(21)チームメイトが語る 坂本誠志郎主将

2015.10.20
 髙山を認め、支えている。記録を刻み続ける髙山と同級生で野球ができていることに「すごく不思議な空間に一緒にいるなと思う」と語る坂本誠志郎主将(文4=履正社)。主将が見る髙山のすごさとは。異次元の数字を残す存在を語る。

 マスク越しに成長を感じ取っている。高校時代から髙山を良い選手だと認めていた坂本。1年次の練習で初めて、捕手として髙山を打席に迎えた衝撃を今でも忘れない。「傍から見て良いと思った打者でも、試合で捕手として見た場合にはそれほど良い打者に感じない場合が多い。ただ、髙山は捕手として見ても良い打者に感じた。いいなというギャップを感じたのは結構大きいインパクトではあった」。その後確実に成長を遂げていく髙山から「3年秋からは凡打の内容も良い。見え隠れしていたものが、隠れなくなった気がする」と、本物の才能開花を感じている。「集中しきれなかった選手だったが、いい意味で自分の世界に入って集中し、結果が出るようになった」とも技術面だけでなく、精神面の成長も見ている。

 何もかもがうらやましい。「自分もああやって野球をしたいな」と苦笑いの坂本。打撃面で苦しむ時に「自分はいろいろ練習をやっても全然ダメなのに、髙山はちょっとやればできる」とすぐに修正する能力を絶賛。少し打てない時期があってもあまり悩むそぶりのないことにも驚く。また考えて行動する坂本にとって、マイペースな髙山は「人間的には正反対」と言うが、一緒に寮の近くのラーメン屋に行き、試合で安打を打てるようにげんを担ぐ仲でもある。坂本が吹っ切れない時に髙山も一緒に行き、髙山が打てない時には坂本が誘い景気を付ける。ささいな食事が、髙山の記録の支えとなったのかもしれない。

 「髙山自身が一番分かっていると思うが、チームのために一本一本打つことを、主将として彼に求めたい」と127安打達成時に語っていた坂本。髙山も止まることなくその後も貴重な安打を打ち続けている。「打てる、打つんだというのを自分の中で抑えて、ゆったりどっしり構えている時は一番怖い。思ったまま打っている時はすごくいい感じ」。残りの1カード、気負うことなく自然体にどこまで数字を伸ばすのか。主将もその数字を楽しみにしている。

次回の特集は「安打記録総括」です。