圧巻の上井劇場! 被安打1の完封勝利/東京六大学春季リーグ戦

2022.05.24

 前日のサヨナラ負けから一転、今試合では慶大に一切スキを見せなかった。先発の上井健太朗投手(農3=札幌一)がテンポ良く慶大打線を封じ込めていき、野手も無失策で試合を進めていく。打線も終盤までロースコアの展開ながら8回裏に4点を追加。5-0で勝利に導いた。

 

◆4・2~5・22 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)

▼5・23 対立大2回戦(早大東伏見グラウンド)

 ○明大5-0慶大

慶大

慶大

明大

×

 

 慶大を終始圧倒した試合展開だった。打線は3回に金澤永輝内野手(法3=花巻東)の安打で先制。「当たりは良くなかったが、何とか抜けてくれた」(金澤)。また、守備面でも「打たせたゴロも全てさばいてくれた」(上井)とリズム良くアウトを取りこの試合では無失策。攻守両面で安定感が抜群だった。その後、8回裏に相手の失策や元雄立主将(文4=東北)の適時二塁打で4点を追加。これがダメ押しとなり、慶大に快勝した。

 

 まさに『上井劇場』。初回表こそ安打を許すものの「前試合では高めの球を打たれていたので低めを意識した」(上井)と、反省を生かした投球で後続を抑えていく。結局相手に安打が出たのは初回のみ、6回表に四球を与えるまで1人の走者も許さなかった。また、「とにかくストライク先行でいった」(上井)と遊び球もなくテンポ良く押さえ込むことを徹底。そのテンポの良さは試合時間からも分かる。前試合の試合時間が3時間なのに対し、今試合はわずか2時間ほど。同じイニング数で1時間も差が出るほどの守りのテンポだった。結局、上井は9回を被安打1、四死球1、奪三振9という素晴らしい成績で試合をまとめた。

 

 次戦で勝てば3位が確定する。前試合で「やり返す気持ちで頑張る」(元雄)と今試合での奮起を誓ったチーム。その力が見事に発揮された試合結果となった。はたして、次戦でも出せるかどうか。リーグ戦も残すところ1試合、もう敗北で終わる悔しさはいらない。

 

[菊地秋斗]

 

試合後のコメント

 金澤

――前試合から守備のことで話したことなどはありますか。

 「今までは内野手が投手の足を引っ張ってしまう場面が多かったので、今試合ではそれはなくそうという話はしました。でも、今日の守備も投手が頑張ってリズムをつくってくれた面が大きいですね」

 

――打線自体はまだ、本調子とは言えないような印象です。

 「そうですね。ただそういうときこそ守備で我慢することが大事で、そうすれば終盤のようなビッグイニングが生まれると思うので。守りで我慢して攻撃につなげていきたいです」

上井

――相手の流れになりそうなときでも乱れない投球でした。

 「まず、先頭打者を抑えることを意識していました。そこからは何とか3人で終わらそう、絶対にリズムは渡さないという気持ちで投げていました」

 

――本日は打っても2安打でした。

 「バッティングが好きなので(笑)。まあでもたまたまですね(笑)」