
延長11回サヨナラ負け 投手継投も実らず/木村杯新人戦
あと一歩で勝利を逃した。9回裏二死、走者を二塁に置き1点差に迫られる緊迫した展開。6回からマスクをかぶった武田眞捕手(政経1=明大中野八王子)は石崎に「バッターだけに集中するように声を掛けた」。しかし直球で勝負した球は代打の高山(早大)にうまくとらえられ左中間への同点二塁打を許した。
「守り切れず負けてしまった」(千田)。延長戦突入後は終始苦しい状況に。11回から石崎の後を任された足立龍之介投手(法1=明大中野八王子)が内角のスライダーを駆使し好投を見せる。しかし、あと1アウトの場面で千田が失策し、雰囲気を完全に持っていかれてしまった。打撃が奮わない中でのミスの多さが敗北の原因となった。
万全の状態ではなかった。先発の宮澤賢輔投手(情コミ2=明大中野八王子)は昨年の同大会以降投球イップスに陥り苦しい1年間を過ごした。今年の2~3月の終わりまでは投げるのを控え克服に努めてきた宮澤。4月からは近い距離でのキャッチボールから始め、ブルペンではこの日先発バッテリーを組んだ林優大(政経2=明大中野八王子)と練習を重ねた。「復帰戦だったのでブルペンの練習通り投げるのを意識した」(宮澤)。初回は直球主体の投球を繰り広げ計4イニングを2失点にとどめ奮闘したが、5四死球を与えるなど制球に苦しんだ。「いい時と比べたら準硬入ってから思うような投球ができていない」(林)。まだ本来の調子には戻せておらず苦しさが垣間見られた。
切り替えて前へ進む。次週は全日本選手権予選が行われ、1勝すれば清瀬杯全日本選抜大会、2勝すれば全日本選手権への出場権を得ることができる。「収穫もあったし悪い部分も見えた」(平島嘉之外野手・営3=明大中野八王子)。残り少ない期間で調整し日本一へ向け再出発する。
[相澤日向]
試合後のコメント
平島
「ミスが目立った試合でした。ミスを多くした方が負けて、ミスを少なく抑えられた方が勝てるっていうような試合だったと思います。(今日の敗因は)最後の回が一番目立った感じにはなってるんですけど、正直それ以前にミスがかなりあったので、それが逆に何とかうまく持ち越されて、同点とか、ちょっと点数取ってたりっていうことになってたんですけど、そのミスがなければもっと大差も付いてましたし、最後の回が一概に悪いって感じではなかったです。(継投は)もともと宮澤自体は、先週の東大戦ぐらいから先発っていうふうには伝えていて、できるところまで宮澤で引っ張って、やっぱり継投で、できるだけ細かく細かく分けた方が、相手打線も惑わせるかなっていう考えが自分の中であったので、見てて球が浮き始めたなっていうときはすぐ代えるように、継投はどんどん繋げていくような感じでした。(経験を積ませるという意味は)そういうのもあったんですけど、やっぱり勝ちには行ってるので、勝てる中で、どの投手陣で組み合わせていくのが一番勝てるかっていうのはあるので、経験っていうよりはまず勝ちを目指していました。(新人戦を通しての収穫は)技術的な部分は正直まだまだなんですけど、チームの雰囲気としてはすごくいい雰囲気でやれてましたし、日本一につながるチーム作りっていう部分で、下級生が上級生に付いていけないとできないと思うんですけど、その下級生が元気出して明るい雰囲気でやってくれたので、それはこの先につながっていくのかなと思います。(チーム作りは選手主体で)そうですね、選手たちに基本は任せながら、僕の方で言える部分は言ってたんですけど、今回は千田をキャプテンとして入れていて、彼を中心にチームを作っていっていました。(全日本の予選も始まりますが)来週からなんで、気持ちはすぐ切り替えなければいけないですし、その中で収穫もありましたし、悪い部分も見えたと思うので、そこをどうやって直していくかっていう部分が大事かなと思います。(ご自身の調整は)自分も正直まだまだな部分はいっぱいあって、課題は山積みなんですけど、1つでも練習の中で直していければいいかなと思っています」
石崎
「先発と大南が2点で抑えてくれたのに9回で同点に追いつかれてしまってリリーフとしての役割が全然果たせませんでした。今日は全然良くないです。真っすぐ低めにはいってたんですけど、一人目は甘かったのと前のバッターが真っすぐを打ってる中で次のバッターも真っすぐで勝負に行ってしまったのが自分の中で行けなかったなと思いました。1点取られたら終わりなので開き直って変化球で攻めて打ち取ろうと思って投げました。春のリーグ戦もリリーフ失敗してリリーフになってから一回も満足した投球できてないです。前と違ってツーシームが思うように投げられていないのでツーシームをもっと使えるように練習したいです。リリーフで使われている以上ああいう僅差の場面で流れを持ってきてチームに勝利を導けるようなピッチャーになりたいです。(今後)コントロールを重視してスピードや変化球のキレは他のピッチャーに及ばないのでとにかく低め低めで丁寧に投げていきたいです」
