(22)法大戦総括 六大学史に残る名打者

2015.10.27
 東京六大学の歴史に「131」の数字を刻んだ。慶大戦で右手有鈎骨(ゆうこうこつ)を骨折し、法大戦の出場は不可能に。慶大戦から記録を伸ばすことはできなかった。だが、連盟90年の歴史に燦然と輝く数字を残し、4年間のリーグ戦を終えた。

 まさかの結末だった。慶大2回戦の第4打席、三宮の球をファールした際に右手を痛めたその打席が、4年間のリーグ戦の最終打席となった。当初は法大戦には間に合うと言われていたが、判明した検査結果は右手有鈎骨骨折。法大戦出場はおろか、優勝した場合の明治神宮大会出場も出場が厳しいケガ。ここまでの野球人生で大きなケガのなかった髙山だが、大学野球最後のリーグ戦の終盤に離脱。記録への挑戦は幕を下ろした。

 優勝を目指した法大戦のベンチには髙山がいた。「自分のできることを精一杯やろう」と1、2回戦では試合に出られない中でもベンチからチームを鼓舞。3回戦では同時刻に右手手術が予定されていたためベンチを外れるも、ベンチには「1」のユニフォームが掛けられた。病院から心は共に戦ったが、球場到着時にチームは敗戦。自力優勝の消滅に言葉少なに球場を後にした。

 記録の重圧と戦いながらも、チームの主軸として活躍し続けた。今季の打率3割6分8厘、14安打、7得点はいずれもチームトップ。打率は現在リーグ4位の好成績だ。1年春の20安打に始まり、3年次で史上初の100安打達成、通算127安打のリーグ記録を4年秋の2カード目で更新。さらに通算二塁打数は、法大3回戦で新記録を打ち立てた菅野剛士外野手(法4=東海大相模)の28二塁打に肉薄する25二塁打。ベストナインは過去5度受賞しており、高田氏の持つ最多7度に次ぐ通算6度目の受賞も濃厚だ。髙山の成し遂げた快挙を挙げればきりがない。1年次から強烈なインパクトを残し続けた安打製造機の功績、伝説は長きにわたり語り継がれていくだろう。

[森光史]

試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 打率
髙山 各シーズン・通算成績
1年春 13 48 20 .417
1年秋 14 60 16 .267
2年春 14 54 13 .241
2年秋 12 44 13 .295
3年春 14 56 19 .339
3年秋 14 53 19 12 .358
4年春 12 51 17 .333
4年秋 38 14 .368
通算 102 404 131 25 45 18 37 .324
試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁 犠打 四死球 三振 打率
髙山 法大戦通算成績
18 80 28 10 13 .350

名前(対戦期間) 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 犠打 四死球 三振 打率
髙山 主な法大投手との対戦成績
石田(2012~2014) 10 27 10 .370
船本(2012~2013) .444
三嶋(2012) 10 .300
玉熊(2013~2015) .143