(17)全日本直前インタビュー 佐藤駿

 国内最高峰の大会である全日本選手権(以下、全日本)がいよいよ12月21日に開幕する。日本の精鋭たちが集まる大舞台で最高の演技ができるように練習を積み重ねてきた選手たち。今シーズンの大一番であり国際大会への出場も懸かる大切な試合を前に、一人一人の思いを伺った。

 

(この取材は12月8日に行われたものです)

 

第3回は佐藤駿(政経2=埼玉栄)のインタビューです。

 

――年の瀬が近づき、街ではイルミネーションなどよく目にしますが、佐藤選手は今現在どのような心境で毎日練習していますか。

 「そうですね。世間的にはクリスマスでこの1年も終わるみたいな感じですけど、スケーターは僕に限らず全日本があるので、気持ち的には楽しみというわけではないのかなと思ってます。ワクワクはしていますが、楽しみよりかは緊張の方が今のところあります」

 

――寒くなると温かいものが飲みたくなりますよね。以前、スターバックスにはよく行くと伺いましたが、最近はいかがですか。

 「最近は、スターバックスは期間限定のピスタチオをやっていて、あれが結構おいしくて何回か行っています。今まではそんなにピスタチオは飲んだことはなかったのですが、スタバのはすごくおいしいです」

 

――コーヒーが好きというわけではなく、期間限定のメニューを楽しむという感じですか。

 「そうですね。ちょっと期間限定とかそういうのに弱いので。行っています」

 

――先日開催されたグランプリシリーズ(以下、GPシリーズ)ですが、思い出に残っていることはありますか。

 「アメリカは、駐車場が広かったので試合後に男子のみんなでサッカーしたりとか遊んだりとかして、フィンランドは、試合が終わった後にサウナに行ったんですけど、これがすごく思い出として残っています」

 

――海外の試合に行くときは日本のお菓子など持っていったりするのですか。

 「そうですね、持っていきますね。カステラをたくさん持っていっています。和菓子とか、そっち系が好きなので、もなかとか。海外のお菓子はそんなに好きじゃないので、お菓子を持っていくんだったら、日本のものを持っていきます」

 

――GPシリーズの演技を振り返って、目標としていた演技はできましたか。

 「そうですね。昨シーズンからSP(ショートプログラム)がかなり僕の中で課題として残っていましたが、アメリカ大会ではミスはあったんですけど、自分的に満足のいくような演技ができて、FS(フリースケーティング)は良くなかったですが、それでも、自分の中で成長を感じるような試合になりました」

 

――SPは満足のいく演技ができたとのことですが、ジャンプ構成などは関係があったりしますか。

 「SPはフリップで、FSはルッツという風に決めてやったおかげで集中力が分散されていい方向にいっているのかなと感じています。あとは第1ジャンプをトーループに変えたので、次のフリップにつながるようないい流れが作れているのかなとSPは感じています」

 

――GPシリーズ2戦の間に、初出場となる東日本選手権(以下、東日本)がありましたが、フィンランド大会での演技につながったことはありましたか。

 「東日本は緊張とかもなくて、すごく自分に集中できた試合だったので、SP、FSともにノーミスの演技ができたので、すごく自信につながりましたし、そのおかげで次のフィンランド大会では自分に自信を持って演技できたのかなと感じています」

 

――東日本では総合284.87点の高得点でしたが、今後目指していく点数に変化はありましたか。

 「そうですね。自分の中では昨シーズン含めてマックスが260点ぐらいだったのですが、それを大幅に更新する点数が出せて、自分の中では一つ自己ベストを更新するという目標を達成できたので、284点という自己ベストを今後さらに超えていけるように、290点、300点と目指していけるように頑張りたいと思っています」

 

――東京選手権から4回転ループを入れたいとおっしゃっていましたが、ジャンプ構成について悩んだことはありますか。

 「そうですね。ジャンプ構成はかなり悩みました。ループを入れてみたりとかサルコーをやってみたりとかしたんですけど、結局フリップで落ち着いてという形です。ループはあまり練習できていなかったので、今シーズン中に入れることは多分かなわないと思いますが、今後、ループもたくさん練習して、調子の良しあしでいろいろな4回転に変更できるように、ループの練習もこれから頑張っていこうと思っています」

 

――ミラノ冬季五輪が2年後にありますが、そこまでにジャンプをこうしていきたいという目標はありますか。

 「ジャンプにおいては、今は未定ですが、五輪に向けて全種類の4回転を練習して、本番というかプログラムに組み込んでいけたらいいのかなと思っています」

 

――振付師のギヨーム・シゼロンさんとは、シーズンが開幕した後にお話する機会はありましたか。

 「直接的なアドバイスというのはなかったですが、GPシリーズが終わった後とかに、ダイレクトメッセージとかで頑張ったねみたいな感じのメッセージをいただいたのがすごくうれしかったです」

 

