
(3)1番は譲らない 自己変革で核弾頭へ 八木光亘
(3)1番は譲らない 自己変革で核弾頭へ 八木光亘
身長164㎝と、決して大きくない体格。それでも八木光亘内野手(農2=花巻東)は名門・花巻東高で打の中心を担ってきた。昨秋からベンチ入りすると、今年の春季オープン戦で2本塁打、関東選手権では全試合安打と絶好調。長打に目覚めた小兵が今、スタメンの座をつかもうとしている。
打の改革
鋭い打球で外野の間を破っていく。今では長打の割合が多いが、高校時代は「出塁を求められることが多かった」と、チーム方針から待球し単打や内野安打でチャンスメークするのが主だった。打撃を大きく変えた背景には、思い切りのいい野球をする明大のスタイルがあった。高校時代とは真逆ともいえる野球に最初は戸惑ったが「攻撃の方はすごい合っている」と、秘めた長打力が引き出された。持ち味は大胆プレー。ミスを恐れず思い切りよくプレーできるのは、他の選手にない才能だ。ほとんど2ストライクまで待っていたという高校時代とは違い、今では好球必打。「実際に一番甘いのは初球なので」。打撃スタイルの改革が変身の裏付けとなっている。
“縄張り”死守に闘志を燃やす。高校1年秋から張っていた1番について「譲りたくない」と語気を強めた。比較的制約のなく、自分の色が出せる打順。それが八木の1番像だ。「2番とか9番だと無意識に気持ちが入っていかない」と冗談を飛ばすほど、並み大抵でないこだわり。その力をバットに乗せてプレーする。「意外性」を武器に掲げる彼にとって、自由に打てる1番は個性を発揮できる天職に違いない。昨年から胸の内にあった目標は首位打者。攻守でムラをなくすことで、ベストナインまで見えてくる。スタメン確約への道は用意されていない。恐れ知らずの19才が「みちのくのチャンスメーカー」から「明治の核弾頭」へ、我の道を切り開く。
[木村亮]
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