苦しみながらも価値ある引き分け/春季オープン戦

2022.03.26

 春の嵐が吹き荒れる明大グラウンド。この日マウンドに上がったのは髙山陽成投手(文3=作新学院)。序盤、コントロールに苦しむと3回表、明大OB・添田真海選手(令2法卒・現日本通運)の三塁打などもあり2失点。しかし、その後は明大打線が意地を見せ2-2で引き分けた。

 投手陣は苦しみながらも2失点にまとめ上げた。髙山からマウンドを託されたのは松島元希投手(文1=中京大中京)。制球に苦しんだものの無失点で切り抜け、傾きかけた試合の流れを立て直す。6回表からは渡部翔太郎投手(総合=千葉黎明)が強気の投球でいきなり2者連続三振に切って取ると、そのまま3回をわずか1安打で零封。「自分が4年として活躍できたら」(渡部翔)。頼れる4年生が反撃の狼煙(のろし)を上げた。

 

 一方の打撃陣で活躍が光ったのは日置航外野手(商3=日大三高)。5回裏、先頭打者として安打を放つと、相手の失策の間に激走を見せ1点をつかみ取る。すると8回裏、渡部翔の好投から明大打線はリズムに乗る。期待のルーキー・瀨千皓外野手(令4営入学=天理)の安打などもあり1死満塁の好機をつくると、日置の打球は春風を味方に付け適時打となり2点目を獲得。社会人相手に土壇場で食らいついた。

 

 惜しくも引き分けとなった今試合。しかし、粘り強い野球を体現できたことはリーグ戦への弾みとなるに違いない。次戦は東京六大学社会人対抗戦。「つなぐ野球で勝てたら」(日置)。その言葉通り、明大らしい野球を見せつけたい。

 

[栗村咲良]