(6)日大三高の球友たち① 鈴木貴弘選手(立大)インタビュー

2015.09.15
 日大三高時代は副将を務め、髙山とともに全国制覇を成し遂げた鈴木貴弘選手(立大)。実力選手の集う日大三高を扇の要としてまとめ上げた。かつての球友も今は賜杯を争うライバル。明大戦では「どうあいつを抑えるのかが重要になってくる」と髙山との最後の対戦をにらむ。立大を率いる主将に、大記録へ挑む髙山についてのお話を伺った。(この取材は9月3日に行われたものです)

――鈴木選手から見て髙山選手はどんな人ですか
 変な言い方で言うと、すごく適当なんですけど、逆にあまり周りのこと考えないでのびのびやれている感じですね。自由にやっている印象です。主将という感じではないです。先日、自分と畔上(法大)と横尾(慶大)の3人でベースボール・マガジンのキャプテン対談があったんですけど、そこでも吉永(早大)と髙山はキャプテンになりそうじゃないという話になりました。吉永はピッチャーだしないなということになって、髙山もまあないなって話は3人でもしたので(笑)。キャプテンをやるというキャラクターではないですね。

――髙山選手への意識はどんなものがあるのでしょうか
 明治の主軸となるバッターなので、どうあいつを抑えるかというのが重要になってくると思います。髙山を打たせたら流れも相手にいっちゃうと思うので、本当にここで抑えたいというときに抑えれるかというのが勝負になってくると思います。

――高校時代の髙山選手はどんな人でしたか
 最初の方はちょっと真面目だなと思いましたね。でもだんだん少しずつ素が出てきて、適当だなと思いました。寮生活で自分たちは上下関係もないので自分たちで全部掃除も洗濯もやらなきゃいけないんです。そこで成長というか私生活でちゃんとするところはちゃんとするようになったかなとは思います。自由時間とかは自由気ままに遊んだり結構適当な感じでやっていましたね。練習もまじめにやってはいるんですけど結構楽な感じでやるタイプでした。ですがそのメリハリはしっかりついてるんじゃないかなと思いますね。

――今の髙山選手のすごいところは
 あいつはバッティングコントロールもいいしそれ以外にも足が速い点ですね。内野ゴロとかで打ち取ったと思った打球をヒットにされるのがバッテリー的には一番いやですし、それだったらクリーンヒットをポンと打たれた方が精神的にはこないですし、あいつが本当に本気で走ったときの一塁までのダッシュというのはすごく速いので、そこが一番いやですね。ヒットは100本も超えてるし見た目でバットコントロールがいいとか打撃がいいなんていうのは一目瞭然で分かるので、それ以外にも打ち取ったと思う打球をヒットにされるのが一番いやです。神宮だと打球も跳ねますし。アウトを取ったと思ったのが点数に絡んだりしたら本当にもったいないですし。

――捕手というポジションから見た髙山選手のすごいところはありますか
 あいつは結構ポイントが近いので、見逃すなと思ったときにいきなりバットが出てきてヒットにしたりするところがあります。簡単に甘い球とかでカウントも取れないし、その中で選球眼もいい。それでボール球、ボール球でカウント悪くしたら甘い球で打たれてしまうし、そこはすごくいやなところです。

――今季がラストシーズンで最後の対戦となります
 そこは髙山だけじゃないと思うんですけど、相手のどの大学にも僕の(高校時代の)同期がいるので、髙山、畔上、横尾あたりは自分としては意地でも抑えに行きたい打者3人なんで。やっぱりその中でも髙山は注目度も高いし安打数も多い中で本当にいいバッターだと思うので、そこは頑張って何をしてでも抑えにいきたいと思います。

――以前、髙山選手は大学で打撃がしぶとくなったとおっしゃっていましたが
 しぶとさはさっき言った3人のなかでは、畔上と横尾の2人よりはあると思います。低めの変化球などで打ち取ったという空振りするようなボールをファールにしたりとか、ヒットにしたりする場面もあるので、そういう意味では本当にいやらしいバッターだと思います。

――安打記録更新が近づいている髙山選手を見てどのように思いますか
 自分としては髙山には127本の記録は絶対に超してほしいと思っています。まあ立教戦以外の試合で超えてもらえればいいかなと思います(笑)。

――ありがとうございました

次回の特集は9月17日(木)「髙山俊インタビュー」です。

[原大輔]