まさかのリーグ戦4連敗 優勝の可能性消滅/東京六大学秋季リーグ戦

2015.10.05
まさかのリーグ戦4連敗 優勝の可能性消滅/東京六大学秋季リーグ戦
 リーグ戦4連敗を喫した。序盤、立大に先制を許すも先発篠原匠投手(政経2=明大中野八王子)が8回を3失点と試合をつくる。打線も5回に金子昂平捕手(営2=済美)の右翼線適時二塁打で2―2の同点にすると、勝ち越された直後の9回、代打野崎優内野手(情コミ3=明大中野八王子)が左前適時打で再び試合を振り出しに戻す。しかしその裏に登板した大澤真一郎投手(政経1=小山台)が打たれ3―4でサヨナラ負け。秋季リーグ3連覇の夢がついえた瞬間だった。

 二度追い付いたが最後まで攻めきれなかった。2点を追う5回2死一、三塁で回ってきた金子。一塁走者がスタートを切ると、打席の金子が放った打球はライナーで右翼線を突破する同点適時打となり、見事ベンチの期待に応えてみせた。その後勝ち越されたが9回2死二塁、一打同点のチャンスも後がない状況で代打に出た野崎。その初球だった。チームの願いをバットに乗せて放った打球は、詰まりながらも意地か執念か、左前へのポテンヒットとなり土壇場で同点に追い付いた。しかしこの3点のみで、同点から勝ち越しとは至らず。決めきれない打線が課題となった試合だった。

 与えてはいけないところで点を与えてしまった。先発篠原が3回に連打を許し2点を先制されてしまう。監督が試合前、選手にした声掛けは先制点を取ること。それを果たせず「反省しないといけない」と篠原。8回には1死三塁から久保田駿内野手(法2=広陵)が横っ跳びでボールをグラブに収めたが、誰もいない三塁に暴投した。その間に三塁走者に生還されてしまい「今日は自分の責任で負けた」(久保田)と自らを責めた。再度追い付いて迎えた9回裏、後を受けた大澤が二つの内野安打などで2死満塁とすると、甘くなったスライダーを左前に運ばれサヨナラ負け。打球の行方を見届けると、立大の歓喜の輪を背中にマウンドを去った。

 連敗の重みがチームにのしかかった。今試合もつながりを欠いた明大打線。得点圏に走者を置いた機会は実に6度。しかし好機をものにできたのは2度のみと、決定機で決めきれずに落とした痛い敗戦となった。清瀬杯から5連敗のチームについて「これが自分たちの今のレベル」と吉田由宇主将(法4=日本文理)。次節の明早戦は「意地のぶつかり合い」、そして「その意地を見せる」と千田晃二監督。優勝がなくなったとはいえ、残る2節は宿敵・早大、そして優勝した強敵・法大との対戦だ。明大がどのような戦いを見せるかに注目したい。「あとはどれだけ明治の意地を選手が見せられるか」(千田監督)。選手の意地が試される今リーグ、順位を気にせず残り試合全勝を目指す。

[木村亮]

試合後のコメント
千田監督

「(今日の試合)今のうちの実力。昨日もそうだが今日もやらなきゃいけないときにやりきれない。詰めがない。締めができない。そこのところがなんでかなというところ。うちが春にやっていた野球が、春は法政に負けはしたが、勝ち負けよりもあの時の雰囲気、野球に対する雰囲気から今離れてきていて、できていないので、その辺を一人一人よく考えて自分たちでできることを目いっぱいやりなさいということを昨日(選手たちに)言った。今日は先取点、中押し、ダメ押しというような流れにしたいから一人一人頑張ってやれと言った。やっぱり攻められると弱い。攻められるときに落ち着きがなくなる、バタバタする。それが課題。(打線)元気ない。(打線の入れ替えについて)下級生というか、新しい選手を入れたり代打で使ったりとか、流れを考えて、どういうことをやっていったらいいのかと考えてちょっと組み替えただけの話。1人の打順を入れ替えると、他も替わってくるわけ。(優勝がなくなった)後はどれだけ明治の意地を選手が見せられるか。それだけ。(これまでの成績を見て練習の変更は)今シーズンはしない。あと2週だし新しいことを取り入れようと思っても、実るよりもマイナスの方が大きくなるかなと。(早大戦への意気込み)明治と早稲田との意地のぶつかり合いぶつけ合いで、早稲田には負けないと。その意地を見せる」

