4番松原先制打 完封勝利で弾みをつける/東京六大学春季リーグ戦

2017.04.22
4番松原先制打 完封勝利で弾みをつける/東京六大学春季リーグ戦
 チームに勢いをもたらす1勝だ。立大1回戦は2―0で勝利した。1回裏2死三塁、4番松原大樹外野手(営4=明大中野)の左中間三塁打により1点を先制すると、5番千田京平内野手(農2=花巻東)も左前適時打を放ちもう1点追加。守備では中里彰吾投手(商4=高崎)が完封で試合を締めくくり、初回の2点で逃げ切って今季初の白星を挙げた。

 4番が勝利を導いた。1回裏2死一塁、打席に立ったのは4番松原。盗塁、ボークにより一塁にいた多々野将太外野手(農4=花巻東)が三塁に進むと、直後に左中間三塁打を放ち先制点を挙げた。「力を抜いて芯に当てることだけを考えた」(松原)。「単打でもいい」と食らいついた打球は左中間に伸び、ベンチからは大きな歓声がわいた。続く千田も左前適時打を放ち1点追加。一回のマウンドでボークを2回取られ本領を発揮できない森田(立大)のスキを突き、確実に得点を重ねた。2点で一回を終えると、その後は打線がつながらず結局2点とどまりに。初回の先制が勝利のカギを握り、チームは待望の勝利を挙げた。

 守備では中里が9回を0に抑えた。最後の年を迎えた中里だが、準硬式野球部に入って9回を完投したのはこの日が初めて。昨年の秋季リーグ戦では試合の終盤に組むことが多かった奥居大輝捕手(営2=城南)との先発バッテリーで、力強い投球を見せた。「ボールが多くて内容があまり良くなかった」(中里)と話すも9回を被安打6本、四死球3にとどめ守りからチームを底上げした。序盤は低めに変化球を集めて投げ込むも、調子が上がらず直球主体の投球にスイッチ。奥居との相性の良さも見せ、立大打線を封じ込んだ。

 次こそは勝ち点をつかむ。「あくまでも日本一が目標」(久保田駿主将・法4=広陵)。春季リーグ戦は日本一になるための通過点だ。第1節の早大戦で勝ち点を落とし、もう負けることは許されない。全日本選手権出場、そして日本一へ。この日の勢いをバネに勝利だけを見据えて戦う。

[相澤日向]

試合後のコメント
久保田

「とりあえず1勝できたっていうのは良かったのでここから日本一まで、あくまでも日本一が目標なので、この1勝だけではなく、明日からまた全勝できるようにやっていきます。今日は本当によく中里が投げてくれましたし奥居も2年生にも関わらずよくやってくれたのでバッテリーのおかげなのと、初回に2点取れたのは大きかったです。でも追加点とれていないのでそこは課題で今後やっていきたいです。バッテリーがすごいよくやってくれて、守備守りやすかったですし守備面は本当に良かったです。ベンチもすごくいい雰囲気でやってくれていますし、1年生とかベンチ外のみんなも応援してくれているのでいいチーム雰囲気でやってきていると思います。本当にベンチ外に感謝しています。バッティングは水ものっていう風によく言われるので、とりあえずバッティング練習で振り込むことはやって、あとは打たされないように自分のスイングしっかりしろっていうのは言っています。明日勝たないと意味がないんで、なにがなんでも勝つっていう気持ちでチームで向かっていきたいと思います」
中里
「ボールが多くて内容があまりよくなかった。試合の流れをつくれなかったと思うが、結果として0に抑えられたからよかったです。高校時代は基本自分一人で投げ抜いていたのでよかったが、準硬では初めて。奥居とは去年の秋から試合の終盤で組むことが多く、練習でもよく受けてくれます。変化球は高めに浮いてしまうと運ばれてしまうので、低めに集めて空振りやカウントを取れるボールになるように意識して投げていました。正直あまりよくなくて高めに浮くことが多かったので変化球の調子は最悪でした。甘いところに入らないようにと気をつけていたことからボール先行で苦しむところはあったと思います。欲をいえばテンポ良く、守備から攻撃につながるような投球がしたかった。だが、結果が0だったので内容が悪かったなりによく投げられたと思います。(先発投手として)誰も使っていないマウンドを自分で作れるというのもあるし、試合の流れを左右する役目でもあるので責任とプレッシャーを感じることもあるがやりがいもあります。これまでは守備に助けられて投げてこられたので、これからはチームに貢献できるように、そしてリーグ優勝に貢献できるように頑張っていきたいです」
松原
「先取点取れたというのがすごく大きかったと思います。勢いが欲しかったのでとにかくヒット、単打でいいと思っていたので力を抜いて芯に当てることだけ考えていました。(試合を通して良かったことは)最後まで声が出ていたことです。チームの雰囲気は今すごくいいと思います。(打席では)あまり考えすぎるとハマっていってしまうので、なるべく考えないようにしています。(バッティングでは)まだ直すところはたくさんあると思うので、勢い大事に明日もいきたいなと思います。体の開きが早いのでもう少し待てるようになったらいいかなと思います。明日も先取点を取ってその勢いのまま最後までいきたいなと思います。最後っていうのもあるので優勝目指してみんなで一つになって頑張っていきたいと思います」
奥居
「中里さんがよく投げてくれたと思います。最初に点を取ることができて、自分的にも入りやすかったので。本当にナイスゲームだったと思います。第一節が終わったあとに久保田さんから「次スタメンで使うから」と言われました。1週間かけて金子(昂平捕手・営4=済美)さんや投手陣とコミュニケーションをとって準備してきました。準備としてはやってきたと思うので、いい形で試合に入れたと思います。立教の打線はブンブン振り回してくるイメージはあったので、変化で逃げることを考えて投げさせていました。ですが、最終的には真っすぐで勝負しても相手が振り負けてくれたので、中里さんの力勝負で組み立てることができました。序盤は多く使ったのですが、調子が悪いことが分かって、真っすぐ中心の組み立てにスイッチできて抑えられたのはよかったと思います。自分の守備での課題は投手との意思疎通なのですが、中里さんとは練習からずっと組ませてもらって仲良くさせてもらっているので、ここはストレートで力勝負をしよう、変化球で避けようという意思疎通はできていたと思います。バッティングは自分の一番の課題なのですが、平島さん(嘉之外野手・営3=明大中野八王子)に教わっているので、早く一本出して恩返しがしたいです。高校の時から体型が変わっているので、今はいろいろ変えている最中です。タイミングの取り方やバットの芯に当てる確率を上げることは意識しています。(全日本選手権)自分が四国出身なので香川で野球がやりたい気持ちはもちろんあります。ただ、4年生の先輩方と一日でも多く野球をやっていきたいという気持ちもある。なので、自分のためにも、チームのためにも自分ができることをしっかりやってチームに貢献してリーグ優勝がしたいし、全日本選手権の出場権を勝ち取りたいと思っています」