(12)2カード連続勝ち点奪取で、春秋連覇へ突き進め!/慶大戦展望

2016.09.23
 チームの真価を問う戦いが始まる。開幕カードの東大戦を連勝で勝ち点奪取と幸先の良いスタートを切った明大。第2カードは、同じく東大から連勝で勝ち点を取った慶大との戦いだ。春は唯一カード初戦を落とし、4回戦までもつれた因縁の相手。一瞬たりとも気が抜けない戦いを制し、優勝街道へ突っ走る。

 現役最多22勝右腕が立ちふさがる。エース・加藤拓は最速153㌔の力あるストレートを軸に、130㌔後半のスプリット、スライダーで打者を翻弄(ほんろう)する。昨季は明大相手に2戦で22イニングを投げ脅威の防御率0.00をマークと、打線をねじ伏せられた。秋もチームの大黒柱は健在。毎季のように追求しているフォームチェンジが今季も実を結び、史上24人目となるノーヒットノーラン達成で開幕戦を飾った。勝ち点獲得へのカギを握るのは、第2先発だ。昨季はこの枠を埋めることができず、加藤拓以外が投げた試合の防御率は6.71と試合をつくれなかった。明大戦でも、加藤拓が投げなかった2回戦、4回戦の合計28失点で大敗。エース以外でいかに勝ちを取れるのかが重要になる。今季は、オープン戦で頭角を表した若手投手陣のリレーで、鬼門となる2回戦を取りにいく。中でも菊地、岡野、髙橋佑、髙橋亮の登板が有力か。高橋佑は春の早慶戦で初先発した1年生左腕。41/3回を2失点で抑えた実績も持っている。新潟の育成リーグで結果を残した菊地、岡野、髙橋亮らは、この秋東大戦でリーグ戦初登板を果たした。
 何回りも大きくなった打撃陣でエースを崩す。「やや守備に目もつむっても、まず得点力を上げる」(善波達也監督)と打でも圧倒するチームを目指す。キャンプでは例年以上に振り込む量を増やしただけでなく、加藤拓対策として高めの速球を打つ練習を取り組むなど、打力底上げに抜かりはない。特に牛島将太捕手(営4=門司学園)は東大2回戦で同点の場面から3点本塁打を放つなど今季も打の要としてチームをけん引している。秋から野手登録で出場している川口貴都外野手(法4=国学院久我山)も9打数5安打と大当り。投手陣に頼り切っていた春の得点力不足を払拭(ふっしょく)できそうだ。

 慶大打線は今年も侮れない。リーグ最多の19本塁打を記録した昨秋。そのうち半分以上を横尾(現北海道日本ハムファイターズ)と谷田(現JX=ENEOS)で稼いでいたため、今年の打力は懸念されていた。しかし、昨季もリーグトップのチーム15本塁打をマークし他大を圧倒。今季も脅威的な打線となりそうだ。軸になるのは、春に本塁打を4本放った岩見と3本放った沓掛だ。岩見は春に慶大トップの3割1分8厘で打線を引っ張ったが、明大戦では9打数1安打と苦汁をなめた。今季東大2回戦で負傷交代となり明大戦での出場は危ぶまれるが、今季も必ず抑えたい。昨季は1、2番打者の出塁率の低さに悩まされたが、今季は安定感のある沓掛が1番で起用されている。パワーを備えたリードオフマンのバットから、快音を響かせたくはない。さらに、今季リーグ戦初出場の1年生捕手・郡司は第1カードの東大戦で3打点、岩見の穴を埋めた山口の存在も大きい。失投せず、目の前の打者を確実に抑えることが大切になる。
 豊富な投手陣がホームを死守する。今季も不動のエース・柳裕也主将(政経4=横浜)の安定感は抜群。2回戦を投げた星知弥投手(政経4=宇都宮工)は、失策が絡んだものの自責点2に留まる粘投を見せた。また、水野匡貴投手(農3=静岡)は昨季、リーグ戦初先発した慶大相手に15イニング投げて無失点、完封勝ちを含め2勝をマーク。オープン戦ではリリーフだけでなく先発として多く登板し、春よりも確かな手応えをつかんでいる。秋も慶大キラーと化した右腕は姿を見せそうだ。

 失策が絡んで失点という場面も見られた開幕カード。同じ轍を踏むことは許されない。柳は昨季、慶大に勝てておらず「リベンジしたい」と懸ける思いは大きい。4回戦までの混戦となった春。秋こそ連勝で2カード連続の勝ち点を奪取し、春秋連覇へ弾みをつけたい。

[浜崎結衣]

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対慶大戦 
9月24日 11時試合開始予定(一塁側)
9月25日 13時半試合開始予定(三塁側)

神宮球場アクセス
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩10分 千駄ヶ谷駅より徒歩15分

シーズン スコア 成績
過去の慶大戦スコア
16年春 △1-1 優勝
○10-0
●0-1
◯18-0
15年秋 ●3-5 2位
○3-1
◯4-3
15年春 ●5-8 4位
○7-0
●1-2
14年秋 ○4-3 優勝
●1-3
●2-4
14年春 ●3-4 3位
△5-5
●3-5
13年秋 ○5-0 優勝
○4-2
13年春 ●3-5 優勝
○4-0
○2-0
12年秋 ●2-5 4位
○3-1
△0-0
●0-1
12年春 ●1-2 4位
●2-8
11年秋 ●0-2 優勝
○3-2
○7-0
11年春 ○6-0 4位
△2-2
●3-9
●0-5
10年秋 ○4-0 4位
●0-8
●3-4
10年春 ●2-3 3位
●3-4
09年秋 ●3-8 優勝
○3-1
○8-4
09年春 ○7-2 3位
○2-1
08年秋 ●2-3 3位
●1-3