
(1) 今年に懸けるサウスポー 古村佑
もうメンタルが弱いとは言わせない。古村佑投手(情コミ3=明大中野八王子)はチームにとって貴重な左腕。しかし実戦では制球が定まらず四球を連発し、アピールするどころか本番の弱さという壁にぶち当たった。比較的層の厚い投手陣に3年目の今季は信頼回復の正念場となる。
マウンド
古村が硬式野球部ではなく準硬式野球部を選んだのはレギュラーへの強いこだわりにある。4年前の高校最後の試合。ベンチから古村が見るマウンドにいたのは篠原匠投手(政経3=明大中野八王子)だった。「ずっと2番手、3番手の存在」(古村)。チームの勝利には喜ぶ一方、自分が投げて勝ちたいという思いが募った。
試合に出るため「準」を選んだものの現実は甘くなかった。昨年5月の木村杯新人戦、古村は先発を任されたが結果は2回途中4失点(自責6)と振るわず。数少ないアピールチャンスのはずが、その後を任された同じサウスポー・小泉奎太投手(営2=佐野日大)に助けられる立場となった。「あの時は野球をするのが嫌になった」と古村。小学校5年から始まった野球人生の中で初めての経験だった。
すぐにこの悔しさをマウンドで晴らす気持ちに変わった。それは古村が野球のことが好きだからだ。これまでなかった筋力トレーニングにより体重は増加し球速はMAX131㌔ながらそれ以上の速さを感じさせる伸びを身に付けた。さらに新たな持ち球をつくるためセオリーにはない変化球を自分で編み出した。後は実戦感覚。本来ならば古村は三振を取れる投手なだけに実戦からしばらく遠ざかっているのは懸念材料となる。三振は古村が第一に目指す存在。「再びあの気持ちの良い三振を取りたい」。いつでもマウンドに上がる準備はできている。
[吉田周平]
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