吉田主将
「慶応に2タテされて立教にも2タテされて4連敗。でもこれが自分たちの今のレベルだと思う。エラーして負けたとか打てなくて負けたとかそれを含めて。やはりエラーも野球の一つだし単純に力がないだけなので力不足と感じただけ。夏、全国大会では全日本、清瀬もトーナメントがあるのでそれだと短期決戦でチームのモチベーションがものすごい高いところに自然と上がる。一つ一つ勝っていくことで自分たちも最後の大きい舞台で全国でやれるということで後輩たちも頑張ってくれていた。すごいいい状態ですることができたが、それが終わってからちょっと特に自分がモチベーションが上がらないというかリーグ戦戻った時に長期的に戦うことに1試合1試合照準をしっかり合わせてこれない状態にみんなあると思うので、その部分だけだと思うので力不足ってさっき言ったが気持ち的な準備の部分で足りてない部分があるかと思うので、まあ来週1週間しかないので取りあえずこの1週間もう一度引き締めていい準備すれば再来週の法政戦には臨めると思うのでこの1週間もう一回大事に取り組んでいこうと思う。立教さんに2タテされてチームは落ちているというか雰囲気悪かったが優勝するとかそういうところではなくてとにかく4連敗という状態なので残り全ての試合で勝つというふうに合わせていくしかない。しっかりと準備できればやっぱり戦えるし勝てる相手だと思うので最後あと全部勝つというだけ」

野崎
「先制されて途中で追いついたけど最終的に勝ち越せなかったという打撃の弱さが出て負けてしまった。清瀬杯は調子が良かったが、リーグ戦が再開してから振り切らずに当てるだけのバッティングで凡打というのが多かった。だから今日は思い切って振り切るということを決めていた。最近は代打が多い中で、どこで出るか分からないので気持ちを切らさずに準備はしている。(夏の練習は)外野に転向して打球に慣れていないところもあるが、バッティングだけは秋にいつもより結果を残せるようにするためにバット振ってきた。(残り2節は)今与えられた役回りでチームに貢献しないといけないと思うし、上級生になって自分のことだけではなくチームの勝利も考えて全力でバットを振るだけだと思う。自分は終盤のいいところで使ってくれる首脳陣の期待に応えられるようにしっかり準備してチームを勝利に結びつける重要なピースになっていきたい」

久保田
「9回も出て打ってないし、タイムリーエラーもして。どうだったというよりもいい点が一個もなかった。今日は自分の責任で負けた。昨日と今日、内野の中心としてやっていかないといけない自分たち二遊間がエラーしてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱい。何が悪いというのは個人個人で分かっていると思うので自分たちで意識を変えて練習していくしかない。(自分は)体が動いていないし切れていない。若干バットが振れていなくて真っすぐに押されているというのは自分でも思っていたのがこういう結果になったしまった。もうほぼ優勝はなくなってしまった。残り4年生とできる試合も少ないので一生懸命頑張って勝ち点を取りにいく」

篠原
「そんなに悪くなく、不運なヒットなど失点したことに関しては自分にも責任はあると思う。先制点を取る前に失点してしまったことは反省しないといけない。少しずつ長いイニングは投げられるようにはなっていると思う。野手にも助けてもらっているので自分も三振を取って野手を助けられるようにしたい。三振は狙って打たれてアウトとならそれでいい。三振を取れるときに取れるような投手になれればいい。勝ち星は春の東大戦からないが、チームが勝てばそれでいい。そう願っていて付いてくるのが勝ち星だと思う。去年は個人成績取れていたから勝ち星にもこだわっていたが、最近はそんなに勝ち星にこだわっていない。投げているうちに勝っているならばそれでいいし、打てないならば自分が0に抑えればいい。勝ちにこだわらず、バッターとの勝負を楽しんでいる。反省点は2点目変化球が浮いて打たれたのはいらなかった。春、早稲田戦で打たれたとかそういうイメージが何もないまま一戦一戦集中して戦うだけだと思う」

大澤
「今日は9回の同点っていう緊迫した場面で登板だったので、一人一人打ち取っていこうと思っていたのだが、結果的に点を取られたら負けなので、点を取られてしまったのはチームに申し訳ないと思っている。(打たれたのは)スライダー。初球だったのでボールでも良かったが、甘く入ってしまったのが反省点。(立大の小技や足を絡めた積極的な攻撃は)塁に出したらヒットだろうとフォアボールだろうと一緒なので、それは関係ないかなと思う。調子は悪くなかった。だが点を取られたら意味ないかなと思う。篠原さんの調子も良かったので、終盤からつくっていて、いつでも行くとは言われていたのでいつでも行けるような準備をしていた。(チームの雰囲気)いつもよりかは良かったと思う。(今後への意気込み)優勝はなくなってしまったが、やれることはあるので一つ一つしっかり自分のやれることをやっていきたい」