気持ちで臨んだ」と意気込みを見せマウンドに立った。しかし初回裏、四球で出した走者に盗塁を仕掛けられる。すかさず森本琢己捕手(政経4=明大中野)が送球するも浮いてしまい三塁への進塁を許すことに。その後、中犠飛で先制点を奪われた。近藤は立ち上がりに関して「余裕がなく、気持ちの面で少し空回りしてしまった。〝勝つ〟という気持ちが強すぎた」と反省の色を見せた。5回裏にも1失点するも、終わってみれば6回2失点で自責点は1と粘りの投球で先発としての役割を果たした。

 

 打撃陣は3回表、9番の近藤が1死からチーム初安打となる中前打を放つ。そして初回表に四球を選んだ1番・前國藤海斗外野手(政経2=明大中野)が右前打と続き1死一、二塁と大きな好機に。しかし2番・金澤永輝主将(法4=花巻東)、3番・田村陽大内野手(農3=花巻東)と後続が倒れ無得点となる。

 

 「追い込まれる前に、ストライクを取りにきた真っすぐを仕留めよう」(金澤)。3回終了後、金澤は選手たちに呼び掛けた。その言葉通りそれ以降は初球から積極的に振っていく変化が見られた。0-2とビハインドの6回表には先頭の前國藤が遊安打、金澤が相手の連係ミスを誘いバントヒット、田村が手堅く送り1死二、三塁と再び好機を演出。しかしまたしてもつながらず0点に終わる。7回表、8回表にも得点圏に走者を進めるも得点できず苦しい展開となった。

 

 最後の攻撃となった9回表。先頭の7番・安藤朗内野手(政経2=日大二)が相手二塁手の失策で出塁。ここで明大は代打攻勢に出る。まずは8番に代打・河野壮希内野手(営2=明大中野八王子)。内野ゴロとなるも併殺崩れで1死一塁となり、代打・金野慎之介外野手(政経3=明大中野)は中前打で好機を拡大した。ここで今日2安打の前國藤が適時右前打を放ち初得点。これをきっかけにひとつの〝打線〟となった。続く金澤、田村と連続適時二塁打で4―8と追い上げを見せた。「最初のチャンスの場面で打てなかった。なんとかつなごうと思い打った結果があのような形になった」(田村)。8回まで幾度となく得点圏に走者を進めるも無得点に終わっていた明大打線。それでも9回表には積極的な攻撃が功を奏し5連打4得点。次戦につながる大きな4点となったに違いない。

 

 秋季リーグ初戦は黒星発進となった明大。「能力や技術的なところに関しては、もうどの大学もあまり差はないと感じる。やはりその力をどれだけ発揮できるかというところが重要になる」(金澤)。秋季リーグのスローガンは〝逆襲〜共に勝つ~〟。この試合でも逆境の9回表に得点を重ねた。今秋季リーグでは春季5位の悔しさを糧に、9年ぶりリーグ優勝を目指す選手たちは最後まで諦めずグラウンドに立つ。

 

[阿部倖明]

 

試合後のコメント

金澤

――今回の試合を振り返っていかがですか。

 「チャンスでの1本が出なかったと思います」

 

――どのような意気込みで臨みましたか。

 「夏休み中の1カ月、やることをやり切りました。今回はもうみんながやってきたことに自信持って楽しんでやろうと思っていました」

 

――中盤から後半にかけて初球を狙っていくように話し合っていました。

 「流れが悪くなると、打席の中で縮こまってバットを振れなくなってしまう。ならば始めから思いきり甘いボールを振りにいこうとチームで共通してやっていったという感じです」

 

――次の試合に向けての意気込み、今回の反省点などお願いします。

 「今回の負けで、今までやってきたことやこのリーグ戦全部が終わるわけではないので、とにかく切り替えて、次戦以降で勝ち点を取れるように頑張りたいと思います」

 

前國藤

――秋リーグ開幕戦はどのような気持ちで臨みましたか。

 「春リーグの序盤でもスタメンで出させていただいていました。その後打てなくなり、ベンチからも外された悔しさがあります。秋リーグではそうならないように一生懸命やっていきたいです。また、4年生の先輩方と野球ができるのは最後なので、しっかり最後には関東王座へ一緒に出たいという思いでやっています」

 

――1番打者として3安打猛打賞に1四球と計4出塁で1番打者として大活躍でした。

 「相手にも助けられた部分がありましたが、しっかりとリーグ戦の初戦で自分の仕事をできたのは良かったかなと思います」

 

――今回の試合を通して感じたことはありますか。

 「新人戦の時よりも相手投手のレベルが上がっているで、そこになんとか食らいついていけるようにやっていきます」

 

――試合を通して、何か悔いの残るプレーはありましたか。

 「バックホームをした時に両足がつってしまって投げられなかったことです。その他にもセンターオーバーの打球で、グローブで触れていたけれど捕れなかったこともとても悔しかったです」

 

――この秋季リーグへの意気込みをお願いします。

 「後ろに頼れる先輩たちがいるので、自分の仕事をしっかりとして、先輩たちを優勝に導けたらなと思います」

 

近藤

――今回投げた6回のうち4回は走者を置いた投球となりました。その際、走者を意識して投球しましたか。

「法大の選手はみんなが野球の能力だけではなく野球脳も高いと思っています。やはり走者も賢い走塁をしてくるので、そこにも重きを置きながら投げました」

 

――結果としては6回2失点、自責点は1と先発としての役割は果たせたと感じましたが、いかがですか。

 「ちょっとダメですね。勝てなかったのは自分のせいです」

 

――今回の収穫と改善点はいかがですか。

 「今回の収穫として、被安打はそこまで多くはなかったのでより自信を持ってストライクゾーンに投げ込んでいきたいです。課題としては四球です。積極的にストライクゾーンで勝負していかなくてはならないと思いました」

 

――今後に向けてお願いいたします。

 「春は5位で終わってしまい、正直情けない結果だと感じました。やはり秋は自分の力で優勝に導けるように頑張りたいと思います」

 

田村

――今回の試合を振り返っていかがですか。

 「先発した近藤が抑えてくれていたのですが、自分や上位打線にいる人たちが得点圏にランナーがいる場面で打てなかったのが、今回のようなゲームの流れを作ってしまったと思います」

 

――春季リーグ終盤でなかなか調子が上がってこないこともあったと思います。今回はどのような調子で、気持ちでやってきましたか。

 「普段からの振り込みを多めにやるようになってからバットが振れるようになりました。これからも平日やリーグ戦がない月の練習などでも振り込みを増やしてやっていければ今回のように打てると思います」