
(67)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 伊藤耕太郎「一瞬を大切に楽しむ」
「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。
第25回目は伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)のインタビューをお送りします。(この取材は10月17日に行われたものです)。
――1、2年次を振り返るといかがですか。
「入部する前はやっていけるかという不安が一番大きかったです。入部してからラグビー面でいろいろなものを先輩から学んで吸収してできたと思いますし、生活でもたくさんの先輩と関われて楽しかったです。2年生からは試合に出させてもらえていたので、明治の10番としてのプレッシャーというものを一番感じて大変な1年でした」
――ポジション争いを振り返るといかがですか。
「常にスタメンで試合に出る保証もない状況の中で1年間やってきたので、メンタル的にもすごくしんどかったですけど、そこでメンタルもすごく鍛えられて、別にメンタル強くなかった方だったんですけど強い方になれたかなと思います。江藤良(令4文卒・現横浜キヤノンイーグルス)さんが部屋の先輩で夜一緒にスキルをしに行ったり、良さんが一緒にサポートしてくれたのは一番大きかったです」
――ゲームメイクは誰から学びましたか。
「ゲームメークのところは、コーチの宏明(伊藤・平10文卒)さんと雄也(廣瀬)と3人で何回も話したり、部屋の先輩の齊藤誉哉(令5文卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)さんに聞いてみたり、ラグビーIQが高い人にしっかり聞くことで試合中のゲームメークのミスというところを少しでも減らせていけてたかなと思います」
――現時点でこのラストシーズンを振り返るといかがですか。
「すごく充実していて、ラグビー面では毎回練習の質も高くできています。春は新しいことにチャレンジして、それをしっかり全員がコミットして成長できて非常にいい形でできているなと思います。私生活の面では、コロナで最初出かけられなかった分、いろいろな人とコミュニケーションをとるようにしています」
――明大ラグビー部に入部して良かったところを教えてください。
「この仲間に出会えたことです。今まで全国トップでやってきたことがなかったので、その中で練習して成長できたことは良かったと思います。あと、ファンの多さです。毎試合たくさんの人が見に来てくれるので感謝しかないです」
――一番印象に残る試合と悔しかった試合はありますか。
「全部印象に残っているんですけど、特に2年生の時の全国大学選手権(以下、選手権)決勝という舞台は人生で初めての経験だったので、負けちゃったんですけど、あの舞台に立てて良かったなと思います。負けた試合は全部悔しいですけど、去年の最後の選手権は負けた試合は出られていないですし、とても悔しかったです」
――4年生の中で一番出場時間が長いですが、安定したプレーを続けられる秘訣(ひけつ)はありますか。
「何をしているからケガが少ないとかはないですけど、ケガが少ないというのは僕の中ですごくついているなというか本当にありがたいことだなと思っています。あとは、安定したプレーをする意味では、考えすぎないのは意識しています。考えすぎちゃうと頭がパニックになって全然いいプレーができなくなっちゃうので、そこは考えすぎずにしています」
――試合中に見せる笑顔が素敵なのですが、試合に挑む上でモットーはありますか。
「笑顔でやろうとかはないですけど、試合なので緊張して顔が強張るよりかは楽しくやりたいなと思っています。僕が選手に笑ってあげると気持ちほぐれたりするかなみたいで、そういう時は意識的に笑ってあげてみたいなのはしています」
――寮生活での思い出はありますか。
