
課題の残るシーズン 5位でリーグ戦終える/東京六大学春季リーグ戦
6月3日に春季リーグ戦が閉幕し、明大は5位となった。獲得した勝ち点は東大から奪った1のみ。攻守にミスが目立ち「今までで一番悪いシーズン」(平島嘉之主将・営4=明大中野八王子)と、不本意な結果に終わった。
◆4・7~6・3 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
明大――5位
あと一歩のところで、白星は何度もこぼれ落ちた。今季のチーム打率は6校の中で最下位。三者凡退で攻撃を終える場面や、少ない好機も生かせない場面が目立った。慶大との最終戦でも5―6で惜敗。「ここで1点取らなければという試合で勝ち切れないのが今のチームとしての弱さ」(平島)だった。自ら4番を背負った主将も、昨年度得点源として一翼を担った竹村律生内野手(営3=佐野日大)や千田京平内野手(農3=花巻東)も、不調を抜け出せないままシーズンを終えることとなった。
「野球は守備から」。しかし、守りからもリズムはつくれなかった。今季エースナンバーを背負ったのは、服部航平投手(政経3=浜松西)。昨季は4年生投手を支える2番手として、清瀬杯制覇にも大きく貢献した。先発の柱としてのプレッシャーは「あまりなかった」(服部)が、思い描いた投球には遠かった。登板した試合での勝ち星はわずかに1。負け試合のあとには「情けない」と、言葉を詰まらせた。「実力不足は分かったので、基礎から徹底的に直していかないといけない」(服部)。秋季リーグでは生まれ変わった「11」番を見せつける。
引き継いだ夢は果たせなかった。昨年度主将を務めた久保田駿氏(平30法卒)が掲げた目標は「日本一になること」。しかし、あと一歩のところで全日本大学選手権への出場を逃し、全国制覇はかなわなかった。清瀬杯では優勝を果たしたが「次こそは全日本で優勝してほしい」(久保田)と、平島に思いを託していた。「人としても野球でも、全てをあの人から学んだ」(平島)と語るほど尊敬していた前主将の目標も背負って臨んだ今季。「今年のチームはいける」(平島)と、自信を持って臨んだシーズンだっただけに、悔しさもむなしさも大きい。
何も得るものがなかったわけではない。今季は下級生も多くスタメン入りを果たした。特に存在感を示したのが谷口秀斗内野手(営1=広陵)だ。甲子園準優勝という華々しい経歴を引っ提げて入部し、開幕戦から全試合にスタメン出場。元々外野手だったが、大胆コンバートで内野手に抜てきされた。「『お前は自由にやれ』とやりやすい環境をつくってもらった」(谷口)。リーグ戦前半は失策もあったが、後半には安定感を見せた。打率も3割を超え、ルーキーながら二塁手としてベストナインに選出。1年次に首位打者とベストナインを獲得した久保田とは同じ高校出身でもあり、ポジション、打順まで同じだ。「久保田さんの穴を埋められたらと思った」(谷口)。偉大な背中を追い掛け、明治の今後を担う。
同じくルーキーの前田剛志投手(農1=札幌第一)と高島泰都投手(法1=滝川西)も試合を盛り上げた。前田は先発ローテーションに定着。初出場初先発となった立大2回戦では7回を1失点に抑え、初勝利を収めた。また、140キロ超えのストレートが武器である高島もリリーフとして躍動した。「自分の投げた試合はゼロに終わらせる」(前田)と、次期エースの座を狙う。
このままでは終われない。守備、攻撃ともに課題は山積みだ。今季何度も口にした「勝つことを常に意識してきた」(平島)という言葉を、結果で示したい。屈辱の春を糧に、リベンジの秋にできるか。我慢の夏を越え、成長した姿を見せたい。
[織田有衣子]
関連記事
RELATED ENTRIES