東大に大量得点で快勝/東京六大学春季リーグ戦

2016.05.22
東大に大量得点で快勝/東京六大学春季リーグ戦
 投打がかみ合った試合となった。春季リーグ戦第5節・対東大戦は13―0と大勝した。初回に松原大樹外野手(営3=明大中野)の三遊間を抜ける適時打で1点を先制すると、続く2回に小田敏大投手(営4=明大中野八王子)の三塁打などで4点を追加。その後もほぼ毎回で得点をあげた。投げては先発の小田が5回無失点6奪三振と好投を見せると続く小田桐航平投手(総合4=中央中等教育学校)、薄田寛也投手(農4=日本文理)も打線の奮起に応える力投で完封した。

 攻める姿勢が勝利をもたらした。1回裏、二死走者なしの状態から中前打で萩谷が出塁すると「サインが出たので思い切って行ったら成功した」とすかさず二盗を決めた。「盗塁をメインでやっていこうと最初から話していた」(酒井翔弥主将・法4=東北)。この作戦が功を奏し、続く松原の三遊間を抜ける鋭い当たりで先制点を奪った。続く2回裏にも2死二、三塁から小田が遊撃手の頭上を越える三塁打で2点を追加し、チームに勢いをもたらした。その後も二者連続四球で満塁となり、続く萩谷直斗内野手(営4=水城)が左前に痛烈な適時二塁打を放ち2点を追加。「ボールがよく見えていい感じだなと思っていた」(萩谷)。この回で一挙に4点を奪い、早々に試合の主導権を握るとこれまで不振にあえいでいた打線が大暴れし17安打13得点と今季最多の安打数と得点数で最後まで主導権を渡さなかった。

 投手陣も野手陣に負けない投球を見せた。先発の小田は立ち上がりから「強い気持ちで臨んだ」と強気の投球を見せ、東大打線を無安打無失点に抑えた。続く2番手・小田桐は7回表に先頭打者に四球を出すと連打を浴び、無死満塁のピンチに。しかし、後続の打者をすべて左飛に打ち取った。その原動力となったのは他の野手陣。「周りの野手8人が声を掛けてくれた」とチーム一丸となってピンチをしのいだ。最後は薄田が2イニング連続三者凡退と4年生リレーで東大に一度も本塁を踏ませなかった。

 これまでの試合を振り返るとチャンスであと1本が出ないのが課題であったが、今日は打線がつながり13点という大量得点を奪うことに成功した。「コールドにするぐらいの気持ちで皆で一つになって戦いたい」(金子昂平捕手・営3=済美)。今季は未だに連勝をしていない。この勢いに乗って初の連勝なるか。明日も打線奮起と投手の力投の両方に期待が高まる。

[秋山祥子]

試合後のコメント
酒井

「(今日の試合を振り返って)毎回得点でそれは本当良かったなと思う。2アウトからでも点数取れたり連打でヒットで取れたのでそれが大量得点につながった。結果コールドにはできなかったが、秋に向けていい流れができた。(盗塁が多かったが)最初から今日は走りをメインでバントをしないというか、盗塁をメインでやっていこうと最初から話していた。(前試合からの調整や修正)ずっと打てなかったのでやっぱ打つことをメインにバッティングをずっと集中的にやってきた。チャンスで1本出すためにしっかりこの1週間振り込んで東大戦、最後切りよく終わろうということだった。(盗塁をすることになった経緯)やっぱ得点圏にランナーを進めるために今までずっとバントもやってきたがやっぱ1アウトあげてしまうと、ノーアウト二塁と1アウト二塁は結構違うので幅広く攻撃したいのでチャンスを広げる意味で走りでメインで先の塁に進んで行こうという考え。(明日に向けて)今春最後の試合なのでしっかり切りよく2タテで終わってまた秋に向けてつなげて行きたい」

小田
「(今日の投球を振り返って)最後の先発になると思う。今日は4年生でつなぐという話だったので、予定イニングは5回という短いイニングで、ヒットを1本も打たれないようにするという強い気持ちで臨んだ。前回からの立大戦の立て直しは特にしていない。今までやってきたことを積み重ねて、それが最後集大成として東大戦で出せればいいと思った。(春季リーグ全体を振り返って)目標は全日本選手権だったので、それがかなわなかったことは力不足だと思う。しかし残念な結果になったとは思うが、やってきたことは間違ってなかったと思うし、練習をしてきたという自負もある。後は後輩に託したい」

小田桐
「準備は日々やっていたが、ちょっとした点差が開いたのでこう言った場面で投げさせてもらって、チームには感謝している。自分なりに今までやってきたことは出せたかなと思う。(空き週は)まだ順位の変動はあるので、今までやってきたままだとチームは上がらない。バッティングピッチャーの位置をずらしてちょっと前にして速い球投げられるとか、そういった工夫はやっていた。(無死満塁を抑えたが)周りの野手8人が声掛けてくれたので、それが無失点で抑えた自分のピッチングの原動力になったかなと思う。今日頑張ってくれたのですごく助かった。(今季のチーム)ものすごくレベルも高かったので、結局全日には行けなかったが、そのレベルの高いチームをまとめる主務としては、うまく動かせなかったというのは自分の反省というか、この4年間の悔いかなとは思っていて。技術は高いので秋から新チームになってもやってくれると思うんで、頑張ってほしいかなと思う。主務としては力不足だったなと思う。4年生が少なく、1から3年生におんぶにだっこだったが、最後4年生がまとまって今日試合にも出られたし、4年生全体のいいプレーとかも見られたので。今日は良かったかなと思う」

萩谷
「ボールがよく見えて、いい感じだなと思っていたら結果が出て良かった。今日のヒットを振り返ると1本目と3本目は球が浮いていたので打ちやすかったが、2本目は追い込まれた中で打てたので1番良かった。1打席目の出塁後の盗塁はサインが出たので思い切っていったら成功した。明日の試合も勝ってきっちり2戦で終えて、一つでも順位を上げられたらいいなと思う」

金子
「(今日の試合を振り返って)もう失うものはないので全員で楽しくやろうという雰囲気だった。特に相手を意識したりということはなかった。自分も1安打打てて良かったと思う。(7回表、満塁のピンチでのリードについて)小田桐さんの今季初登板だったので、とにかく真ん中に集められるようにして、ツーシームをうまく使って構えてる位置に来るように相手が気にしているコースを意識しながら無失点で抑えられるようにした。(明日の意気込み)コールドにするぐらいの気持ちで皆で一つになって戦いたい。秋につなげて、自分たちの代で全日本選手権に行けるように、いい雰囲気で終わりたいと思う」