「部屋が2年生の後期からずっと209で一番長いので印象に残っています。(今まで在籍した)どの部屋のメンバーも楽しかったんですが、特にサプライズが多かったのは良さん、誉也さん、安田(昂平・商3=御所実業)の時ですね。誉哉さんがサプライズが好きな方だったので、サプライズをいっぱいしたのが思い出ですし、楽しかったですね。誕生日のサプライズ、良さんの就職が決まった時にもサプライズをしました!」
――同期の中で特に仲良くしている方いらっしゃいますか。
「みんなと仲良くて、誰が嫌いとかない学年で、本当にこの学年で良かったなと思います。ご飯を一緒に食べると言ったら、西川賢哉(政経4=桐蔭学園)、律希(中山・政経4=天理)、古田空(商4=明大中野)が多いですけど、毎回その4人で食べているわけでもなくて他の人とも食べますし、ご飯以外だったら雄也とめちゃくちゃ話しますし、茜風(亀井・政経4=長崎北陽台)と雄太(森山・政経4=東福岡)とはスタバに行ったり、お話ししたり、公園行ったり、こう誰と仲良いとか、こいつがマジで親友みたいのがなくて、みんな親友です(笑)」
――コーチや学生スタッフの存在はいかがですか。
「高校の時は選手主体で練習を決めていたので、やっぱり考えが甘いというか、足りなかったなと思っていて、明治に来てからこんな考えてラグビーってやるんだ、ラグビーって面白いなと特に宏明さんから教えてもらいました。学生スタッフはもう本当にいてくれないと困る存在で、夜スキルをやる時、いつも文句を言わずに付いてきてくれますし、悩んでいること、コーチに聞きづらいこと、なんでも聞いてくれますし、今の学生スタッフだけではなくて、今までいてくれた学生スタッフの先輩たちにも感謝しています」
――お世話になった先輩や期待を寄せる後輩はいらっしゃいますか。
「良さんと誉哉さんには本当にお世話になっていて、あっちがどう思っているかは分からないですけど、僕は本当に助けられた人たちの2人なので、本当に感謝しています。期待を寄せる後輩は、部屋っ子(吉田爽真・情コミ3=国学院栃木、川村心馬・法2=函館ラサール、伊藤利江人・商1=報徳学園)全員と弟(伊藤龍之介・商1=国学院栃木)です!」
――4年間の学びを教えてください。
「プライドがいい意味で低くなりました。高校生の時は自分のプレーにプライドというのがあって、プレーに対してこうだよみたいに言われたら嫌でした。大学に入ってきてそれだけじゃうまくいかないと思って、すごいレベルの高い人たちからこうだよって教えてもらったことを素直に受け入れてやってみるようになりました。そこの受け入れるところの大切さを一番学んで、それがまた今の成長につながっていると思います」
――伊藤耕選手にとってのラグビーを教えてください。
「いっぱいありますけど、自分の人生を豊かにしてくれたものです。本当にいい大学に行けて、人生まで豊かにしてくれましたし、大学だけではなくて、中学、高校も本当にかけがえのない友達とのいろいろな出会いを作ってくれたものだと思います」
――改めて伊藤耕選手にとってスローガンである『ONE MEIJI』の意味はどのようなものですか。
「僕が試合出ている中、応援してくれる仲間、一緒に練習して切磋琢磨(せっさたくま)した選手たち、ライバル、ずっと教えてくれた監督やコーチ、そして家族の存在が大きくて、直接関わりはないですけど、ファンの方、サポートしてくれる大学の方もいて、その人たちがいないとこの明大ラグビー部は成り立たないので、いろいろな方の支えがあっての『ONE MEIJI』かなって思います」
――残りのシーズンへの意気込みをお願いします。
「悔いのないように頑張るんですけど、私生活の部分も本当にもう数えるくらいになってきたので、ご飯だったり、お風呂だったり、学生も終わっちゃうので本当に一瞬を大切に楽しめたらいいなと思います」
――ありがとうございました。
[井垣友希]
◆伊藤 耕太郎(いとう・こうたろう)商4、国学院栃木高、176センチ・86キロ
最近は亀井茜選手と森山選手でよくカフェに行く伊藤耕選手!カフェの雰囲気が好きで、2人と話すのが楽しいそう!「まだコーヒーは苦いんですけど(笑)、雄太(森山)が『ソイラテ美味しい』って教えてくれました!」
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