チームに勢いをつける完封勝利 法大戦タイに戻す/東京六大学秋季リーグ戦

2016.09.26
チームに勢いをつける完封勝利 法大戦タイに戻す/東京六大学秋季リーグ戦
 好機をものにし3―0で法大に勝利した。5回に松原大樹外野手(営3=明大中野)の本塁打で1点を先制すると、6回走者一、二塁の場面では多々野将太外野手(農3=花巻東)の適時打により2点を追加。先発の石崎海斗投手(政経1=佐倉)を始めとした投手陣の力投により法大打線を0点で抑え、完封勝利を遂げた。

 投手陣が活躍した。先発の石崎は慶大戦2回戦でも先発出場していたが、4回2失点と奮わない成績だった。そのためこの日は「(強力な法大打線に)自分の力は通用しないかなと思っていた」と不安を残しながらの登板となった。しかし捕手の中村亮太(政経3=明大中野八王子)との低めに変化球を集めて内野ゴロを打たせていこうという打ち合わせ通り、打たせて取る投球で法大を無失点に。走者を塁に出しても物怖じせず、冷静な投球でチームの勝利に貢献した。石崎の後も7回に登板した古村佑投手(情コミ3=明大中野八王子)がわずか9球で打者3人を封じ込めると、8回からを任された中里彰吾投手(商3=高崎)は自分の投球スタイルを貫き抑えの役割を全うした。篠原匠投手(政経3=明大中野八王子)以外に白星がついたのは今季初。エースに頼ることなく試合を終え、相手に強さを見せつけた。

 攻撃では、無駄なく得点を決めた。先発したエースの末次(法大)相手に4回までなかなか点を取れずにいたが、5回に松原のソロ本塁打で先制。6回には相手のミスを逃さず走者二、三塁の状況を作ると「無我夢中で打った」という多々野が右翼手越え適時打を放ち追加点を入れた。前日は打線の連携が取れず得点圏に走者がいる中で安打を放つことができなかったが、この日は計5本の少ない安打から確実に点を奪い成長を見せた。

 これで法大に1勝1敗だ。春の法大戦でも同じ状況を迎えたが、3戦目に逆転負けを喫して勝ち点を奪えなかった。今回は同じ結果を繰り返さぬよう、勝利の感覚を忘れずに3戦目も臨みたい。「優勝を狙っているので法政を倒して勢いをつけたい」(松原)と気合は十分だ。いい流れを断ち切ることなく、勝ち点を奪い取りにいく。

[相澤日向]

試合後のコメント
久保田駿内野手(法3=広陵)

「勝つという意識しか持ってなかったので勝てて良かった。アクシデントあったがチーム全員でカバーしてできた試合だった。とにかく今日はアクシデントある中、石崎はじめ古村、中里とよく投げてくれたので援護遅かったんがピッチャーがよく投げてくれた中、野手もよく守れたと思う。雰囲気は決して悪くないので、これからも勝ってどんどん良くしていきたい。明日はもう勝つしかないので、勝つことだけ意識してやっていく」

古村
「前回の投球でチームに迷惑をかけてしまったので、いつも以上に気合を入れて臨んだ。登板前に多々野がタイムリーで点差を広げてくれたのも大きい。やっぱり、1点差よりも2点、3点と差が開いてくれた方が楽に投げられる。みんなが必死に取ってくれたからこそ、しっかり守らないと、という気持ちで投げていた。今日はファーストストライクを取れたことと1アウト目をしっかり取れたことが良かった点だと思う。あとアップの時もしっかり脚を動かして体全体を使って投げることを心掛けることができたのも良かったと思う。自分的には法政打線は積極的に振ってきてくれるので、嫌ではない。すごい打者も多いので対戦していて楽しい。今みんなチーム一丸で勝ちに向かっていて、自分もしっかり戦力になるということを意識して貢献したい」

多々野
「法政は春の王者ということで、自分たちはチャレンジャーという気持ちで今日の試合臨んだ。先発は大澤っていう話だったんですけど急遽変わって、ピッチャー陣がよく法政打線を0で抑えてくれて、少ない得点ですけど野手が点に絡むことができて良かった。(6回のタイムリー)無我夢中で打った。昨日もチャンスで打てなくて今日も初回に回ってきて打てなくて情けないなと思っていて、最後あの一打が出て個人的に嬉しい部分もありますしチームとしてそれで勝てたっていうのもあるんで明日につながればいいなと思う。昨日みたいなバントミスが無かったりとかみんな自分の役割を果たしていたので今日はそういう面で勝ちにつながったかなと思う。事前の声だとか必要な声も出てますし確認の声だとかベンチも盛り上げてくれているのでやりやすい。(次戦)一点でも多く点数を取って勝ち点を取りたい。絶対勝ちにいきたい」

中里
「昨日抑えられなかったので配球を亮太だけではなく自分でも考えられるようにした。投手をやっていると投げやすいボールに頼ってしまい、他のボールも捕手からサインが出ないとそれに頼ってしまう。やっぱり野球は最後の3つが大変といわれていて、昨日もそうだが早く終わらせたいと考えるとストライク先行に投げると、そのテンポが逆に向こうの合わせやすくなるときもあるので勝ち急がないというのが難しい。抑えはチームには必要な役割だと思うので精一杯やりたい。チームも勝ちに一生懸命で、一つになって勝ちに行けているのでその流れをもっと勢いづけられるようにがんばりたい」

松原
「とにかく勝ててよかった。チームが勝つことが一番。末次さんは今まで少ししか投げていないと聞いていたので向こうも本調子ではなかったと思う。ホームランはみんなが打たせてくれた。調子が悪くて試行錯誤したり、周りがアドバイスくれたりして打ててよかった。タイミングの取り方を意識していて今日はうまくいったのでよかった。ホームランの感触は最高でした。インコースのスライダーをうまく内側からバットを出せた。今まで打ててなくて6番に下がってマークも緩くなると思うのでそこで調整といわれていた。でも、少しでも早く元の打順に戻れればと思いながら今はやっている。明日はどんな展開でも勝ちたい。優勝を目指しているので法政を倒して勢いをつけたい」

石崎
「法政はやっぱり六大学の中で一番打線が強力で、実際自分は慶応戦で投げて4回2失点っていう結果だったので法政にもそんなに自分の力は通用しないかなと思っていたんですけど、結果6回無失点っていう結果で。突然ではあったんですけど今日はブルペンでもいいピッチングできてたんで、大丈夫だった。キャッチャーの亮太さんからも言われたんですが、低めに変化球を集めて内野ゴロを打たせようっていう意識でやった。途中浮いてしまうところもあったんですけどそれは外野手がフライとってくれたので、とりあえずは低めを意識してやった。6回に、5回の裏に点数を取った後整備があって時間があった後にピンチを迎えてしまったところで、三振で3アウトが取れたことが良かった。今日の結果を受けて少し自分でも余裕が持てるようになったので、今日は外の配球ばかりになってしまったので次はインコースをついて打者の狙いをそらしたピッチングをしていきたい」