蒔田の122球 投打かみ合い完投勝利!/東京六大学春季リーグ戦

2022.04.23

 伝統の明早戦。初戦となるこの日のマウンドには蒔田稔投手(商3=九州学院)が上がった。序盤はやや苦しみながらも要所を抑える投球で試合を組み立てる。尻上がりに調子を上げると、打撃陣も今季絶好調の宗山塁内野手(商2=広陵)を筆頭に躍動。蒔田が初の完投勝利を挙げ、神宮に勝利の雄たけびを響かせた。

 

(明)〇蒔田―蓑尾

(早)●齋藤正、中森、原、伊藤樹―印出

【安】(明)12(早)5

【三】(早)蛭間(2回)

【二】(明)宗山(5回)◇犠打6 宗山(1回)、瀨(4回)、西川(4回)、蓑尾(5回)、直井(6回、8回) ◇併殺0 ◇残塁13 ◇盗塁2 上田(1回)、小池悠(4回) ◇失策0

 

 序盤は一進一退の攻防が続いた。試合の均衡が破られたのは5回表。先頭の上田希由翔内野手(国際3=愛産大三河)が死球で出塁すると、宗山も右翼への二塁打でつなぐ。ここで打席には頼れる4番・山田陸人内野手(法4=桐光学園)。右翼前に落ちる値千金の適時打で1点をつかみ取ると、相手の失策も絡み蒔田に2点の援護をもたらした。8回表にも3番・宗山の適時打で追加点を加えるなど、上位打線の活躍が勝利を引き寄せた。

 

 「しっかり勝って流れに乗れるように」(蒔田)。そう語った背番号17はこの日、最後までマウンドに上がり続けた。序盤は制球にやや苦しむものの、力のある直球で試合の流れを渡さない。ギアが上がったのは6回裏。相手のバットに空を切らせると、そのまま試合終了まで4回連続の三者凡退で抑えた。

 昨秋は早大打線に屈辱を味わった蒔田。最後の打者をこの日最速となる147キロの直球で三振に切って取ると、マウンド上で特大のガッツポーズを見せ、完投勝利を挙げた。

 

 次戦に向けて勢いづく完投勝利となった明大。「チーム全員の力で勝ちたい」(宗山)。その言葉通り、明大らしい〝つなぐ野球〟を貫き、頂へと突き進む。

 

[栗村咲良]