佐藤恵2Gで中大に逆転勝利 勝利必須の試合制す/関東大学1部リーグ戦

2023.05.14

 リーグ戦第5節は、11位の中大と対戦。前半は先制点を許したが、後半は守備を再構築し、3―1で逆転勝利。勝ち点3の獲得が上位進出の絶対条件となる極めて大事な試合で白星を挙げた。


 

 前節までで1勝3分、勝ち点6の成績でリーグ戦4位だった明大。しかし昨年から規定されている学生審判員の登録が不足していた。そのため関東大学サッカー連盟から登録完了がされる第4節までの試合結果の勝ち点を没収するという厳しい処分を科される。リーグ戦は最下位でのリスタートになった。 

 

 勝ち点を剥奪され、リーグ戦は振り出しに戻った。勝利が必須となった今節の対戦相手は、今年度2部から1部に昇格を遂げた中大。試合開始からボールの主導権を握ったのは明大だった。チームに今試合初シュートが生まれたのは開始8分。左サイドから島野が、林にゴール前へパスを送り、シュートを放ったが決まらず。相手に対して高い位置から積極的にプレスをかけるも、うまく剥がされてかみ合わない中、試合が動いたのは23分だった。背後への縦パスに反応をした相手をPA(ペナルティーエリア)正面付近で倒しファウルの判定中大にFK(フリーキック)のチャンスを与えてしまい、先制点を許した。それでも「クリアソン新宿との試合は失点して焦ったが、今回はいい意味で焦らなかった」(佐藤恵)。先に失点をしたことで反撃に出たい明大は36分、中村が中大のディフェンスを崩しゴール前まで切り込むが決まらない。その後もシュート本数は相手を上回り、ゴール前で競る場面が何度も続いたが、得点できないまま前半を終えた。

 

                    (写真:得点を決めた中村)

 

 0―1で迎えた後半。まずは同点に追い付くことでなんとか勝ち点を得たい明大。ボールを持つ時間は依然として多く、シュートを打つ場面が続いたが、中大の強固なディフェンスを前になかなか決めることができない。85分、佐藤恵がファウルを受けてPKを獲得。残り時間が少ない中で、決めなければ敗北覚悟の場面であったが、このチャンスをモノにし1―1の同点となった。その同点ゴールからわずか3分後、相手陣営の疲れを見逃さなかった島野が一瞬のスキを突き、スペースへと華麗なドリブルから持ち運ぶと中村にパス。足元に受けて切り替えし、そのまま右足で流し込んだボールはゴールへと吸い込まれた。短時間での逆転に成功し、試合の流れを完全につかんだ明大はその後もボールを持ち続け、アディショナルタイムのラストプレー。カウンターの場面で相手の連携ミスから阿部が左サイドを駆け上がり数的優位の状況を作り出す。クロスを上げるとエリア内に入り込んだ佐藤恵がヘディングで叩き込み3点目を挙げて、大逆転勝利となった。

 

(写真:初先発となった桒原)

 

 東京都トーナメントで敗北を喫した後のリーグ戦。さらに勝ち点を剥奪されたことでゼロからの再出発となった。アクシデントもあり、チーム状況は決して良くなかった。前半は前回試合と同じく先制を許す厳しい展開に。それでも「失点してしまったが、試合中に守備を改善した。試合中に改善することができるかが課題でもあったから良かった」(林)。同じような前半のゲーム内容が2試合続いたが今節はビハインドの中、相手に合わせて柔軟に戦術を変更。その結果、後半に3点を入れて逆転で相手を撃破した。昨年度のリーグ戦王者は、同じ負け方はしなかった。風向きは厳しいかもしれないが、目の前の試合に全力で挑む。今季全勝を目指す明大サッカー部の挑戦が再出発した。

 

[田上愛子]


試合後のコメントはこちら