(25)優勝か引退か 柳メイジの最終決戦/立大戦展望

2016.10.21
 開幕から面子の変わらない立教ナイン。中でも核となるのが2人の「佐藤」だ。リードオフマンの佐藤拓は、安打、盗塁数ともに現役最多。いとも簡単にチャンスをつくり、投手を一気に追い詰める。それを仕留めるのが4番の佐藤竜。リーグトップの13打点と迎えたチャンスは逃さない。溝口監督からもキーマンと評される俊足・熊谷や、昨季は左右両方で本塁打を放った田中和など、その他の野手もくせ者ぞろいだ。それぞれの長所を生かした攻撃は、数字以上の恐ろしさを感じさせる。
 スキを見せればかみつかれる打線に要求されるのは完璧な投球。それをやってのけるのが今の柳裕也主将(政経4=横浜)だ。早大1回戦では、変化の激しいカットボールで打者を翻弄(ほんろう)。延長に突入しても勢い、緊張は途切れることなく20奪三振を達成した。20日に行われたドラフト会議では2球団に1位指名されるなど、もはや実力は折り紙付きだ。もう一人のエース・星知弥投手(政経4=宇都宮工)もその域に近づきつつある。直近の早大戦では2戦で計12回1/3を3失点と長いイニングを見事に抑えた。短期間で、大きな成長を見せる右腕。立大戦でも、さらなる好投が期待できる。

 立大は優勝するために、2連勝が必須条件。重要になるのは先発だが、現在はまさにそこがネック。エースの田村は慶大1回戦で4回途中5失点と手痛く打ち込まれた。2戦目の先発を任される藤田も1試合平均3失点以上と調子が上がらず。頼みの綱は鉄壁の抑えとして防御率0点台の澤田圭。守護神が出てくる前に何とか大差をつけたいところだ。
 一方明大にも不安材料がある。早大戦にて好調だった打線にブレーキ。四球や単打で好機をつくるも、それを生かせない展開が頻発。顕著なのが強打者の不振だ。中盤戦までのポイントゲッターだった牛島将太捕手(営4=門司学園)、川口貴都外野手(法4=国学院久我山)が3戦でそれぞれ2安打、1安打と結果を残せていない。両校とも、最終戦のカギを握るのは選手の修正力となりそうだ。

 ドラフト会議も終わり、4年生はいよいよ引退が間近。この1年間、チームとしても試合としても支え続けてきたのは4年生だった。勝てば優勝、負ければ終わり。どちらにとっても後はない。この試合で全てが決まる。有終の美を飾るため、一つのプレーから慎重に、確実に勝ちを狙いにいく。

[三ツ橋和希]

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対立大戦 
10月22日 11時試合開始予定(一塁側)
10月23日 13時半試合開始予定(三塁側)

神宮球場アクセス
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩10分 千駄ヶ谷駅より徒歩15分

シーズン スコア 成績
過去の立大戦成績
16年春 ○2-0 優勝
●2-5
○3-1
15年秋 ●2-4 2位
○4-1
○5-3
15年春 ○5-3 4位
○2-1
14年秋 ●1-3 優勝
△2-2
○4-1
○8-2
14年春 ○7-1 3位
●0-7
○4-0
13年秋 ●1-5 優勝
○5-3
●3-8
13年春 ○5-3 優勝
●0-1
◯1-0
12年秋 ●0-2 4位
○7-2
○5-4
12年春 ●2-6 4位
○12-0
○14-0
11年秋 ○7-5 優勝
○7-0
11年春 ○3-1 4位
●3-4
●1-3
10年秋 ○5-4 4位
●0-3
○11-7
10年春 ●2-5 3位
●5-6
09年秋 ●1-2 優勝
○3-2
○3-0
09年春 ○9-0 3位
○2-0
08年秋 ●1-3 3位
○1-0
○11-3
08年春 △2-2 優勝
○3-0
●2-3
○3-0