
篠原の好投がサヨナラ呼び込む 今季初勝ち点/東京六大学秋季リーグ戦
これぞ「鉄腕」だ。先発の篠原は、10回無失点に抑えた立大3回戦から中1日でのマウンド。初回からストライク先行の投球で、3回までパーフェクトピッチングを続けた。その後も抑えるが、終盤は「疲れがたまってきてボールが浮き始めて、シュートして抜け始めた」(中村亮太捕手・政経3=明大中野八王子)と、甘くなった球に相手打者が粘り、球数がかさんだ。しかしここからがエースの真骨頂。間を置くことで気持ちを切り替え、立大打線を散発3安打無四球無失点と完璧に封じた。無我夢中で投げ抜いた結果「サヨナラが決まってから完封だと気が付いた」(篠原)と、2年ぶり2回目の完封勝利となった。ここまで先発した試合は全て9回以上投げ切っている篠原。明治のエースナンバーは11といわれており、篠原はその番号を背負う。歴代のエースが付けた背番号の重みに恥じない投球を続け「11」の価値を自ら高めていく。
最終回に好機をものにした。相手先発は同2回戦で完封負けを喫した森田。武器であるフォークボールを織り交ぜた投球に「相手のペースに合されてしまっている」(久保田駿内野手・法3=広陵)と、今試合も8回まで三塁すら踏めず。しかし9回裏、先頭打者が打ち取られるも二塁手が失策して無死一塁となり、打席には2試合連続で4番に座った平島嘉之外野手(営2=明大中野八王子)。犠打を試みるも追い込まれ、ヒッティングに切り替えたが、これが二塁手と中堅手の間に落ちて中前安打となり無死一、三塁に。その後1死二、三塁となり迎えた打者は松原。追い込まれながらも「右方向に意識を置いてやっていた」と外角のスライダーを中堅手の前に運びサヨナラを決めた。
息詰まる接戦を制し、勝ち点を得た。「接戦を勝ち切るのは良いこと」と久保田。このまま良い流れを崩さず勝ち進みたい。次は1週間空いて法大戦を迎える。3季連続優勝している強豪校だが、今春法大相手に勝ち点獲得あと一歩まで追い詰めた。優勝戦線へ生き残るためには法大戦での勝ち点は必須だ。
[木村亮]
試合後のコメント
久保田
「篠原が本当にいいテンポで投げてくれたので本当に今日も篠原さまさまというかエースらしい意地のあるピッチングを見せてもらったので、打者としては本当に情けないが、篠原にありがとうという気持ち。バッティングはまだ全然意識が足りないっていうのを感じている。1点取りにいくところでフライを上げたりとかまだまだ自分のバッティングができていないのでそれをまた意識付けて練習していかないといけない。森田(立大)からは打たされている。こっちが相手のペースに合わせてしまっているという印象だったので、まあ打たされているって感じ。9回は相手がミスを二つしてくれたので流れはこっちと思って、絶対点が入るんだっていう気持ちで見ていた。イニング間には指示は出していて、それをみんなで共有はできていると思うがそれが結果が出てないしつながっていないのでまだまだ意思の疎通ができていないのかなと思う。接戦を勝ち切るのはいいことだと思うので、簡単に勝てる相手もいないので勝てれば。勝つことが目標なので大差じゃなくてもいいから勝つことだけに執着していきたい。みんな疲れがたまっている中でこうやって一戦取れたのはプラスなので負けていたらまた雰囲気は変わっていたかもしれないし勝つことができたのでこれから上げていきたい。学校が始まるので練習もできなくなると思うがみんな意識持ってしっかり取り組んでくれると思うので次週、良いように入れるように練習していきたい」
篠原
