今年度ラストタイトル 初戦は”粘り”で延長勝ち抜く/関東王座決定戦

2021.11.05

 関東地区の猛者が集う関東王座決定戦が開幕した。各地域のリーグを勝ち抜いた学生や社会人チームも参加するなか、初戦の相手は東都2位の東海大。何度も怒濤(どとう)の展開が起きつつも試合は延長まで続き、ギリギリの戦いをサヨナラ勝ちで突破した。

 

◆11・3~11・10 関東王座決定戦(早大東伏見グラウンド他)

▼11・4 対東海大戦(あきる野市民球場)

 〇明大4x―3東海大

 

東海大戦   

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

東海大

1

明大

2X

 

 波乱の展開で幕を開けた今試合。先発は安定の高島泰都投手(法4=滝川西)が登板するも、いきなり初回バッターが左方向へ大きく球を上げて本塁打に。続く裏、明大の攻撃では永井克樹外野手(営3=広陵)も左方向への本塁打を打ち放つ。「入ってくれて良かった(笑)」(永井)とお互い1号ソロから試合が立ち上がることに。途中3回表で2死満塁のピンチを迎えるも、高島投手の冷静な投球でこの場面は死守。その後6回裏で勝ち越した1点を守り切れず、8回表で1点を返され同点に追い付かれてしまう。

 

 試合終盤、球場の緊張感は最高潮に達する。9回表から前田剛志投手(農4=札幌一)がマウントに立ち、互いに三者凡退で試合はタイブレークに突入。「少し詰めが甘くて、最後に1点取られた」(前田)。裏の攻撃では明大は初球で二塁走者がけん制死と一気に追い込まれてしまう。

 そんな暗い雰囲気に光が差す。齋藤悠貴内野手(営3=桐蔭学園)の出塁から、1死一、二塁の場面で谷口秀斗主将(営4=広陵)がバッターボックスに。「自分がやってきたこととチームの皆を信じて、主将として初球から思い切り良くいこうと思った」(谷口)と適時打を放ち3-3の同点へ巻き返しに成功。最後は上戸鎖飛龍内野手(農3=花巻東)が初球から右方向へサヨナラ打を決めて試合終了。「何も考えずに『ただ終わりたくない』という気持ちでバッターボックスに入った」(上戸鎖)。諦めない心が勝利に結びついた瞬間だった。

 

 手に汗握る展開が続いた初戦。関東中の強豪が集う以上、優勝への道のりは険しい。それでも「次の試合も粘り勝ちして優勝したいと思います」(谷口)。明大らしい守りを軸にした粘りの野球で、関東の頂へと突き進む。

 

[金内英大]

 

試合のコメント

谷口主将

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 「皆が粘り強く、向こうのチームよりも勝ちたいという思いが強かったので、向こうもその気持ちは強かったんですけど、こっちがそれ以上に強かった結果が今日の試合だったのかなと思います」

 

――守備面ではいかがでしたか。

 「大会前に皆に伝えたのは『どんな時でも攻めよう』と。それと『楽しく笑顔で、勝ちたい気持ちは同じですけどエンジョイ野球しよう』と。声を出して、気楽にやってくれたので、どんなピンチでも乗り越えられたのかなと思います」

 

前田

――チームメイトが打線をつなげてくれました

 「正直最後のタイブレークの時も2点くらいならいいだろうと。皆が打ってくれるだろうと思って投げていたので、結果打ってつないでくれたので本当に良かったです」

 

――4年生として、残り数試合をどうするかとか話されていますか?

 「とりあえず優勝を狙って、できることをしっかりやるということを。今日みたいな勝ち方が明大の勝ち方だと思うので、粘り強くというか守備でリズムをつくってバッティングをつないでいく、そういった試合を今後も続けていきたいと思います」

 

上戸鎖

――ラストの場面、緊張感はどれくらいありましたか

 「今日はエラーしてしまって『絶対に打たないと』という気持ちはありました。緊張感はなくても絶対に打つという気持ちは常にあります」

 

永井

 ――タイブレーク入った時の心境を教えてください

 「大丈夫かなと思ったんですけど、皆が技術というより気持ちでつなげた試合だったかなと思います」