
(3)開幕前インタビュー 齊藤大将、水野匡貴、竹村春樹

強気の投球で窮地を救う。齊藤大将投手(政経3=桐蔭学園)は7月に行われた日米大学野球選手権で3試合に登板し、計3回を2安打無失点。優勝が懸かった5戦目では10回タイブレークの場面を2者連続三振で切り抜けた。大学野球のトップレベルで経験を積んだ齊藤は、一回り成長した姿で神宮のマウンドに立つ。(この取材は9月4日に行われたものです)
――日米大学野球選手権での経験はいかがでしたか
このチームでもそうなんですけど、代表の方でもすごく投げさせてもらいました。実際は1、4、5戦目で投げさせてもらって、1戦目と4戦目に投げたときは正直全然うまくいかなかったので、正直「大事な場面で出されても」って少し思ったりもしていたんですけど、もともと大事なときにいくっていうのも分かっていますし、ワンポイントっていうのも自分でも分かっていたんで、入ったからには仕事をしっかりしなきゃいけないとすごく感じていました。5戦目の最後のときは自分の動きもできて、チームとしても勝てたので、本当に大きな経験になったかなと思います。
――他大の選手から学ぶこともあったかと思います
もちろん野球の技術が高いのは当たり前だったんですけど、本当に野球だけじゃなくて意識だったり取り組み方だったり、全然違って、一人一人が自分で考えてやっているなっていうのをすごく感じました。そういうところが他の人達よりも長けているのかなと思いました。そういう意味ではいろんな人たちと出会う機会があっていろんなこと吸収することができたんで、自分にとってかなりプラスになったと思います。
――代表投手陣から盗んだ技術などはありますか
他のピッチャーと比べてもともとタイプが結構違うので、球速だったりっていうのは特に見なかったんですけど、自分に足りないところはよく見ました。今回の代表ではすごい神大の濱口さんのチェンジアップを見せてもらって、自分が持っていない、比べもののならないくらいのいい球だったので、自分に取り入れていければなという風に取り組みました。やっぱり自分から聞きにいかないと。見て盗むのもそうなんですけど、聞けたほうが分かりやすいし、聞いたらどんどん教えてくれたので良かったです。
――夏季オープン戦での手応えや、夏に意識したことはありますか
代表が終わってからは正直全然調子が上がらなくて、投げたら打たれてっていう形で全然良くなかったんですけど、ここ最近はまたいろいろ工夫しながら、どうやってどこに投げたら打たれるっていうのが分かってきました。投球フォーム内での力の入れどころを変えてみたりして、そういうところで少し良くなってきているのかなっていう感じです。リーグ戦にはうまく間に合うように上げていければなって思います。
――指先の感触はいかがでしょうか
もともとのスライダーとスクリュー系の球は特に精度を上げることだけを気にしています。あと真っすぐは力にいれどこだけで、力感あまり出ないようにスナップの部分だけに力を入れるっていうのを今やっているんで。それをうまくできれば投球の幅ももっと広がっていくのかなとは感じています。
――昨季同様、まずは規定回数の登板が一つ目の目標になるのでしょうか
結局は達成できていないので、目標を達成してないのに変える必要もないです。もっとレベルを高めていくことも大事なんですけど、その目標がまだ達成できていないのでそこを重点的に。もちろんチームが勝つことがメインだと思うので、チームが勝つ上でしっかり自分が抑えられればいいなと思っています。
――秋への意気込みをお聞かせください
今季もたぶん今までと変わらずピンチの場面だったりで投げると思うので、毎試合ってわけじゃないですけど、常にブルペンで肩をつくって、どんな状況でも3戦目でも投げたりっていうのはあると思うので、中継ぎ、先発とどこでもいけるように、任された部分はしっかり役割を果たせるようにしたいです。春は16試合やってしまってので、秋は10試合で完全優勝狙っていきたいと思います。
――ありがとうございました
◆齊藤大将 さいとうひろまさ 政経3 桐蔭学園高出 179㎝・77㎏ 左投左打 投手
試合 | 勝利 | 敗戦 | 打者 | 投球回 | 安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
昨季 | 7 | 1 | 2 | 53 | 13 | 9 | 5 | 11 | 4 | 2.77 |
