慶大に連敗 秋季リーグ連覇に黄色信号点灯/東京六大学秋季リーグ戦

2015.09.21
慶大に連敗 秋季リーグ連覇に黄色信号点灯/東京六大学秋季リーグ戦
 慶大との2回戦。今試合で勝利し、勝ち点奪取につなげたい明大の先発は篠原匠投手(政経2=明大中野八王子)。苦し紛れの投球で5回、6回にそれぞれ1点を許す。7回に多々野将太内野手(農2=花巻東)の2点本塁打で試合を振り出しに戻すも、2番手・大澤真一郎投手(政経1=小山台)が8回に勝ち越しを許し、3-2で試合終了。リーグ優勝から遠ざかる2連敗を喫した。

 粘投するもほころびが見えた。先発・篠原は初回を三者凡退でスタートするも、その後は粘る相手打線に苦しみ、毎回出塁を許す。それでも何とか無失点で切り抜け、互いに無得点の5回。走者を二塁に置きながら2死2ストライクまで追い込むものの、慶大の3番・渡邊に左前へ運ばれ、試合の均衡を破る先制点を許してしまう。その後6回にも追加点を献上し、6回2失点でマウンドを降りた。「自分のピッチングができていなかった」と篠原。走者を出してからの投球内容が「おろそか」と振り返り、反省点が垣間見えた登板となった。
 敗戦の中にも次につながる原動力になった。投手陣の踏ん張りに応えたい打線は、相手投手の好投によりなかなか反撃の機会に恵まれず、6回まで1安打と完璧に封じ込まれる。だが、7回に訪れた好機をとらえたのは多々野。2死一塁で打席へ入り「後ろにつなぐこと」だけを考えた。内寄りの真っすぐを振り抜くと、打球は放物線を描いて右翼スタンドに突き刺さる同点の2点本塁打に。自身の不調と重いチームの雰囲気を払拭させる、起死回生の一発を放った。「もう1個も落とせない」(多々野)。勝負に対するチームの危機感が高まる今、頼れる長距離砲がリーグ連覇のキーマンになることに期待が寄せられる。

 もう負けは許されない。秋季リーグ2連覇中の明大。今回の連敗で慶大に勝ち点を奪われ、3連覇達成に暗雲が立ち込めた。チームも3連敗という結果で9月を終えることになった。次回の試合は10月3日からの立大戦。明大にはそれまでの1週間をどのように利用し、10月の戦いに備えるかがカギとなる。「必死になってもう一回気を引き締めて」(吉田由宇主将・法4=日本文理)。優勝の可能性は完全に消えたわけではない。残された時間で鍛錬を積み重ね、秋季リーグの頂点は明大が守り続けてみせる。

[石渡小菜美]

試合後のコメント
吉田主将

「負けたというだけ。しっかりと準備はしてきたので、清瀬終わってからも一人一人、チームとしても準備はしてきたし、またリーグ戦に戻るということで、やることはやってきたので。その中でバッターは打てなかったが、相手のピッチャーが強かった。慶応が強かったというだけのこと。惜しいっていうよりは、誰が見ても慶応が押せ押せで、自分たちはもうぎりぎりのところで、何とか守って追い付いて。何とか食らい付いているっていう。食らい付けていたかどうかはわからないが、本当に慶応が押せ押せの試合だったので、そこでも力の差を感じた。完敗。今日というとちょっとわからないが、やはり秋になって自分が試合に出る回数が減っているというか。昨日はいなかったが、どうしても勝たなきゃいけない。昨日落とした時点でだいぶ優勝から遠ざかってしまって、今日落としたら『もう本当にないな』っていう気持ちで挑みはした。でも落ちているという雰囲気ではなかったと思う。『みんなで勝とう』っていう雰囲気の中で試合に臨めたとは思う。(次回の立大戦は)もう勝つしかない。負けられないので、ぬるいことは言ってられないので、しっかりと。毎度毎度しっかり準備はしているけれども、必死になってもう一回気を引き締めて、1週空くので準備していきたいと思う」

篠原
「序盤は良かったが、途中から自分のピッチングができていなかったので、相手に先制点を与えてしまって申し訳ない。ランナーが出てからのピッチングがコントロールとかを含めておろそかになってしまった。バントとかは気にならなかったけど、ポテンヒットとか不運なヒットが多かったけど、それらを含めて相手に流れを渡してはいけないと改めて思う試合だった。負けられないというプレッシャーは特になかったが、慶応に2タテされてベンチの雰囲気が悪い中、来年の春にやり返すとしか今は考えていない。次のことはまだ考えていない。立教戦1週空くので、チームとして作り直して雰囲気良く試合に臨めればいいと思う」

多々野
「昨日と同じで、均衡した流れで先制されて、やっぱり点の取られ方が良くなかったので、ずるずる流れが行ってしまったが、同点まで追い付いて、最後までこっちに流れが来なかったことがあった。7回の打席は昨日今日と全然打ててなかったので、後ろにつなぐだけを考えていた。打ったのは内寄りの真っすぐ。打った角度が良かったと思う。まだ残り3戦あるので、もう1個も落とせないので緊張感持って練習していきたい」

大澤
「タイムリーを打たれた場面はボール球でも良い場面でストレートがど真ん中に行ってしまい打たれたので、反省しないといけない。同点の場面でマウンドは特に意識していない。いつも通りのピッチングをするだけと考えればあまり緊張しない。ブルペンから調子は悪かった。だが、マウンドに上がれば関係ないので、悪いなりにも抑えられるようにしないといけない。清瀬のマウンドを経験したことは自分にとってもプラスになる。もうすべて勝つしかないので、その中で何ができるのかを自分で考えてチームに貢献していきたい」