
(5)目標への第一歩 3季ぶりの六大学制覇へ/春季リーグ戦展望
競争意識
下級生の台頭が著しい。関東選手権で中大に敗れ4回戦で敗退したものの、昨季不調だった打線が1試合平均9点を奪う活躍を見せた。「八木(光亘内野手・農2=花巻東)と平島(嘉之外野手・営2=明大中野八王子)と斎藤(丞外野手・法2=日川)は良くなった」(酒井翔弥主将・法4=東北)。3人は関東選手権3試合全てでスタメン出場し、強力打線復活の火付け役となった。さらに投手では大澤が関東選手権の開幕投手を務め4回無安打の完璧な投球を披露。「新2年生がこの冬でみんな成長してきている」(酒井)と昨年実力を出し切れなかった2年生がついに本領を発揮した。
2年生だけではない。春季リーグ戦からは今年入部した千田京平内野手(農1=花巻東)、竹村律生内野手(営1=佐野日大)、池尾俊祐外野手(法1=岐阜城北)らルーキーのデビューに期待がかかる。「今年のスポ薦の3人はみんな実力が高い」と周りの選手からも評判は高い。特に千田は2月28日の中京大戦で早速スタメンデビューし、安打を打っている。「下級生がどんどん台頭してくるのはチームにとってもうれしい結果だし、これで上級生にも競争意識が生まれたいい環境で練習ができていると思う」と酒井。2年生とともにルーキーが1年次からチームの中心として支え続けた3、4年生を脅かす存在になれば、チーム力はさらに向上するはずだ。
ライバル
対戦校も黙ってない。昨年春秋連覇を達成した法大。4番橘が卒業したものの小野や藤口を中心とした打線は六大学屈指の実力を誇る。投手陣も末次、室木の先発二枚看板が控えており、今年も優勝する上で負けられない相手だ。開幕節で対戦する慶大も昨秋封じ込められた猪砂、竹原の両投手をはじめとした主力選手が残り、関東選手権でも初戦の早大戦で12得点を奪うなどチーム状態はよく、侮ることはできない。
「最大のライバルは自分たち」(酒井)。関東選手権では首都リーグの覇者・中大に実力差を感じたがそれ以上に「詰めの甘さが出ていた」。油断がなく自分たちの野球を貫けば負けることはない。そのチームとしての自信を実践できるかどうかが結果を左右する。「全日本優勝が俺たちの目標だから、ここでつまずくわけにはいかない」(酒井)。目標へ向けた第一歩が開幕する。
[常光純弘]
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