櫻井の同点弾で日体大に1-1 今季初の勝ち点獲得/関東大学1部リーグ戦

2017.05.01
 価値ある勝ち点「1」を手にした。開幕戦で敗れたチーム同士の負けられない戦いとなった日体大戦。前半は相手に得点の好機を何度も与えてしまい流れに乗れない時間帯が続く。すると41分にCKから失点し、0-1で前半を終えた。エンドが変わった後半はサイドを起点に攻撃にリズムを生むと、21分に櫻井敬基(政経4=藤枝東)が同点ゴールを挙げた。34分には木戸皓貴主将(文4=東福岡)が8カ月ぶりに公式戦に出場し、勝ち越しを狙ったが、そのまま1-1で試合終了。勝利こそできなかったが、連敗を退けた。

 櫻井のゴールで同点に追い付いた。0-1で迎えた後半21分、左サイドの高い位置から渡辺悠雅(営3=横河武蔵野FC)の正確なクロスを受けると「あとは決めるだけだった」(櫻井)と間髪入れず右足を思い切り打ち抜いた。前節の開幕戦では完封負けを喫していただけに「得点が取れて、みんなで喜べたことが嬉しかった」(櫻井)。得点後はベンチの輪に飛び込み、喜びをあらわにした。櫻井は東京都トーナメント決勝の3日後の練習で左腿裏の肉離れを起こし、前節は欠場。「(今試合は)出してもらったので、絶対結果を残してやろうという気持ちでピッチに出た」。人一倍強い気持ちが同点ゴールを手繰り寄せた。
 

 「後半は非常に勢いが出た」(栗田大輔監督)。1点ビハインドで迎えた後半は得点を奪うためにサイド裏への意識を強めた。サイドの高い位置を起点とした攻撃で徐々に流れをつかむと、後半21分に左サイドを突破した渡辺のクロスから櫻井が得点。その後も攻撃の手を緩めず、前半は0本だった枠内シュートも後半は5本に増加。「後半のサッカーを前半からできればもっと(相手にとっても)怖さは出る」(木戸)。追加点こそ奪えなかったが手応えある攻撃ができた。

 攻勢に出た分ピンチも増えた。「前に人数をかけた」(鳥海)。同点に追い付くためには守備を薄くしてでも攻めるしかなかった。サイドの高い位置を起点とした攻撃では、SBも攻撃に積極的に参加。逆に両サイドに空いたスペースを使われ、ショートカウンターを何度も仕掛けられた。後半38分、42分には相手に決定機を与えたが、鳥海、袴田裕太郎(法3=浜松開誠館)をはじめとした守備陣が死守。それ以上の失点を許さなかった。

 3日には第3節法大戦、6日には第4節東洋大戦を控える。「自分とか出てない選手がモチベーションを落とさずに、どれだけ次の準備ができるかが他のチームとの差になってくる」(木戸)。チーム一丸となって「総力戦」となるゴールデンウイークの連戦に勝利し、連勝ロードを築いてみせる。

[古賀章太郎]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第91回関東大学リーグ戦 前期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
4・15(土) 順大 味フィ西 12:00 0-2○
4・30(日) 日体大 味フィ西 14:00 1-1
5・3(水) 法大 多摩陸 14:00
5・6(土) 東洋大 NACK5 13:00
5・13(土) 東国大 中銀スタ 14:00
5・21(日) 桐蔭大 味スタ西 14:00
5・28(日) 駒大 味フィ西 14:00
6・3(土) 専大 栃木総合 14:00
6・10(土) 慶大 味スタ西 14:00
10 6・18(日) 筑波大 味フィ西 14:00
11 6・24(土) 流経大 たつのこ 14:00
※4月30日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第2節終了時点】
東国大
順大
筑波大
専大
駒大
流経大
慶大 -2
桐蔭横浜大 -1
日体大 -1
10 明大 -2
11 法大 -2
12 東洋大 -3

