
星の力投実らず開幕7連勝でストップ 勝ち点の行方は次戦へ/東京六大学秋季リーグ戦

逆転勝利のシナリオを自ら手放した。無失点で抑えれば、2点差をひっくり返す「何か」を感じるのが今の明大打線。9回表からは、今季無失点の齊藤大将投手(政経3=桐蔭学園)が満を持して登板した。先頭打者を141kmのストレートで空振り三振に仕留め、続く打席には3番石井(早大)。順調に抑えるかのように思われたが投球が安定せず、二者連続で四球を与える。さらに代わった投手も四球を出し、無安打で2死満塁。このピンチの場面でケガから復帰を果たした森下暢仁投手(政経1=大分商)がマウンドを託された。しかし、7番小藤(早大)に投じた4球目。140kmのストレートを中前に運ばれダメ押しの2点を献上した。「抑えないといけないところで抑えられなかった」(森下暢)。盤石の投手陣が崩れ、最後に流れを持っていくことができなかった。
先発の柱として成長した。「入りが一番大事だと思ったので最初は力を入れて投げた」(星)と初回は自己最速タイとなる154kmを含む力強い直球を軸に、打者3人で抑える。唯一先頭打者の出塁を許した5回と7回こそ失点したが、武器である直球に加え課題となっていた変化球もうまく織り混ぜ、緩急のある投球で打者を翻弄(ほんろう)。打たせて取るリズム良い投球で、自己最長8回を5安打2失点でマウンドを下りた。「春2戦目全然勝てなくてその責任を自分も結構感じていた」と先発の役割を果たせず、救援に回った春。「1回1回きちんと抑える」(星)と、優勝争いが激化する残り試合も全身全霊をかけて勝利をつかむ。
決定打を欠き、2年生左腕を攻略できなかった。両チーム無得点で迎えた4回裏。4番牛島将太捕手(営4=門司学園)、5番川口貴都外野手(法4=国学院久我山)の連続安打で一、二塁の好機をつくる。そして前打席でヒットを放った吉田大成内野手(国際4=佼成学園)へ小島(早大)が投じた4球目。「いい球すぎて、手が出なかった」とキャッチャーミットへ吸い込まれる134kmのストレートをただ見送った。全体的にインコースに攻められスイングすらできなかった吉田大。小島の投球に歯が立たなかった。その後5回以降は得点圏に進められず、迎えた8回。代打で出場した河野裕斗内野手(文3=鳴門)が左中間を破る二塁打で無死から出塁とチャンスメーク。しかしここでも後続が続かず、得点できなかった。安打数では早大と同じ6本。「野手がもっと頑張ればという話」(牛島)。ここ一番のところで打線が奮起できず、投手の力投を後押できなかった。
完全優勝へ歩みを止めるわけにはいかない。今季初となる3回戦だが、春は全カード経験済み。持ち味の粘りの野球で勝利をつかんでいる。「これで負けてずるずる行かないように、また明日しっかりやりたい」(柳裕也主将・政経4=横浜)。紫紺のプライドを胸に、宿敵・早大から勝ち点を奪取する。
[浜崎結衣]
打順 | 守備 | 名 前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (二) | 宮崎(履正社) | 3 | 1 | 0 | .294 | 中安 | 三直 | 遊ゴ | ||||||
打 | 太田(広陵) | 1 | 0 | 0 | .000 | 遊ゴ | |||||||||
投 | 齊藤(桐蔭学園) | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||
投 | 伊勢(九州学院) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
投 | 森下暢(大分商) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
2 | (中) | 逢澤(関西) | 2 | 0 | 0 | .154 | 一ギ | 遊ゴ | 二ゴ | ||||||
打中 | 越智(丹原) | 1 | 0 | 0 | .333 | 一ゴ | |||||||||
3 | (一) | 佐野恵(広陵) | 4 | 0 | 0 | .321 | 三振 | 一ゴ | 二ゴ | 二ゴ | |||||
4 | (捕) | 牛島(門司学園) | 3 | 1 | 0 | .258 | 四球 | 中安 | 右飛 | 三ゴ | |||||
5 | (左) | 川口(国学院久我山) | 4 | 1 | 0 | .361 | 三邪飛 | 左安 | 三振 | 中飛 | |||||
6 | (右) | 東原(天理) | 3 | 1 | 0 | .429 | 右直 | 捕邪飛 | 右安 | ||||||
打 | 小林恵(遊学館) | 1 | 0 | 0 | .500 | 一邪飛 | |||||||||
7 | (遊) | 吉田大(佼成学園) | 3 | 1 | 0 | .440 | 左安 | 三振 | 左飛 | ||||||
8 | (三) | 渡辺(横浜) | 3 | 0 | 0 | .321 | 三併 | 三ゴ | 遊ゴ | ||||||
9 | (投) | 星(宇都宮工) | 2 | 0 | 0 | .200 | 投ゴ | 二ゴ | |||||||
打二 | 河野(鳴門) | 1 | 1 | 0 | .333 | 左中二 | |||||||||
計 | 31 | 6 | 0 | .298 |
名 前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 球数 | 安 | 振 | 球 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
●星(宇都宮工) | 4 | 2 | 1 | 8 | 109 | 5 | 3 | 1 | 2 | 2.39 |
齊藤(桐蔭学園) | 5 | 1 | 0 | 01/3 | 19 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2.84 |
伊勢(九州学院) | 2 | 0 | 0 | 01/3 | 10 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.00 |
