敗戦を糧に連敗ストップ! 早大に粘り勝ち/東京六大学春季リーグ戦

2016.04.17
敗戦を糧に連敗ストップ! 早大に粘り勝ち/東京六大学春季リーグ戦
 春季リーグ戦第2節早大1回戦は5―1で粘り勝ちした。一回裏にエース・小田敏大投手(営4=明大中野八王子)が先制点を奪われるが、二回2死一、二塁で自らレフト前に安打を放ち同点。八回表1死満塁から斉藤丞外野手(法2=日川)の三失で勝ち越すと中村亮太捕手(政経3=明大中野八王子)のスクイズ、薄田寛也投手(農4=日本文理)の二塁打で追加点を挙げ勝負を決めた。

 ついに打線がつながった。同点の八回表、先頭の多々野将太外野手(農3=花巻東)が四球で出塁すると打線がつながり1死満塁と勝ち越しのチャンスを得た。7番斉藤が引っ張った打球を櫻井(早大)がファンブルし勝ち越しに成功すると、中村亮が相手投手の変化球の軌道にうまく乗せたスクイズで追加点。さらに「ライト線を破るイメージ」で打った薄田の打球は詰まり気味ながら右翼線を破る二塁打で2点を追加した。「後ろにつなぐという意識がみんなにあった」(酒井翔弥主将・法4=東北)とつなぐ意識が慶大戦で課題となったあと一押しが出た攻撃となった。
 敗戦を糧に成長を見せた。今試合成功した犠打の数は六つを記録した。「中央を少し見習った」(酒井)。関東選手権4回戦で大敗を喫した中大戦で感じたスコアリングポジションに走者を置く重要さ。得点圏での駆け引きを優先し、八回は4番萩谷直斗内野手(営4=水城)にもバントをさせ、勝ち越しにつながった。「1点が欲しかったので、先頭多々野が出て萩谷が送るっていう理想の形だった」と酒井。敗戦から学んだ新たな野球がチームの勝利に結び付いた。

2回以降得点を許さなかった小田
2回以降得点を許さなかった小田

 粘りの投球が実を結んだ。小田は初回に先制されたが、二回以降は走者を背負いながらも無失点に抑えた。「今日は勝つことだけを考えて投げた」と六大学相手に昨年から続く10連敗を止めるエースの気迫を見せた。勝ち星こそ付かなかったがチームの勝利に「今日の目標は勝つことだったので、チームが勝ったのは大きい」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 復活の兆しを見せた。2番手の薄田は七回に先頭打者を四球で歩かせ、犠打で進塁を許す。だが、持ち味の制球力で低めに集めピンチを脱した。ここまで公式戦では不安定な投球を見せてきたが「要所は抑えてくれると分かっている」(酒井)と信頼は厚い。「次からも点を取られないように頑張りたい」(薄田)。3季前に最優秀防御率のタイトルを獲得した右腕の調子が上向けば、優勝も視界に捉えられるはずだ。

 早大1回戦で勝利したことにより次に求めるのは6節ぶりの勝ち点だ。敗戦から学び成長の跡を見せた今試合。だが、打線が完全に復調したわけではなく「詰めるところを詰めないと負けてしまうので今日を継続しつつしっかり要所で締めていきたい」(酒井)と気の緩みはない。全日本大学選手権出場にはもう勝ち点は落とせない。残り試合全勝へ向けてさらに成長を続けていく。

[常光純弘]

試合後のコメント
酒井

「粘り勝ちだね。今まで負けていたときは相手にヒットを積み重ねられて崩れたけど、今日は初回あれだけのピンチを1点に抑えられたのはでかかったし、回重ねるごとに向こうもチャンスはあったけどあと1本を抑えられたのがよかった。犠打はしっかり考えた結果。ランナーが一塁だと長打じゃないと点は入らない。中央を少し見習ったところではあるが、スコアリングポジションに置くことで相手にプレッシャーを与えることができるし、嫌なので、今日はそれを徹底してスコアリングポジションに置いてヒットでもいいし、相手のミスでもいいのですぐに攻められる状況にしておくことが狙いだった。八回は1点がほしかったので、先頭多々野が出て萩谷が送るっていう理想の形だった。俺も当たっていたので一本打てればって思ったが、四球で後ろにつなげて千田の安打で満塁になって後ろにつなぐという意識がみんなにあったと思う。溜めれば溜めるほどチャンスは広がるのでそこから確実に一点がほしかった。だけどスコアリングポジションに進むランナーの数が多かったにも関わらず点が入らなかった回も多かったから、そこをいかに余裕を持って点数を取れるかを詰めていけばもっと打線は良くなると思う。詰めるところを詰めないと負けてしまうので今日を継続しつつしっかり要所で締めていきたい。小田は今日よく粘ってくれた。薄田も気楽に伸び伸びやってくれればいい。最優秀防御率のタイトルを取っているくらいの投手なので要所は抑えてくれると分かっている。このまま継続してくれれば粘り勝ちという危ないことをしなくても点を取って要所を抑えるっていう野球ができればいい。勝ち点は何が何でもほしいので確実にニタテで終われるのは次につながるので、次も勝って再来週の法政戦へ向けて一週間調整できるようにしたい」

投打に活躍を見せた薄田
投打に活躍を見せた薄田

薄田
「今日は普通でストライクを取ることを意識した。同点の場面で緊張はした。今年は自分の代なので去年までとは違う緊張感があった。ピッチングの調子はその日によって違うのでそのときに一番いいピッチングができればいいと思っている。八回の二塁打は真っすぐ。詰まってやばいと思った。もう少しきれいにライト線を抜いたイメージだったがめっちゃ詰まった。打てるときもあれば打てないときもあるので打ってくれと信じるしかない。久しぶりに勝ったので勝つ喜びを久しぶりに感じた。次からも点を取られないように頑張りたい」

小田
「点は取られたが、あれは許容範囲内で最低限の仕事はできたと思う。10連敗中だったので流れを切ること、勝つことだけを考えて投げていた。立ち上がりは悪くて自分の課題だが、初回で1点に抑えられたのでそこまで気にすることはなかったと思う。同点打は投手でも9番目の野手として打席に入っているのでなんとか食らいついて自分で点を取ってやろうという気持ちでその結果がタイムリーになったので良かった。打撃は得意ではないが好き。好きなので全く練習してないわけではなく、素振りやバッティングの練習は時々やっている。期待されていないなりに結果出してやろうといつも狙っている。今日の目標は勝つことだったので、自分の勝ち星はなくてもチームが勝ったのは大きい。打線も当たってなかったのが少しは活気づいてくれたと思うので明日以降もつながってくれればいい。次は序盤から楽に投げさせてもらえればうれしい。優勝を狙っているのでそのためには自分が完封すれば負けることはないのでそこを目標にしたい」

中村亮
「いきなり出ろといわれて何も準備できていなかったが、ランナーを刺す自信はあったので打者集中で投手に投げてもらって悪いなりに抑えられたので薄田さんも次につながる投球だったと思う。リードでは調子がいい球を生かすために悪い球を悪いなりに使うことを意識した。あらかじめスクイズいけるかと聞かれて決まっていたので直前まで構えるのを粘るということしか考えていなかったので変化球をうまく転がせて良かった。関東選手権で勝っていたが、リーグ戦の連敗を止まったのは酒井さんを筆頭にプライドを捨てた野球をやっていたので酒井さんを見習って全員でやっていけば大丈夫だと思う。明日以降も出れば足を使ってくるチームなので序盤で潰してミスのない試合をやっていけば大丈夫だと思う」