
エースの粘投むなしく あと一つから逃した勝利/東京六大学秋季リーグ戦

あと1死から勝利を逃した。先発は背番号〝11〟・竹田祐投手(政経4=履正社)。4回表、今井(早大)に左翼への本塁打を許し、6回表にも中堅への本塁打を浴びるも、7回を2失点にまとめあげるなど貫禄の投球を披露。しかし2点リードで迎えた最終回2死、試合の流れは一変した。四球から連打を浴びると、打席には今井。痛恨の逆転打を食らい、敗戦。野球の怖さを思い知らされるような試合となった。
(明)竹田、村田、磯村、●蒔田、渡部翔―蓑尾
(早)徳山、清水成、ユエン、原、加藤、◯齋藤正、西垣―岩本
【安】(明)12(早)11
【本】(明)上田(3回)(早)今井(4、6回)
【三】(明)蓑尾(2回)(早)丸山(9回)
【二】(明)蓑尾(4回)(早)今井(9回)、岩本(9回)
(明)◇犠打2 西山(2回)、陶山(4回) ◇併殺1 ◇残塁11 ◇盗塁1 丸山(3回) ◇失策1
粘りの投球がチームに流れを引き寄せた。先発・竹田は、初回から制球に苦しみ、四球で走者を出す場面が続くも失点は許さず。そんなエースの粘投に女房役・蓑尾海斗捕手(文3=日南学園)が応えた。2回裏、相手エース・徳山(早大)の球を右中間に運び、2点の先取点を獲得。続く3回裏には4番・上田希由翔内野手(国際2=愛産大三河)に2試合連続の本塁打が飛び出すと、4回裏には東京ヤクルトスワローズからドラフト2位指名を受けた丸山和郁主将(商4=前橋育英)の適時打もあり、序盤で5点を奪い試合の主導権を握る。
しかし、そのまま勝利を手にできるほど、勝利の女神は甘くはなかった。6回表には、今季初の4番に座った今井にこの試合2本目となる本塁打を浴び、徐々に点差を縮められる。8回表には竹田からバトンを受けた村田賢一投手(商2=春日部共栄)が今試合絶好調の今井に適時打を許す。幾度となくピンチをしのいで迎えた最終回、マウンドに上がったのは蒔田稔投手(商2=九州学院)。先頭からテンポよく2死まで早大を追い詰める。しかし、連打でピンチを招くと、打席にはまたしても今井。右翼手の頭を超える痛恨の2点適時二塁打で逆転を許すと、必死の継投も早大打線の流れを止められずこの回だけで明大は5失点。そのまま勝利を逃した。
悔いの残る敗戦を喫した明大。エースの粘投が光り、打線も奮起していただけに惜しい結果となった。しかし、この試合の悔しさを糧にできた時、明大の優勝は近づくに違いない。泣いても笑っても、秋はあと5試合。明大の〝逆襲〟に期待がかかる。
[栗村咲良]
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