通算 | 29 | 5 | 2 | 219 | 522/3 | 43 | 20 | 59 | 13 | 2.22 |
制球力に磨きをかけた。水野匡貴投手(農3=静岡)は昨季、リーグ戦自身初の先発を務めた慶大カードで完封を含めて勝ち星2つ。しかし、後半戦では試合をつくれず先発の厳しさを痛感したシーズンともなった。有効な持ち球を手に入れるため、この夏は低めへの投げ込みを増やした。オープン戦では先発として場数を多く踏み、春秋連覇に向けて準備を整えた水野にお話を伺った。(この取材は9月4日に行ったものです)
――秋に向けてチームの雰囲気はいかかでしょうか
チームのまとまりがすごく強く、チーム全体を柳さん中心に4年生が引っ張って、みんなついていこうという雰囲気がすごくあります。チームの雰囲気はいいです。
――ご自身の状態の方はいかかですか
去年の春に比べて、コントロールの部分で個人的に手応えはあるかなと思います。低めにボールがいく回数や球数が増えたりだとか、変化球の投げ分けができたりとか、そういうのが手応えの一つです。一番はスライダーがいいですね。ただ、もう少し真っすぐの質だったり精度だったり上げていきたいなと思います。全体的にコントロールは悪くないかなと思いますね。
――オープン戦での登板で手応えはありますか
ありますね。うまく自分の狙ったコースだったり、球というのが投げられているかなと思います。
――キャンプではどのようなことを取り組まれましたか
投げ込む量を増やすのが一つの目的でした。その中でも球数が増えて、キャンプの終盤の方で疲労が溜まった中でどれだけ投げられるかを意識しました。特に低めに強く投げるという意識は強く持って投げてきました。
――初先発をした春季を振り返っていかがですか
慶應戦の2戦は初回から自分が投げ切るまでのイニングまではしっかりと投げ切れたとは思うのですが、法政、早稲田と初回から雰囲気など自分の中で上手く入れなかったというのが課題かなと思います。
――法大戦、早大戦で見えた課題はどのように克服しましたか
試合は大事ですが、そこで大事に大事ではなくいつも通りに。練習を練習試合だったり、リーグ戦の雰囲気を自分でつくりあげてやったりというのは意識しています。
――先発と中継ぎでは心持ちも変わってくるのでしょうか
中継ぎだったら試合の雰囲気だったり流れというのを自分で見ながら感じながら入れるんですけど、自分が先発だと試合の雰囲気だったり流れというのを自分がつくっていかないといけないので、ちょっと違うところはあります。春は今まで先発の経験がなかったのでそこはうまくできていなかったなと思いますね。でも春に先発していい部分も悪い部分も経験できたのでその点においては秋にはもう少しやりやすくなるかなと思います。
――オールスターに初選出されました
いつも対戦している相手チーム、ライバルの人たちと同じチームメイトとして試合ができたり、交流できたのはすごくいい経験にはなりましたね。同級生で早稲田の吉見というキャッチャーと、東大の山田と、慶應の岩見は同じ部屋だったので4人でずっと夜とか話してましたね。野球の話が多かったですかね。どういう練習するとか、早稲田のこいつどんな奴なのとか、そんな話ばっかりでした。
――4年生とプレーをするのは最後になります
いろんなアドバイスも頂いたり、優しくてもらったりすごいお世話になっています。一緒に守っていても、野球をやっていてもすごい自分を助けてくれてすごい感謝しています。4年生を最後いい形で送り出せたらと思っているので、リーグ戦はまず優勝して日本一に貢献できるようにしていきたいです。
――秋への個人的な目標をお聞かせください
春季リーグ戦は数字でいったら2勝個人的には取って。自分が2勝すれば柳さんも星さんも負担が減ると思うので、そこを目標にやっていきたいと思います。結果を意識してやりたいです。
――秋への意気込みをお願い致します
秋のリーグを優勝して日本一を取ることです。
――ありがとうございました
◆水野匡貴 みずのまさき 農3 静岡高出 182㎝・82㎏ 投手 右投右打
試合 | 勝利 | 敗戦 | 打者 | 投球回 | 安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
昨季 | 6 | 2 | 1 | 91 | 23 | 19 | 6 | 22 | 7 | 2.74 |
通算 | 18 | 3 | 1 | 166 | 41 | 30 | 15 | 39 | 10 | 2.20 |