森下暢(大分商) | 1 | 0 | 0 | 01/3 | 7 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
10 | 柳(政経4=横浜) | 3 | 佐野恵(商4=広陵) | 6 | 吉田大(国際4=佼成学園) |
---|---|---|---|---|---|
11 | 星(政経4=宇都宮工) | 4 | 竹村(政経3=浦和学院) | 7 | 加勢(理工4=札幌一) |
1 | 齊藤(政経3=桐蔭学園) | 5 | 中野(法3=桐光学園) | 8 | 逢澤(文2=関西) |
19 | 森下暢(政経1=大分商) | 14 | 宮崎(文3=履正社) | 20 | 萩原(営4=九州学院) |
23 | 髙橋(総合2=向上) | 15 | 渡辺(政経2=横浜) | 28 | 東原(商3=天理) |
29 | 伊勢(営1=九州学院) | 16 | 吉田有(商2=履正社) | 35 | 中澤(国際3=高崎) |
2 | 牛島(営4=門司学園) | 24 | 河野(文3=鳴門) | 37 | 越智(営2=丹原) |
13 | 小林恵(農4=遊学館) | 25 | 川口(法4=国学院久我山) | ||
35 | 西野(政経1=浦和学院) | 26 | 太田(商3=広陵) |
明 | 慶 | 立 | 早 | 法 | 東 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝ち点 | 勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | — | ○○ | ○● | ○○ | ○○ | 8 | 7 | 1 | 0 | 3 | .875 | |
慶大 | ●● | — | ○○ | ●○○ | ○○ | 9 | 6 | 3 | 0 | 3 | .667 | |
立大 | ●● | — | ○●○ | ○○ | ●○○ | 10 | 6 | 4 | 0 | 3 | .600 | |
早大 | ●○ | ●○● | — | ●○○ | ○○ | 10 | 6 | 4 | 0 | 2 | .600 | |
法大 | ●● | ○●● | ●● | ○●● | — | 10 | 2 | 8 | 0 | 0 | .200 | |
東大 | ●● | ●● | ○●● | ●● | — | 9 | 1 | 8 | 0 | 0 | .111 |
試合後のコメント
次戦を見据えた柳裕也主将
「(今日の登板予定は)気持ちはありました。でも、まだ明日があるので。明日チームが勝てるように投げたいなと思います。(試合前)今までやってきたことを、絶対負けるかという気持ちを前面に出してやっていこうと話したんですけど、試合なので勝つこともあれば負けることもある。ここまで7連勝できて、これで負けてずるずる行かないように、また明日しっかりやりたいなと思います。(善波監督がチームに気持ちが見えなかったと話していたが)早稲田の方が今日に関しては体を張ったプレーとか球際のプレーがあったから、負けたのかなと思います。そういうところも明日もっと出していかないと。そう簡単に優勝できないと思うので。(星は)いいピッチングをしてくれました」
盗塁を刺す好リードを見せた牛島
「優勝懸かった試合だったんですけど、チームの決まりごとを守れずにだらだら試合をした結果だと思います。(プレッシャーを)感じてたつもりはないんですけど、硬くなっていたかもしれないです。高めを全体的に振ってしまって、小島投手のリズムになってしまったかなと。(星投手は)2失点でまとめてくれたので、野手がもっと頑張ればという話です。(先制打は)もっと自分がケアしてれば、防げた点かなと思います。春1敗して3戦目勝ってるので、チームでもう1回話し合って確認事項を徹底して、明日勝てるように頑張ります」
8回2失点と好投した星
「点を取られたイニングは先頭出しているので先頭出しても後しっかり抑えられるよう気持ちの面とかでもやっていきたいと思います。追い込んでからのカウント球のスライダー、カーブはカウント取ろうと意識して投げました。(バッターの反応などは見たか)そうですね。それも色々見ながら打たせるところは打たせていました。(初回154km)ゲームの入りが一番大事だと思ったので最初は力を入れて投げました。春2戦目全然勝てなくてその責任を自分も結構感じていました。秋はそれがうまくいっていて今日はうまくいかなかったので、明日も自分も投げられるように準備をしていきたいと思います。今日は比較的思ったところに投げられました。結構緊張しました。マウンド上がってからは大丈夫だったですけど。試合の中で反省すべきところが結構ありました。石井のスタートとか、ピンチで抑えられなかったりとかあるのでそういうところをなくしてやっていきたいと思います。(石井は意識するか)もう絶対打たせないと、打たれたくないです。最後はちょっとうまく打たれたんですけど。(7回以上投げたことは)リーグでは初めてです。リリーフと一緒で1回1回きちんと抑えるとやっているので、ゲームメイクとかはあまり意識してないです」
好調を維持している吉田大
「野手が何もできなかったので、そこに尽きます。それが敗因ですね。勝ったら優勝でしたけど、気負いみたいなのは全然なくて、対抗戦なんで、早稲田にどう戦うかだけを考えていました。だけど結果が出なかったので残念です。(4回のチャンスは)いい球すぎて、手が出なかったです。自分の調子は悪くないんですけど。強いチームというのは2連敗しないと思うので、明日は負けないように、強いチームになれるように頑張りたいです」
新人戦以来の投球となった森下暢
「抑えないといけないところで抑えられなかったのが残念です。(打たれた球は)まっすぐです。(プレッシャーは)特に感じませんでした。(善波監督や牛島選手には)思い切って投げろと(言われました)。(春にケガしたが)思ったより早く(マウンドに)戻ってこれたので良かったです。次はしっかり自分の役割を果たせるようにやっていきたいです」
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