女子エペ団体 創部史上初の日本一!/全日本選手権

2022.12.20

 フェンシング団体日本一を決める全日本選手権団体戦(以下、全日本)が有観客で開催された。大会最終日には明大から女子エペが、シード校として登場。最後まで集中力を切らさなかった明大女子は、6月の全日本学生王座決定戦(以下、王座)と10月の関東学生選手権(以下、関カレ)に続いて優勝し、3冠を見事達成。女子創部初となる日本一に輝いた。

 

◆12・16〜18 全日本選手権(垂水市中央運動公園体育館)

▼女子エペ団体

 明大――1位

 

 またも歴史的快挙を成し遂げた。王座、関カレと抜群のチーム力を見せてきた女子エペは、第2シードとして第2試合から登場した。「自分たちは去年、準優勝で終わっていた」(中村優里・営4=成立学園)。昨年度は決勝に進むも、わずか1点差で日大に逆転負け。優勝にはあと一歩及ばなかった。リベンジを果たすべく挑んだ今大会の初戦は、今夏のインターハイで初優勝した龍谷大平安高との一戦。「簡単ではない相手だった」(佐藤琴美・政経3=一関第二)。1番手の稲山友梨(営2=星槎国際)が同時突きでスタートした試合は、3セット目までは優位な状況を作り出すことができなかった。だが中盤以降は勢いづき、最後は45―30と15点差で圧倒。大学生の実力を見せつけた。「その後は気持ちが吹っ切れて試合に臨めた」(佐藤)。準々決勝の法大戦、準決勝の関学大戦ではのびのびとしたプレーを見せ、それぞれ45―35、45―30と大差をつけて勝利。2年連続の決勝へと駒を進めた。

 

 そして迎えた決勝の相手は、準決勝で専大を接戦の末に破った日大。昨年度と同じ壁が最終試合に立ちはだかったものの「今までの日大との団体戦の中で一番いい試合ができた」(稲山)。先鋒(せんぽう)の佐藤が3―5と多少のリードを許すも、直後の第2セットで稲山が10―9と逆転。それ以降は第4セットで佐藤が6ポイント、第5セットで盧承延(政経1=王子総合)が5ポイント、それぞれ奪うなど全セットで引き分け以上の成績に。「決勝の前までは調子が良くなくてハラハラさせてしまったが、日大戦では気持ちを切り替えて冷静になって戦えた」(盧)。最後は稲山が一挙9ポイントを勝ち取り、最終スコア45―29と終始明大ペースのまま圧勝。「もう涙が出て前が見えないくらいうれしい」(長尾康司監督)。躍進を続ける女子エペが、女子創部以来の歴史を塗り替え、全日本初優勝に輝いた。

 

 快挙の裏には、チームを支えた人たちの存在があった。「明治のこれまでの団体戦は、点を取りにいこうとしてやられて、悪い方向にいってしまうことがあった」(國谷優奈・政経1=宇都宮中央女子)。ベンチに初めて入った國谷は、メンバーが焦らずリラックスしてプレーできる声掛けを意識した。さらに、今のチームの土台は4年生の存在が大きく関わっている。「4年生はチーム作りが上手だった」(長尾監督)。下級生とも積極的にコミュニケーションを図り、日頃から醸成されていた一体感は今大会でも存分に発揮された。「今の明治のコミュニケーションの取りやすさや雰囲気を、どんどん受け継いでいって欲しい」(小佐井彩花・総合4=宇土)。女子は先月の全日本学生選手権(インカレ)で代替わりが行われ、4年生はチームの練習を離れた。世代交代が進んでも、現在の明大女子の良さが残り続けるように。そうした4年生の思いも胸に、一年を最高の形で締めくくった新生・明大女子は、来年もさらなる高みを目指していく。

 

[渡辺悠志郎]

 

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