千田
「流れ的にはいい感じで行ってたんですけど、ヒットも少なかったですし、チャンスも生かせずに終わってしまって、9回までリードしてたんですけど、そこから守り切れず負けてしまったので、詰めの甘さが出たかなと思いました。(敗因は)やっぱり9回守り切れなかったことと、自分のエラーです。(今日は出場予定は)なかったですね。延長になってしまったので、代打で出たっていう感じです。(新人戦の主将としてやってきたことは)特に新人戦のための練習という期間もなかったので、試合でチーム作りをしようと思っていたんですけど、その中で、みんなまだ若くて元気なので、とにかく元気だけ出していこうと思って、それはチームに声をかけてやってきました。(平島さんとの連携は)メンバーも一緒に考えましたし、試合の作戦も一緒に考えたので、本当にいい雰囲気でチーム作りはできたかなと思います。(新人戦を通しての収穫は)あまりないんですけど、試合に出て経験をどんどん積ませて、将来自分たちがこの明治の準硬式野球部を継ぐことになるので、それに向けていい雰囲気を見てもらえたかなと思います。(反省点は)バッティングです。守備も走塁もバッティングも全部ですけど。全部直すところばっかりです。(全日本の予選が始まりますが)新人戦負けてしまったんですけど、まだ日本一につながる大会があるので、それに向けて気持ちを切り替えて、みんなで協力しながら、チームの勝利に貢献できるように、自分としても頑張っていきたいです」
林
「東大戦の前の練習から賢輔とセットで行くと知らされていました。試合になると荒れるからブルペンでいかに試合のようにやれるかをいろんなシチュエーション考えて練習してました。呼吸は長年やってる分もあるから他のピッチャーよりも合うしお互いあうんの呼吸じゃないけど投げたい球とかタイムのタイミングとかが空気で分かるから一番組みやすいです。初回に先頭いきなりデッドボールでまたばたばたするのかなって思ったけど結局踏ん張ったからよく抑えたと思うし真っすぐ主体のピッチングでよくあそこまで抑えたと思います。タイムとってこっちが落ち着かせたりとか些細なことで声掛けしたから賢輔も落ち着いて投げてたし今日みたいなピッチングをやってればおのずと結果はついてくるから練習の時もやって欲しいなと思います。(試合全体は)こっちサインミス多かったしサインミスなければもうちょっと取れたと思います。9回に抑えられたら勝てた試合だけどそんなの結果論だし石崎を責めるわけにもいかないから9回までの間でサインミスして取れるところ取ってないのはバッター陣の悪いところでした。サインミスとかが反省かなと思います。(バッテリー)練習で話したことが実戦でできたことは良かったと思うしよく踏ん張ったと思うからいつもみたいに崩れなかったのがすごい収穫です。紅白戦とか実戦形式でマウンド上がった時は一回四死球与えてしまうとそこから歯止めきかなくなって賢輔もイライラしてだったのが、今日は賢輔本人も落ち着かなきゃって意識があったし、先週から試合に向けて話してたことができたのが一番かなと思います。いい球投げてるけど一回崩れちゃうと歯止めがきかないのが唯一の悪いところだから今日みたいな感じになってくれれば全然投げれると思います。いい時の状態と比べたら準硬入ってから自分の思うようなピッチングができてないから、いい時を知ってるからもったいないなと思いつつも賢輔もいろいろ試行錯誤してるからそこは一緒に頑張りたいです。賢輔が投げる時キャッチャーが林じゃないかもしれないけど、一緒に支えていけたらなと思います」
宮澤
「久々の実践ってのもあったんですけど、久保田さんには伝えたんですけど去年の新人戦以降イップスで悩んでて投げれなくなって今年の2月から3月の終わりくらいまで投げてなかったんですけどその復帰戦だったのでブルペンの練習通り投げるっていうのを意識してそれが結果につながればいいなって思ってました。(イップス)克服できる人もいるんだけど急に投げれなくなってキャッチボールとかでも近い距離だと投げれなくなっちゃって半年くらい一人で抱え込んでなげてたんだけど、言った方がいいかなと思ってことしの2月練習始まって合宿の時に久保田さんに伝えて『不甲斐ないんですけどイップスになってしまってこれ以上チームに迷惑かけられないので1、2カ月くらい投げるの控えます』って伝えてそしたら久保田さんから『お前はまだ2年間あるんだからからお前の代になって服部に負けないエースになっていればいいしじっくり長い目で見てもいいから頑張ってほしい』って言われて心が楽になりました。