(28)残された道は連勝のみ 希望を“継なぐ”最終戦/立大戦展望

2017.05.19
 意地の見せどころだ。慶大戦で敗れカード2連敗を喫した明大。法大と同率のリーグ4位に沈んだ。自力優勝こそ消滅したものの、望みが消え去ったわけではない。未だ5校が優勝候補として残る今季リーグ戦。明大が優勝するには、現在首位の立大から連勝で勝ち点を奪う必要がある。4番・笠松(立大)を中軸に据えた打線は、チーム打率3割8厘を誇る強敵だ。投手陣も今季エース格に上り詰めた田中誠(立大)や手塚(立大)といった若い力が躍動する。明大としても、これ以上の負けは許されない。21世紀初の優勝を狙う立大との〝紫合戦〟が開幕する。

 打撃復調が不可欠だ。チーム打率は東大を除いた五大学中ワーストの2割2分9厘。規定打者では全試合中軸の逢澤崚介外野手(文3=関西)のみが3割を越えており、その前にどれだけ走者を溜められるか。カギとなるのは、上位打線を任されることの多い竹村春樹内野手(政経4=浦和学院)、渡辺佳明内野手(政経3=横浜)の2人。どちらも守備での貢献度は高いが、打率は1割台と低迷している。豊富なリーグ戦経験を生かして、何とか不振脱出の糸口を見つけたい。また、数少ない好機を生かす勝負強さも重要。その中では宮﨑新内野手(文4=履正社)の活躍が光る。競争激しい二塁手が本職のため、スタメン出場は3試合と少ないもののチーム2位タイの3打点を挙げている。他大と比べても、駒が不足しているわけではない。チームスローガン“継なぐ”の通り、全員野球で臨みたい。
 エースにも成長が求められる。齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)は防御率2.40と数字上は悪くない。しかし、慶大1回戦での5回3失点の投球からも見えるようにスタミナに課題を残す。その試合後「すぐに(善波達也監督と)話し合って改善していきたいと思う」と語った齊藤。この1週間で、さらに進化した投球が予想される。

 対するは六大学一の猛打。立大打線は、チーム打率3割越えと脅威的だ。4番の笠松(立大)は安打のうち約半分が長打で、リーグトップの14打点を叩き出している。その得点源となっているのがリードオフマンの寺山(立大)。リーグ最多安打・最多盗塁と、1番として理想的な活躍を見せる。その他にも3割打者が3人と破壊力は桁違い。いかに最少失点で抑えられるかに期待したい。
 若き投手陣も立ちはだかる。田中誠は全1回戦で先発、そのうち2試合で完投と2年生らしからぬ投げっぷりだ。ストレートの最速は140kmだが、制球力と変化球のキレで挙げた三振は33。2年次の柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)とほぼ変わらない成績を残している。さらに第二先発として同学年の手塚、リリーフとしてルーキーの中川、比屋根が控える。これまで以上に苦戦が予想される今カード。個々が力を発揮し合い、難敵攻略に挑んでいく。

 希望はまだ残っている。連勝は必須で、なおかつ早慶戦で早大が2勝1敗で勝つことまでが条件となる。厳しい道となるが「勝つことしか考えていません」(中野速人主将・法4=桐光学園)と選手たちの闘志は消えない。昨年度王者の意地、自分自身のプライド。来たる〝紫合戦〟に、その全てをぶつけていく。

[三ツ橋和希]

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対立大戦 
5月20日 10時半試合開始予定(三塁側)
5月21日 13時試合開始予定(一塁側)

神宮球場アクセス
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩10分 千駄ヶ谷駅より徒歩15分

シーズン スコア 成績
16年秋 ○3-2 優勝
○6-2
16年春 ○2-0 優勝
●2-5
○3-1
15年秋 ●2-4 2位
○4-1
○5-3
15年春 ○5-3 4位
○2-1
14年秋 ●1-3 優勝
△2-2
○4-1
○8-2
14年春 ○7-1 3位
●0-7
○4-0
13年秋 ●1-5 優勝
○5-3
●3-8
13年春 ○5-3 優勝
●0-1
◯1-0
12年秋 ●0-2 4位
○7-2
○5-4
12年春 ●2-6 4位
○12-0
○14-0
11年秋 ○7-5 優勝
○7-0
11年春 ○3-1 4位
●3-4
●1-3
10年秋 ○5-4 4位
●0-3
○11-7
10年春 ●2-5 3位
●5-6
09年秋 ●1-2 優勝
○3-2
○3-0
09年春 ○9-0 3位
○2-0
08年秋 ●1-3 3位
○1-0
○11-3
08年春 △2-2 優勝
○3-0
●2-3
○3-0