――今シーズンは惜しくもGPファイナル進出とはなりませんでしたが、その結果を受けての率直な感想としてはいかがですか。

 「もちろん悔しさとかもあるんですけど、今まで表彰台で3位や2位で、自分の中で結構頑張ったなって満足している部分があったんですけど、今シーズンは3位とか2位でも満足しないというか、やっぱり優勝したいなという気持ちがさらに強くなってきているので、この気持ちの面での変化というのが今シーズンはすごく変わってきているのかな、いいところなのかなと感じています」

 

――昨シーズンは試合間隔が短かったですが、今シーズンは全日本まで少し期間が空きました。それについてはいかがですか。

 「昨シーズンは結構試合が連続していたんですけど、個人的にはそっちの方が集中が途切れずに試合に入れたので逆に僕としては良かったかなとは思っています。今シーズンは少し期間が空くということで、一度1週間ぐらいオフにしました。オフにして、それを戻しているという感じなので、いい方向にいくのかどうかはまだ分からないですが、しっかりと体を休めてケガなくこられているので、仕上がりとしてはすごくいいのかなと感じています」

 

――昨シーズンの全日本はどのような思い出のある大会でしたか。

 「正直、昨シーズンはそこまでできると思っていなかったので、結果としては4位でしたが、笑顔で終わることができた全日本だったので、そこはすごく良かったかなと感じています」

 

――今シーズンはどのような全日本にしていきたいですか。

 「今シーズンの全日本は昨シーズンよりも本当にレベルの高いものになると思うので、優真(鍵山・中京大)も仕上げて帰ってきているので、上位に食い込んでいけるようにというか、本当にトップを目指して、本当に観客の皆さんにいい演技を届けたいなと思っています」

 

――現在強力な男子選手がそろう中、トップを目指していくとなるとプレッシャーが大きいのではと想像していますが、それについてはいかがですか。

 「そうですね。プレッシャーとかももちろんないわけではないのですが、でもそのあたりはあまり考えずに、本当に気楽にというか本当にいつも通りの自分の姿を見せられたらいいのかなと感じています」

 

――シーズン後半に差しかかっていきますが、シーズン通しての体力的なところでは、今どのような状態ですか。

 「体力的には少しフィンランド大会が終わった後は疲れているかなという感じがあったのですが、今、徐々に徐々に体力も戻ってきているかなという感じなので、ここから今週末の関空アイスアリーナでの練習とあと来週の練習でしっかりと戻してたくさん曲かけをしていければいいのかなと思っています」

 

――オフを1週間設けて体調を整えていたとありましたが、その間は氷に乗りましたか。

 「ほとんど滑っていなかったです。金曜日の夜の練習とかはちょこちょこっと行ってという感じで、本当にその週は、感覚は忘れずにというぐらいで1時間半ぐらいしか滑っていなかったです」

 

――リフレッシュしようという期間でもあったのですか。

 「そうですね。いったん気持ちを切り替えてというか、気持ちをリセットして。ずっと集中しているのも良くないので、一度気持ちをリフレッシュさせていました」

 

――リフレッシュにはどのようなことをしましたか。

 「鎌倉に行きました。(鎌倉といえば食べ歩きですが何がおいしかったですか。)抹茶のたい焼きみたいなのがあってそれを最初に食べたんですけどおいしかったです。(やはり和食系がお好きなんですね。)そうですね。抹茶が大好きなので、その後も抹茶屋さんみたいなところに行って、それでまた抹茶のソフトクリームを食べました。(飲み物とかも抹茶好きですか。)大好きです。(抹茶のわらび餅とかも好きですか。)はい、大好きです」

 

――『日々この部分にはこだわりを持って生活しています』というポイントはありますか。

 「お風呂に入る時には絶対にバブを入れるようにしています。結構ファンの方からもらうことが多くて、疲労回復とかのものですごくたくさんあります。ファンの方々からのプレゼントで多分一番多いんじゃないですかね。プレゼントの中で半分ぐらいのレベルで多いです。山のようにあります」

 

――秋学期は特に勉学とスケートの両立はかなり大変だと思いますがいかがですか。

 「かなりまずいです。でもそんなうまくはいかないと分かっているので、自分のペースというか、親は『両立は難しいと思うから、自分の好きなように』と言ってくれたので、本当に自分のペースで勉強して、卒業はしたいなという風に思っているので、スケートをできる限りメインで考えて、大学も無理のない範囲で頑張っていこうと思っています」

 

――明大からは他にも4人が全日本に出場しますが、その選手たちに関してどのような印象を持っていますか。

 「みんなうまくて、見ていても本当に刺激をもらうというか、練習量とかも人一倍、同期の人はやっているので、全日本頑張ってほしいなという気持ちもありますし、これからも一緒に頑張っていけたらいいのかなと思っています」

 

――全日本では会場に佐藤選手のファンの方がたくさんいらっしゃると思います。ファンの方に向けてどのような演技をしたいですか。

 「全日本では、ファンの皆さんの心に響くような演技ができるように、最後まで全力で滑り切りたいと思っています。応援よろしくお願いします」

 

――最後に全日本の目標をお願いします。

 「全日本では、SP、FSともにノーミスの演技をして、自分の満足のいくような演技をしてトップを目指して頑張っていこうと思います」

 

――ありがとうございました。

[布袋和音]

(写真は本人提供)