原晟也 攻守でチームを引っ張るムードメーカー/4年生取材②

2022.01.17

 今年度、春秋どちらも2位という結果に終わった明大。惜しくも優勝はできなかったが安定した成績を残し続けた。その中で特に活躍をした4年生の中心メンバー4名に事後取材を行った。第2弾は走攻守の要であり、関東選抜にも選ばれた実績がある原晟也(内野手・情コミ4=彦根東)。プレー、そしてムードメーカーとして部の中心に居続けた原に注目していく。

 

――春季秋季ともに2位という結果でしたがそれについてはどう思いますか。

 「やはり優勝を目指してやってきたので、正直悔しい結果だなというふうには思います。でもチームとしてはすごくいいチームになったと思うので、最後まで全力でやれて良かったなという感じです」

 

――春は特に打撃と守備が好調だったと思うのですがその辺りはどうでしたか。

 「(バットに)触れば安打が出るくらいの調子の良さだったので楽しかったですけど、それでもチームが優勝できない、勝てないと面白くなかったです。自分がどんなに活躍しても意味がないと思っていたので、調子が良くて自分の中で気持ちがいいという部分もありました。それでも法大戦とかはチームが勝てない状況だったので、そこはちょっとという感じでしたね」

(原は春季最多打点、ベストナイン、打率も4割超えと八面六臂の大活躍を見せた)

 

――リーグ戦や予選会を勝ち抜き、チームの雰囲気も取材をしていてすごく良さげに感じました。

 「本当に谷口(秀斗主将・営4=広陵)がリーダーとなって支えてくれて。4年生が少ないのでなかなか回らない部分もありました。でも3年生が僕たちを支えてくれるような形で色々と動いてくれました。4年の色が出るというよりは3、4年生がしっかりとチームをまとめることができたのかなって思います」

 

――秋は逆に不調の時間が長かったですが、何か工夫などはされていましたか。

 「秋の不調は自分自身の調整不足がリーグ戦に響いてしまったのかなというところがありました。調整不足をどれだけ日頃の練習の中で取り戻していけるかを、常に心掛けていましたが、体重が6キロ落ちてしまい、戻そうとしても戻りきらなかった部分がありました。そこがあまり自分の中で調整するのができなかったのかなと思っています」

 

――4年間のベストゲームを教えてください

 「自分、試合覚えるのが苦手なんですよ。自分の良くない所ではありますが、自分の打撃の結果が良かった悪かったというのは覚えているんですが、あまり試合ってなるとパッと思い浮かばないですね。でも一番覚えているのは2年の全日本大学大会の初戦の中京大戦です。1点ビハインドでみんながつないでっていうところで、あの試合はすごくみんながまとまっていて。なのでみんなで勝てた試合だったかなと思います。まあ劇的な試合だったというのももちろんありますが。あと、その年の同大会、九産大戦でメッタメタに打たれた試合もすごく印象に残っています。あれは本当にどうにもならなかったなという、僕自身本当に何もできなかったなというのと、優勝したかったのに優勝できなかったっていうのもありますね」

(2年前の全日本大学大会、対中京大戦。原は1点ビハインドの9回に先頭で出場。粘った10球目をセンターへ弾き返し、逆転の先陣を切った)

 

(同じく全日本大学大会、対九産大戦。原は無安打、チーム通しても2安打と完敗を喫した)

 

――それでは記憶に残っている打席はありますか。

 「立大戦の3戦目(4年次の春季リーグ戦)、自分の本塁打が出た打席です。2試合目が自分の失策というか、怠慢なプレーで負けてしまってチームの雰囲気を悪くなったところでした。なので何とかしたいなっていう気持ちで打席に立った結果の本塁打だったんですよ。そこからチームとして勢いが出たかなという感じでした。その本塁打を打った打席が自分の4年間の中でトップレベル、1位タイですかね。タイというのは 中京大戦で安打を放った最後の打席がもう一つあります」

(春季リーグ戦、対立大3戦目。勝ち越し本塁打を打って喜びをあらわにしている原〈写真提供:準硬式野球部〉)

 

――4年生に対して思っていることなどがありましたら教えてください。

 「この代の4年生は少なくて、だから他の代と比べるとこの代はすごく深いというふうに思っています。この人がいないとなんかちょっとおかしくなっちゃうという感じが自分の中にはあって、全員がいないとこのチームは成り立たないのではないかなと思っています。試合に出ているやつもいれば試合に出ない中でサポートしてくれるやつもいる。サポートとしてくれる4年生がいるから俺らも頑張れるし、試合出なくても4年間ちゃんと続けてくれる姿勢っていうのは自分じゃ多分できないなと思います。自分は試合に出ないと楽しくないと思っているので。少し言い方が良くないのかもしれないですが、でもやはり試合に出られない中で色々サポートしてくれる4年生は僕の中ですごく尊敬しています。その中には野球に限らず自分のミスをなあなあにしないできちんと怒ってくれる4年生もいて、みんな対等に野球に向き合っていて色々言ってくれる、すごくいい仲間に恵まれたなというのはすごく思います」

 

――ムードメーカーとして部を引っ張ってきた原選手ですが、後輩に向けてメッセージがあればお願いします。

 「やっぱり野球は勝たないと楽しくないと思うんですよ。1年の時はずっと野球を辞めようと思っていました。やっぱり楽しくないと思っていて、全然勝てないし自分がベストナイン取れても、取れたことの喜びはあるんですけどこのチームでやっていくことの喜びがないので。やっぱりチームが一つになって勝つことがスポーツをするということの楽しさだと思います。今の3年生含めて下級生は馴れ合いがあったり逆に個性があって反発があったりしますが、一つの勝利に対して全員が同じ方向を向いてやっていけるように頑張ってほしいなというふうに思っています。それでリーグ戦優勝して、今年自分たちが行けなかった全日本、そして2年前できなかった優勝を成し遂げてほしいです」

 

――ありがとうございました。

 

[菊地秋斗]