(18)混戦を抜け出せ! 負けは許されない血の明法戦/法大戦展望

2016.05.06
 優勝に向け、負けられない一戦を迎える。現在、慶大に次ぐ2位に位置づけており、迎える第3カードは法大戦だ。法大は開幕カードの慶大戦で連敗するも、そこから立大、早大に2勝1敗で勝ち点をつかみ、最も勢いに乗っている。昨年、春秋ともに勝ち点を献上した嫌なイメージは払しょくしたい。勝ち点奪取で、混戦状態を抜け出してみせる。

 鉄腕攻略となるか。ここまで計8試合を戦っている法大だが、その中で6試合に登板しているのが最上級生の玉熊。先発した立大2回戦で完投勝利を挙げると、早大3回戦では5安打1四球と圧巻の完封勝利を見せた。立大戦ではノーゲームとなった試合を含み4日連続で登板する鉄腕ぶりを発揮。1回戦の先発が予想されるが、2回戦もリリーフとして登板する可能性も十分だ。「投手責任者」としてチームをまとめ、人一倍の思いでラストイヤーに臨んでいる玉熊とは技術以上の勝負が展開されそうだ。
 エースとして活躍が期待されている3年生の熊谷はいまだ白星なし。しかし、登板した試合では場面に関わらずにその役割を全うしている。伸びのあるストレートは球威を増しており、持ち味である緩急で打たせて取る投球は今年も健在。先発、リリーフとしても何とかして打ち崩したい相手だ。2年生ではケガから復帰した菅野が早大2回戦で今季初勝利。昨年1試合登板に終わっていた上條もリリーフとしてフル回転の活躍を見せている。上から下まで経験豊富な選手がそろう投手陣を前に、先制点は絶対条件だ。

 スキのない打線を封じ込む。投手力がひときわ目立っている今春リーグ戦の中、2割7分1厘のチーム打率は現在リーグトップ。打率10傑に森川、大西千、金子凌の3選手が入っている。1番を担うのは、昨季から不動のリードオフマンに定着している2年生の大西千。六大学随一の走塁技術を持ち合わせているスピードスターは12安打、4盗塁ともにリーグトップ。開幕戦から唯一、毎試合連続で安打を放っている好打者を無出塁にしたいところだ。
 クリーンアップには川口、柴田、金子凌が名を連ねる。4年生の柴田、金子凌は、昨季、規定打席数に達したその経験値から、好機をものにできる勝負強さが印象的だ。つなげる3番打者として役割を全うしている2年生の川口にも要注意。また、下位打線でチームトップの打率3割7分を誇っている森川の存在が、現在の法大打線のいちばんの強みと言えるだろう。他にも攻守両面でチームに貢献している3年生の水谷、ルーキーイヤーは1打席に終わりながらも今春に頭角を現した2年生の小林など、フレッシュな顔ぶれで打順は固定されつつある。エースの柳をはじめ、復調を見せつつある星知弥投手(政経3=宇都宮工)、18イニング連続無失点中の水野匡貴投手(農3=静岡)ら磐石の投手陣が、勢いのある打線を前にどう立ち向かっていくかに注目したい。

 主将として、扇の要としてオレンジ軍団をけん引している森川が何度も口にしてきているのは「先手を仕掛ける」野球。投打で粘り合いの接戦が繰り広げられることは間違いない。守備で攻撃の流れを引き寄せて、先頭打者が出塁することが勝利への近道だ。混戦状態を極めている今春リーグ戦、ここいちばんで迎える伝統の一戦に負けは許されない。

[土屋あいり]

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対法大戦
5月7日 11時試合開始予定(三塁側)
5月8日 13時半試合開始予定(一塁側)

神宮球場アクセス
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩10分 千駄ヶ谷駅より徒歩15分

シーズン スコア 成績
過去の法大戦スコア
15年秋 ○4-1 2位
●2-8
●1-2
15年春 ●5-6 4位
●8-10
14年秋 ○5-1 優勝
●1-6
○3-2
14年春 ●1-2 3位
○5-3
○4-3
13年秋 ○5-2 優勝
○5-3
13年春 ●5-9 優勝
△5-5
○6-3
○3-2
12年秋 ●1-6 4位
●2-3
12年春 ○4-2 4位
△4-4
●4-5
○5-3
11年秋 ◯9-8 優勝
●1-3
◯3-2
11年春 ◯5-2 4位
●1-3
●0-2
10年秋 ◯4-1 4位
●5-8
●1-0
10年春 ◯6-5 3位
◯4-2
09年秋 ◯5-1 優勝
●1-3
○3-2
09年春 ●3-5 3位
●4-5
08年秋 ◯3-0 3位
◯7-0
08年春 ◯7-2 優勝
△2-2
○6-0