
気迫の1―1 立大との引き分けに収穫/東京六大学春季リーグ戦
前回の試合で慶大相手に勝ち点を奪えず後がない明大。大事な立大1回戦、序盤は両チームとも好機をつくるがあと一本が出ない展開に。6回裏、その緊迫した空気を一掃する土屋真之介内野手(営3=明大中野八王子)の適時二塁打で明大は先制点を奪う。しかし、7回表には押し出しの四球で痛い1失点。その後両チームの好投により追加点を奪えず引き分けという結果で幕を下ろした。
◆4・1~5・21 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼4・29 対立大1回戦(スリーボンドベースボールパーク上柚木)
明大1-1立大
立大戦 |
1 |
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3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
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9 |
計 |
立大 |
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1 |
0 |
0 |
1 |
明大 |
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0 |
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0 |
1 |
守備力が光った試合だった。序盤からピンチを背負う緊迫した状況の中、先発・笹川健太郎投手(文4=明大中野八王子)が気迫のこもった投球を見せ、5回無失点の好投。「打たせたいところで打たせられた」(笹川)。4回表には、2死から長打と中安打を打たれ2死一、三塁のピンチに。それでも得意の真っすぐで押し、右翼に打ち取った当たりで見事無失点で切り抜けた。5回表にも安打で2死一塁とされたが、今度は吉原瑠人捕手(法3=仙台育英)が見事なフィールディングで、飛び出した一塁走者の盗塁を阻止する。笹川の安定感ある投球と内野陣の堅い守りがチームを支えた。
6回表まで両チーム無得点。何としても先制したい明大は6回裏、福田竜大外野手(商3=鎌倉学園)がフルカウントから見極めて四球で出塁する。続く宇津木一朗内野手(営3=川越東)が遊ゴロで併殺を狙われるも、気迫のヘッドスライディングで一塁セーフに。そして2死一塁で今試合が初スタメンの土屋に打順が回ってきた。鋭く振り抜いた打球は左中間に伸びていく。見事な適時二塁打となり明大は先制点を奪取。勝利への強い思いがつないだ大事な1点となった。
しかし、直後の7回表、伊井颯也投手(商4=明大中野)が先頭打者に四球を与えてしまう。1点のリードを守り抜きたい場面だったが、この回さらに失策と押し出しの四球で1点を献上。なおも続く2死満塁のピンチに、マウンドに上がったのは浦田光投手(法4=明大中野八王子)。そして迎え撃つは立大の4番打者。意地と意地のぶつかり合いだった。浦田が投じた7球目、見事見逃し三振に打ち取ると、飛び出したのはこの対戦の意味を物語る大きなガッツポーズ。その後、勝ち越しは許さなかったものの明大も得点を重ねられず、試合は1―1のまま引き分けで終了。勝負は次戦以降に持ち越された。
それでも、今試合で得たものは大きい。「負けなかったことが収穫」(笹川)。何度もピンチをつくりながらも、投手陣の粘りの投球が失点をわずか1に抑えた。「満塁で一本打たれていたらビッグイニングになっていた。投手陣も野手陣も全員で守れたのがよかった」と金澤永輝主将(法4=花巻東)は守備面について振り返る。今試合7人もの投手が登板し、層の厚さを見せつけた明大。守り勝つチームの次なる目標は「ワンチャンスをモノにしていく」(吉原)こと。つくった好機を逃さぬよう、今後も一戦一戦を全力で戦い抜く。
[布袋和音]
試合後のコメント
金澤
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「本当は勝ち切らなければならない試合だったと思うんですけど、でもすごいみんな投手陣も守備側もすごく粘ってくれて、負けにはつながらなかったので、負けなかったのはよかったことかなと思います」
吉原
――リード面で意識していたことはありますか。
「チームが勝つことが一番だと思うので、捕手はそのためのポジションだと思うので、投手が何が調子がよくて何を投げたいのか、ちゃんとコミュニケーションを取って、声かけとかどんどんしていったらいい流れを持ってこられるんじゃないかと思います」
笹川
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「点の取れないチームなので、ロースコアの展開になることは予想していたんですけど、勝てなかったことよりも負けなかったことが収穫かなと思います。次勝てるように前向きに頑張っていきたいと思います」
――今季から先発でいい投球が続いていますが要因は何ですか。
「たまたま今年先発になっただけで、やることは変わっていないので、要因と言ったら特にないんですけど、ちゃんと初球ストライク取るとか先頭打者出さないとかそういうことを意識しながらやっています。仮に出しちゃったとしても他の改善策見つけてやっていっているので、1個先を読んで投げられているかなとは思います」
土屋
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「めちゃくちゃ緊迫していてとりあえずずっと緊張していました。1回ちょっとエラーみたいなのがあってそれを取り返せてよかったです」
――今日は非常に風が強く、砂ぼこりが酷い中でのプレーでしたが影響はありましたか。
「すごくありました。フライが全部前に行ってしまってそれが結構きつかったです」
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