「目の前の打者一人一人に集中して投げた結果が、サヨナラ勝ちにつながって本当にうれしい。1戦目3失点した回は心が乱れていたと今となっては思うので、その心の乱れが2戦目、3戦目と落ち着いていけた。その結果がチームの勝ちにつながったと思っている。やっぱり、明治のエースナンバーは11といわれていて、この秋からその11番を付けることになり、小田さん(平27営卒)からもう一度11番の輝きを取り戻してくれと言われていた。この11番は今いる投手の一番という意味もあると思うが、歴代の11番を背負うバトンを受け取った一人として先輩方に恥じないように、そしてこれからこの番号を背負う後輩たちに重みを感じてもらえるような投球を今回は少しできたと思う。2戦目の調子は悪かったわけでもなかったので、その調子のまま、心のまま試合に入っていけるようにした。昨日雨で流れなくても投げる気持ちでいたので、流れたときは少し回復できると小さな余裕はできた。今日はサヨナラが決まってから完封だということに気づいた。もちろん完封を狙うというのは投手として当たり前だと思う。今日はその時の打者、一球、場面一つ一つに集中できた結果が完封につながったと思うのでこの流れを法政戦までしっかりつなげないといけない。9回は苦しくないといったらうそになるが、やはり1戦目に3点取ってからすぐ同点に追い付かれたあの回がどうしても周りが見えなくて焦ってしまったというのがあるので、どんなに走者を出してもまだ点は取られていない、次の打者に集中って思えて、心の持ち方がすごく良かった結果が0につながったと思う。次の法政戦でもこの立教戦でできたことをそのままやるだけ。法政はバットが振れるので気の抜いた球を投げない。常に一球一球集中して投げることが大切になってくるのではないかと思う」
中村亮
「本当に篠原さまさまで、あいつのために絶対点取ってやるぞって気持ちだったのだけど、最後に松原が打ってくれて本当に良かったと思う。(相手先発・森田について)落ちるフォークがあるので、それを右にも投げられるというのが一番武器。みんなそれに苦しめられていたのだけど、今日はなおフォークが良かったので。たぶんそこが苦しんだ要因じゃないかなと思う。(9回裏)結局向こうのエラーから始まっているし、みんなが勝ちたいってやっと火が付いたのかなと。(今日の篠原)金子と相談とかアドバイスもらいながら、すごい考えながらやっていたのだけど、負担の掛からないようにかからないようにってリードで、3球勝負にいくところも多かったのだけど、途中1回だけ(篠原)本人が切り替えているところが8回表にあった。自分なりにスイッチを切り替えられたのが良かったかなと思う。疲れがたまってきて、ボールが浮き始めてシュートして抜け始めて、自分でこんなんじゃ駄目だというのが。というので自分にあった怒りとかを落ち着けようってことで、ちょっと間を置いた。それが今回はいい感じに出たのかなと思う。(四死球0)フォアボール出すくらいなら打たれてもいいというのを一回だけ榛葉さん(立大)のときにノースリーになったのだけど、それだったら打たれてもいいって考えてやっていたので、ツーノー、ツーワンで勝負というのをここ2試合で意識していた。(10奪三振)序盤は下位打線が全然振ってこない。たぶんスイッチが入ってなかったと思うのだけど、序盤で下位打線で4、5個(三振を)取れたというのが一番大きかったと思う(ここから1週間空くが)とりあえず一回小休止を挟んでもう一回気合いを入れ直していきたい」
松原
「真芯で捉えた感じはしなかったが、何とか食らいついてベンチ外の人と篠原が頑張ってくれていたので、その思いというのを乗せてというか。何とかヒットになってくれてよかった。外めのスライダーでずっと右方向に意識を置いてやっていたのでそれがいい結果につながったと思う。まだ1アウトだったのでほんとみんないいところで回してくれたなと思って感謝しつつ打席に入った。(2連勝で)弾みがついたと思うので次の試合に向けてまた1週間調整というか一生懸命練習したいなと思う。(守りで0点)ほんとピッチャーのおかげ。そろそろ早めに点を取って楽にしてあげたいなと思う」
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