(7)偉業達成に挑む 髙山俊インタビュー

2015.09.17
 東京六大学リーグ通算127安打。48年前に高田繁氏(昭43農卒)が打ち立て、幾多の名選手が超えることのできなかった記録を約半世紀の時を経た今年、髙山俊外野手(文4=日大三)が塗り替えようとしている。4年春までに積み重ねた安打数は117本で、新記録樹立まで残り11本。これまで1シーズン平均約17安打を放っており、通算127安打超えは射程圏内だ。「何でも1番になる」と志願した背番号『1』。そして見据える先はまさに、未知の領域。伝説を作る日は刻々と近づいている。記録更新に迫る髙山に、安打記録についてお話を伺った。(この取材は9月10日に行われたものです)

――記録更新まであと11本まで迫りましたが、実際に達成へ近づいてきている今の心境はいかがですか
 周りの人から、11本だったら簡単だねと言われる機会がすごく多くて。なんというかそれを聞いて逆に身が引き締まるというか。そんな簡単じゃないんだよなという思いがあるので、やはりすごく難しい数字に挑むんだなという気持ちが強くなっています。

――これまでで印象に残っている1本はありますか
 1年生の春の初戦、代打で初めての打席で1本目が出たんですけど、それはすごく覚えています。東大戦でした。

――安打記録を塗り替えることについてどのような思いでいらっしゃいますか
 毎シーズン毎シーズン、どんどん試合数が減っていって、後がなくなっていくという感じなので、やはりその中でその気持ちは強くなっていっていると感じています。達成できるという自信を持たなければいけないと思っていますし、越えなければいけないという強い思いはあります。

――入学当初、ここまで来れるとご自身では思っていらっしゃいましたか
 思っていなかったです。

――実際にいけるのかもしれないと思い始めたのはいつ頃ですか
 周りの人がそういう声を上げだしたのが始まりだったと思います。はっきりと時期は覚えていないですね。

――ここまで安打を積み重ねることができた理由は何だと思いますか
 監督に試合に出してもらい続けられたことだと思います。監督に恩返ししたいという気持ちは強いです。

――理想の打者像についてお聞かせください
 ツボに来ればホームランも打てて、ちょっと外されてもヒットにできて、それでいて塁に出た後も嫌だなと思われるようなバッターですね。やっぱりピッチャーにとって嫌がられるバッターになるのが理想です。

――今のご自身の打者としてのスタイルを一言で表すなら何でしょうか
 積極的なバッターだと思います。他のバッターを自分とかぶせてみることがあまりないので、誰と似たタイプということは思い浮かばないですが、自分はそういう感じですね。

――理想としている打者像と、現在のスタイルは近づいてきていると感じますか
 そういう形に近づきたいと思ってもう4年目というか、まあ野球をやってずっとその気持ちでいるので、近づいていないといけないと思いますし、少しずつ近づいてきているのではないかなと思います。

――理想と現状と比べて足りないと感じるのはどのような部分でしょうか
 バッティングの嫌らしさやしつこさといったことをもっと持った方がいいなと思います。簡単に終わるのではなくて、打ち取られる打席にしても、やっと終わったと思われるぐらいのバッターにということですね。神経を使うというか、そんな感じのバッターになりたいですね。

――安打記録のことも踏まえて、最後に今季の意気込みをお願いします。
 今まではヒットを打つためにということに貪欲になっていたんですけど、それでは勝てていないので。やはりチームが勝つために自分の打撃をして、その結果が自然と記録にもつながってくると思うので、そういう気持ちで臨みたいと思います。学生野球も最後なので、いい形で終われることが一番なので、いい結果で終えられるようにしたいです。

――ありがとうございました。

◆髙山俊 たかやましゅん 文4 日大三高出 181cm・86kg 外野手 右投左打