そこから徐々に投げる期間空けて4月始めくらいに投げ始めて原点に戻って、金子さんとかからもアドバイス頂いて近い距離からどんどんやってきなと言われたのでそれをやりました。(完全には)まだ治っていません。ブルペンだといい球いくんですけど打者が立っちゃうと腕が振れなくなるっていうのが今日もあったしそれが四死球につながっちゃってるので、ここからどんどん実践積んでいって克服できればいいと思います。去年(イップスに)なった時は一回サイドスローやめてオーバースローにしてみたり少し低くしてみたりを自分一人で考えていたんですけど、あんまり良くなかったのでもとの位置に戻してもう一回やってみようかなってやって、やっとここまで投げられるようになりました。一時期ほんとにストライク入らなくて全部抜けちゃったり、叩きつけちゃったりしてっていうのばっかりだったんですけどキャッチボールから投げれるようになってきて紅白戦とか実践積んでやっと今という感じです。(試合振り返って)林といくって言われてたので昨日の時点で初回は全部まっすぐで、自分としては真っすぐで空振り取れたら今日調子いいみたいなバロメーターみたいなのがあるので初回は苦しみながらもよく1失点で抑えられました。要所で三振も四つ取れたのも大きかったです。平島さんが誰が投げやすいか聞いてくれて、高校からずっと受けてもらってるから林が投げやすいって伝えて今日投げました。昨日は1回は真っすぐでいくとかを話しました。林はいろいろ聞いてくれるので本当にありがたいと思ってます。去年の新人戦も使ってもらってたのにイップスとか肩の故障とかあってチームに全然貢献できてなかったから、服部と石崎がリーグでずっと出ていて自分としても悔しい気持ちがあるので中里さんのあとに投げさせてもいいよって4年生のみなさんに言ってもらえるような信頼得れるようなピッチャーになりたいです。独り相撲にならないこと、周りがいるってことを意識して、あと林のミットめがけて、そこだけめがけて投げるっていうのを意識しました。仲間がいてここまでこれました。(肩を壊して)夏休み明けくらいから1〜2カ月投げてなくて、そこでイップス治るかなって思ってたんですけど良くならなくて。久保田さんに言ったことによって楽になったというのはあります。ボールが抜けないというか離れなくて、でも1カ月くらい投げずに休んでて、リフレッシュして投げたら意外と離れる感覚もあってこれはいけるなって時もありました。徐々に良くはなっています」
足立
「延長だったんで開き直って打たせていこうと思ってました。7回に投げる予定だったんですけどそれがなくなって明日投げることになったんですけど延長になったのでまたつくってと言われました。ブルペンにいた時から他の先輩方から開き直って自信持って投げろって言われてたのでそのおかげでいいピッチングができたと思います。点取られたら負けっていうのは分かっていたので、他の内野の先輩も打たせてこいって声かけてくれてたので打たせて点を取られないようにって気持ちで投げていました。今後はまたリーグ戦とかもあると思うんですけどその時はああいう場面を0で抑えられるような投手を目指します。制球力が課題なのでここからもっと上げていきたいと思います」
武田
「(9回1点差になって、石崎投手にどのような声をかけたか)ランナーを気にしないでバッターにだけ集中するように声をかけました。(ピンチをどのように切り抜けようとしたか)とにかく攻めることだけを考えて、インコース攻めて、打たれたら仕方がないスタンスでいって、結果は打たれてしまいましたが、攻める気持ちでいくようにしました。(延長戦は投手にどのような声をかけたか)できるだけプレッシャーがかからないように意識して声をかけました。例えば、もし打たれても全部俺のせいだからと言って、投手の気持ちが楽になれるようにしました。(足立投手との相性)とてもやりやすいです。あまり投手は投げないですけど、インコースのスライダーが足立は得意なことは知っているので、今日何度も投げました。そういった部分でとてもやりやすいです。ピンチの場面でも投げました。(自身の反省)初球の入りが甘くて、打たれてしまったことは反省しています。(どういった球で初球入るか)シンカーなどを決め球で使っていて、あえてピンチの時に初球投げることはこれからやっていこうと思います。(大学野球はどう感じるか)バッターのレベルが高く、甘く投げて打ち損じで抑えられないのは厳しいと感じました。(チームの雰囲気)雰囲気はとても良いので、やりやすかったです。(これからに向けて)準硬式野球は守備が大切になってくると思うので、守備からリズム作れるようにキャッチャーとして試合を作れるように頑張りたいです」
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