試合後のコメント
栗田監督

「(結果をどのように捉えるか)先制されて追いついて、後半のゲームは非常に勢いが出たので、この引き分けをプラスに思っていきます。これからゴールデンウィーク連戦に入っていくので、この試合を良いターニングポイントにして、次に勝ち点取れるように、勝利に結び付けられるようにできたらいいなと思います。(フォーメーションは)立ち上げからずっと4-3-3を練習してきました。パスコースを増やして、両サイドの櫻井と渡辺を生かして、そこから中に入っていかせました。それをメインにして、守備の時に上手くいかなければ、4-4-2に変えるようにしました。要は4-4-2の守備から4-3-3の攻撃というよりも、4-3-3のシステムから守備的になったら4-4-2にしました。選手もイメージしやすいのでそういう感じで入りました。(日体大への対策は)平川君(日体大)はポストプレーでボールが収まり、CFWの太田君(日体大)は出だしが速いです。あと左の室崎君(日体大)がドリブルで仕掛けてくるので、その3点のところは意識させました。ポストの平川君よりもその次にプレスバックかけないと、簡単に太田くんに背後取られちゃうので、そこは試合前も確認していました。(得点した直後に櫻井選手の交代)櫻井はその前(得点する前)から運動量が落ちてたし、開幕前後もちょっと筋肉疲労していたので、大事を取ったというわけではないですけど。単純に疲れているということで代えました。代えようと思ったら点を取ってくれたので、タイミングがそう見えましたね。なんで点取ったのに代えちゃったのって(笑)。(木戸選手の復帰)ゴールデンウイーク辺りから戻れるように、ずっとリハビリをしてきました。徐々にトレーニングマッチもやっていましたし、練習もやっていたので、こういうリーグ戦の中で復帰させるのが一番のリハビリになるのかなというのもありました。(先発での出場は)本当に徐々に上げていければと思います。もうケガは治っているので、ゲームの中の体力や質とかのパフォーマンスを見ながらやりたいと思います。(課題は)ずっと4-3-3をしたり、基本的にゲームの戦術的なことはずっと追求してるんですけど、本質的なところでゴールに向かうとか運動量増やすとかそういった部分がゲームの中でもっと感じられて、勝利に対して貪欲に向き合ってくれるとどんどん良くなるかなと思います。(次節に向けて)相手がどうこうというよりも、少しずつ良くなってきてるんで、そこの部分を表現してくれればいいと思います」

木戸
「チームの状態は悪くはないですけど負け越してるって状況だったので、出たら何かしら仕事しようという気持ちで入りました。久々にやってみて、楽しかったんですけど、あの時間帯でも結果出さないといけないなという課題が見つかりました。(いつ頃合流)2週間前くらいです。でも違和感とかあったので休みながらやっていました。今週はパフォーマンスが良かったので、気持ち的には『出たい』というか、『やれる』という話を監督としていました。なので、今週は出られるように、公式戦意識しながら練習もできていたので、いい準備はできていました。(2度目のケガということで)以前にも1回やっていたのでいろいろ分かってはいたんですけど、今回はとても長く感じました。でも、それぐらい充実してたんじゃないかと思います。(内外からチームを見て)日体大も先週負けていて、同じ勝たなきゃいけない状況でした。自分が入った時は1-1でしたが、先制点を取ることができていたら、もっとチームが落ち着くと思います。後半のサッカーを前半からできればもっと怖さは出るし、後半も楽に戦えると思います。自分が入った中での感想はバタバタしていて、焦っているという印象でした。ですので、自分が間に入りながらうまくやろうとしています。そこはもう練習からやっていかないと身に付かないです。そこも課題だと思います。(ピッチに入る前に監督から言われたことは)今日ではなくて、今週ずっと監督と話しながら、『無理はするな』という話とか、『状況によって出すか出さないか』という話はずっとしていました。『できるという気持ちは持っとけよ』と言われました。あとは『思い切って行ってこい』と。試合状況もああいう感じだったので、自分が出る意味は点を取るとか何かしら決定機を作ることでした。自分が出ることにはそういうメッセージが込められてると思いました。(出場するとしたらポジションは)自分が出た時は4-4-2で中川とツートップという形です。でもあいつは疲れていたので、前に置いといて、自分が中盤の安部柊斗(政経2=FC東京U―18)と柴戸と上手く絡むということは意識していたのですけど、相手も点を取りたくて結構前から前から来ていたので難しい状態でした。ああいう中でも打開していって自分たちのサッカーをつくるというのが今シーズン大事になってくると思っています。課題も見えてきたので、まだ2節目ですし前向きに捉えて勝ちに持っていけたらもっと強いチームになるんじゃないかと思います。(今後は)自分とか出てない選手がモチベーション落とさずに、総理大臣杯みたいな感じで、次の試合までの練習でどれだけ次の準備ができるかが各チームとの差になってくると思います。本当に総力戦だし層の厚さが大事だと思います。準備次第で内容も変わってくると思うので、まずこの2日間の練習だけに集中して、先を見ずに次の法大を絶対に倒すというところからやります。残り2日、自分はキャプテンとして良い影響を与えられるようにやっていければ良いと思います。(早めにゴールを決めたいですか)去年よりその気持ちは強いので、焦ってはないですけど、自信はあります。でも、チームが勝てればそれでいいので、その得点が自分であればなおさらいいと思います。そこの欲だけは誰よりも負けないようにしたいです」

