伊勢が慶大打線を3安打完封! V40へ望みをつなぐ/東京六大学春季リーグ戦

2018.05.20
 王座〝奪冠〟への執念を見せた。初回に慶大側の失策もあり、幸先よく1点を先制するも、その後は5回裏まで安打が1本も出ず無得点が続く。しかし、7回裏1死一、二塁で高瀬雄大内野手(営4=長崎西)による適時打で慶大にとどめを刺した。投げては伊勢大夢投手(営3=九州学院)が慶大打線を3安打完封。勢いのつく勝ち方で、優勝に望みをつないだ。

 圧巻の投球だった。最終回、2死一塁。慶大の4番・郡司裕也を打ち取ると大きくガッツポーズを見せた。「今日の投球は内容、結果全て良かった」(伊勢)と中軸を無安打に抑える完璧な投球。最速148キロの直球を軸に、スライダーを効果的に織り交ぜた。今季3勝目を挙げ、防御率はリーグ3位の1.67をマーク。「(他大学が)警戒しているのは暢仁(森下投手・政経3=大分商)だけど、『自分がエースだ』という気持ちで投げている」(伊勢)。明治は森下暢だけではないことを証明した。

 優勝争いは第3戦にもつれ込んだ。先発が予想されるエース・森下暢は「(伊勢に)先に完封されてしまったので、自分も明日完封できるように頑張りたい」と気合は十分。さらに今季第3戦はいまだに無敗である。まずは次戦で勝ち点を取り、最終カードにつなぎたい。

[荒川千那]

試合後のコメント
善波達也監督
――ようやく慶大に勝ちました。率直な気持ちをお聞かせください

 「選手みんなが良い集中力、気持ちを持ちながら戦えたのかなと思います。特に伊勢が素晴らしい投球でこの崖っぷちを助けてくれたので、明日森下がその気持ちに乗ってくれればいいなと思います」

吉田有輝主将(商4=履正社)
――試合を終えての感想をお願いします。

 「今日負けたら目の前で優勝を見ることになっていたので、それを阻止できて明日につなげられてよかったです」

高瀬
――7回に貴重な追加点となる適時打を放ちましたが振り返ってみていかがですか。

 「チャンスで追加点も欲しい場面だったので、何とかしようと思いました。とにかく積極的に振っていこうという気持ちで打席に立ちました」

伊勢
――負ければ優勝がなくなるという試合でしたが緊張は。

 「緊張はあまりしなかったんですけど、点差が全然開かなかったのではらはらする試合でした。(初完封は)うれしい、しかないですね」

――明治は森下暢だけじゃないということを示したと思いますが。
 「(他大学が)警戒しているのは暢仁だけだと思うんですけど、2番手で『自分がエースだ』という気持ちで投げています」

森下暢
――先発の伊勢が完封勝利を収めました。

 「(伊勢に)先に完封されてしまったので、自分も明日完封できるように準備していきたいと思います」