竹村春樹内野手(政経3=浦和学院)が、真価が問われるシーズンを迎える。昨季は15試合に出場するも、代打や守備固めでの出番も多く規定には未到達。打率も1割台に落ち込むなど、悔いの残る結果となった。夏を通して他の選手の二塁手起用も増えていく中、課題を克服し今季の二塁手定着を目指す。(この取材は9月4日に行われたものです)
――夏、重点的に練習した点は何でしょうか
春、バッティングの課題が結構残ったので、振りこみとか、スイングスピードを上げる練習をしてきました。春季はピッチャーが投げてきたボールに対してポイントが近くて、自分のスイングがし切れなかったという課題がありました。
――秋季に向けてのモチベーションは上がっていますか
秋に向けてイメージはちゃんと作るようにはしてますね。
――トレーニングを多くしているとのことですが、特に鍛えている箇所はどこでしょうか
特に下半身ですね、お尻の辺りとかを。結構バランス力がないと言われるので、バランスとお尻の強さというのを重点的にやってますね。
――六大学で危険視している大学、ピッチャーはいらっしゃいますか
特にどこっていうのはないんですけど、法大の打線は結構足もありますし、打つし、法大がいいのかなと思います。ピッチャーは特に早稲田の大竹投手です。左ピッチャーってこともあって、やっぱりコントロールもいいし、色んな変化球とかも投げてくるし、予測ができないという難しいピッチャーだと思うので。
――現在のチームの雰囲気はどうですか
4年生を中心にチームの状態も別に悪くはないです。でももう一段階、二段階ぐらい上がると思うので、この2週間ないぐらいでしっかり調整できたらなと思います。
――竹村選手自身が思う明大の理想とする勝ち方を教えて下さい
明大は粘りのチームだと思うので、そんな大差で勝つというよりは、1点、2点、3点をみんなで必死に守りぬくという、逆転されてもすぐに追い付いたり追い越したりという粘り強さで勝つというのが理想の勝ち方だと思います。
――今夏のオープン戦では河野祐斗内野手(文3=鳴門)や宮崎新内野手(文3=履正社)も多く二塁手を務めていらっしゃいますが、お二人の印象は
河野とは入ってきたときから一緒にキャッチボールやったりとか、そういうことをしていたので自分の中ではライバル意識はありますね。宮崎選手にしては勝負強いし、バッティングもいいなと思います。
――今季の個人としての目標は何でしょうか
守備の方はもちろん無失策で、打率も3割に乗せてベストナインを取りたいと思っています。
――今季のチームとしての目標は何でしょうか
チームとしての目標は間違いなくリーグ戦をまず優勝して、そこから前回の春の選手権で1回戦負けという悔しい思いをしてるので、その面では4年生が最後なので日本一を獲りたいなと思っています。
――秋の優勝に向けてカギとなると思われる選手はどなたでしょうか
川口さん(貴都投手・法4=国学院久我山)ですかね。(オープン戦では打者として活躍しているが)明大は左バッターが多いので、その中でも今夏から右バッターとして貴重な存在で打ってるので、やっぱりそこら辺では重要というかカギを握ってるんじゃないかと思います。
――優勝に向けて竹村選手が貢献していきたいのはどのような点ですか
特にバッティングの面で、フォアボールでもデッドボールでもヒットでも何でもとにかく出塁率を残したいです。自分のスピードを生かして走塁とかでもスキを突いたりとかしてチャンスメークをして、上位にチャンス回したりだとかここぞというときの勝負強さというのを見せたいなと思います。
――最後に今季の意気込みをお願いします
とにかく4年生とできる最後のシーズンなので、やっぱり優勝に貢献して、4年生に最後にいい思いをさせたいと思います。
――ありがとうございました
◆竹村春樹 たけむらはるき 政経3 浦和学院高出 176cm・73kg 内野手 右投左打
試合 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 四死球 | 打率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
昨季 | 15 | 38 | 7 | 3 | 0 | 0 | 3 | 3 | 2 | 4 | .184 |
通算 | 52 | 108 | 23 | 4 | 1 | 0 | 7 | 9 | 10 | 19 | .213 |
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