前國藤が4安打2打点の活躍 8―3で法大に快勝/春季木村杯新人戦

2023.05.28

 投打がかみ合った明大は快勝。初回表に4点を挙げるなど16安打8得点と打線の好調さを見せた。先発の森慎之介投手(商2=佼成学園)は打線の援護もあり5回7奪三振の好投。決勝への望みをつないだ。

 

◆5・20~5・28 春季木村杯新人戦(早大東伏見グラウンド他)

▼5・27 2回戦(S&D昭島スタジアム)

〇明大8-3法大

 

 「決勝に何としてでもつなげようという気持ちで来た」(前國藤海斗外野手・政経2=明大中野)。先頭の前國藤は初回表、右翼線への三塁打で出塁する。2番・満田悠生内野手(営2=中京大中京)が四球を選ぶと3番・甲斐京司朗内野手(営1=大分舞鶴)が左前適時打で幸先よく1点を先制。その後バントで走者を進め、5番・鈴木朝陽内野手(法1=三重)が左中間を越える2点適時打を放つ。さらには7番・吉武航世外野手(文2=岩国)の適時打もありこの回一挙4点を挙げた。

 

 先発は森。初回裏は2者連続三振と好調な滑り出しとなるも2回裏は内野安打と2四球で1死満塁のピンチを招く。それでも「今日はストレートが走っていて、押せていけた」(森)。その言葉通りの力強いボールで2者連続三振とピンチを切り抜けた。3回裏には2死二塁から適時打を浴び1点を奪われるが、その後は粘りの投球で抑え、結果的には5回7奪三振3四球1失点と先発としての仕事を果たした。

 

 打線は、6回表にも追加点が生まれた。先頭の代打・古澤環内野手(法2=東北学院)が中二塁打で好機をつくり、1死二塁から前國藤の中適時打で1点を追加。さらに続く満田の左前打で1死一、三塁と好機を広げると、3番・甲斐に打席が回った。相手投手が投じた3球目一塁走者満田が盗塁のスタートを切るも、捕手の見事な送球により阻止され、2死三塁に。それでも、甲斐が右適時二塁打で走者を返し見事8点目を奪った。

 

 しかし、中継ぎ陣が崩れ6回裏と7回裏にはそれぞれ1点ずつ失ってしまう。この悪い流れを断ち切ったのは8回裏から登板した小磯孝平投手(政経2=日大二)。「とにかく気負わず自然と内から出てくる気持ちみたいなものを大事にして素直に投げていった結果、良くなった」(小磯)と変化球を織り交ぜてテンポ良くゴロアウトを築き三者凡退。9回裏にも登板し味方の失策で走者を1人許すも、最後は三ゴロに打ち取り試合を締めくくった。

 

 チームの調子の良さを発揮した。満田は「自分にできること以上を求めても仕方ないのでつなぐことを念頭に置いた」とつなぎの意識を見せて好機を演出。2安打4出塁と活躍を見せた。さらに投手陣は、森の活躍に加えて荒川佑太投手(政経2=金沢)と上田時生投手(営2=明大中野)が中継ぎとして登板。「それぞれ持ち味があり、変化球やストレートと多種多様なのでそれらを出せていたことは良かったと思う」(森)と皆大きな可能性を秘めている。決勝の相手は慶大。優勝を目指しチーム一丸となって戦う。

 

[阿部倖明]

 

試合後のコメント

小磯

――前の中継ぎ陣が点を取られる場面もありましたが、ご自身はどのような気持ちでマウンドに立ちましたか。

 「点差も離れていたので、自然体で動じず、何も考えないで落ち着いてやることをやっていこうと思っていました」

 

――打撃陣をどのように見ていましたか。

 「かなり点を取ってくれたのでピッチャー陣も投げやすかったというのと、これまで投げていなかったピッチャーも投げられたのでそれは打撃陣に感謝です」

 

前國藤

――全出塁と好調の理由を教えてください。

 「後ろに頼れる同期と頼れる後輩がいるので、何とかつないでいこうという気持ちがこうさせたのかなと思います」

 

――盛り上げるために心がけていることはありますか。

 「自分たちの代の野球なので『声掛けと笑顔』で楽しもうという精神でプレーしています」

 

――決勝に向けての意気込みをお願いします。

 「明日も守備からリズムをつくって何とか攻撃に流れを回して、みんなで優勝して笑顔で新人戦を終えたいと思います」

 

満田

――今日は4出塁でした。

 「やれる事はやったかなと思います。調子がいいか悪いかはわからないけれど、やるべき事、自分にできる仕事ができ、それが結果につながったので良かったです」

 

――打撃陣全体としてはいかがでしたか。

 「走塁のミスもいくつかあったけれどそのようなところを、頼もしい1年生もいたりとみんなでカバーしながらいい攻撃ができたかなと思います」

 

――決勝への意気込みをお願いします。

 「もちろん優勝です。優勝だけですね。それだけ。勝つだけです」

 

――ご自身の調子はいかがでしたか。

 「調子は良かったです。ストレートの調子が良かったので、捕手とも直球で押していこうと話しました」

 

――今後の目標についてはいかがでしょうか。

 「目の前の一人一人を抑えられればいいと思います」