柴戸
「結果としては1ー1だったんですけど、後半のようなサッカーが前半からできるようになっていかなければ今後勝つというのもなかなか難しくなってしまうので、そこが反省すべきところかなと思います。それでも一応勝ち点を取れたというのは大きいことだと思うのでそこはポジティブに捉えて、この引き分けっていうのを次の試合に生かしていければなと思います。(木戸選手がピッチに戻ってきました)裏を狙ったり、パスをくれということだったので、結構皓貴を見ながらプレーをしていました。久しぶりに一緒にプレーができるので、僕自身としてはとても楽しくやれたかなと思います」

櫻井
「勝てる試合だったので、失点のところも少しもったいなかったです。僕も前半決めれるシーンもあったので、負けなかったのは良かったですけど、率直に悔しいです。FWは結果が求められるポジションなので、数字という部分でチームに貢献できたことは良かったです。(得点シーンを振り返って)悠雅がすごいいいボールをくれたので、後は決めるだけでした。悠雅にも感謝したいです。『ほっとした』というか『追い付いた』という感じでした。リーグが始まってからチームとして得点が取れていなかったので、点が取れてみんなで喜べたことが嬉しかったです。(前節はケガをされていたのですか)左足の腿裏の肉離れをしてしまって、それで前節出れなくなってしまいました。今節は出してもらったので、絶対結果を残してやろうという気持ちでピッチに出ました。天皇杯予選が終わって次の火曜日にケガしてしまって、2週間リハビリをして、今週から練習を再開しました。(次の試合への意気込み)まだ2戦やって勝てていないので、勝ち点3取れるように個人としてもチームとしても結果にこだわってやっていきたいと思います」

鳥海
「開幕から負けて、2週間チームを修正して臨んだので、すごい勝ちが欲しかったんですけど、引き分けてしまいました。でもこれから連戦があるので、落ち込んでてもしょうがないです。次に向かってやっていきたいと思います。(危ないシーンが多かった印象がありますが)後半は点を取りに行ったので、前に人数をかけた分後ろが少ないですし、相手のFWにフレッシュな選手が入ってきて、そこを起点にされました。前半は攻撃があまりよくなかった中で危ないシーンがありました。相手は櫻井のところの裏にボールが入ることを嫌がっていたので、そこを狙えばよかったんですけど、繋ぐことを優先してしまって、相手が怖いと思うところを突けていなかったです。そういう意味では後半は裏への意識が出てきて、いい攻撃につながったと思います。(前半は裏を使われました)10番の選手が頭を良く使って、裏に抜けてくる選手でした。オフサイドとかあるので最終ラインを止めたりするんですけど、そこを良い形で抜け出されたら付いていかないといけないので『最終ラインは崩しても付いて行こう』という話はしていました。(失点シーンを振り返ってみて)セットプレーというのがもったいないです。中でマークをブロックされたりして、マークをはがされました。マークを付いていた人だけの責任ではなくて、コーナーにする前段階での問題です。(フォーメーションは)試合の流れの中では、4-3-3で守備をするんですけど、うまくはまらない時は海(柴戸・政経4=市立船橋)を落として、4-4-2にするということも1つありました。最後は4-4-2に変えました。(それは木戸選手を出場させてからですか)そうですね。そこからだとおもいます。(課題はなんですか)相手の嫌なところを突き続ければいいと思うのですけど、それをやらないで前半の途中もあったんですけど、繋ぎ過ぎてしまいました。相手の嫌なところを突くというのはすごい効果的です。それができたのが後半の最初だと思うので、それをしっかり最初から出せればもっといいサッカーができたと思います。(次の試合に向けて)まだ勝ちがないので、みんな勝利に飢えています。なので、絶対に勝ちたいです」