
(49)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜 坂下航亮「チームの中で与えられた役割をしっかりとやる」
「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。
第11回目は坂下航亮学生アナリスト(法4=本郷)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)。
――明大ラグビー部に入部した頃を振り返るといかがですか。
「入部した当初は、アナリストではなく学生コーチとして活動していました。高校時代までスクラムハーフをやっていたので『FWを見て』と澄憲(田中前監督・平10文卒)さんに言われて、当時の大学トップが多くいる中でましてや自分はFWをやったことがないですし、何をしていいのか正直分からなかったのはありました。毎日『うわー』ってなっていました(笑)」
――FWの知識をどのように蓄えていかれたのですか。
「当時は、まず明治のことを覚えるのに必死で、何かを見て研究する時間が取れなかったんですけど、シーズンオフの時に全試合のラインアウトを見返して研究した記憶があります」
――アナリストになられたきっかけを教えてください。
「元々ずっとアナリストをやりたくて、高校生の時に大学受験が終わってからとあるリーグワンのチームに行かせてもらったことがあって、その時にアナリストに興味を持ちました。監督が神鳥(裕之監督・平9営卒)さんに変わった時に話したことがあって『やってみないか』と言葉をいただいて、アナリストとしての活動が始まりました」
――アナリストとしての1年目を振り返るといかがですか。
「飯沼蓮(令4営卒・現浦安D-Rocks)さんの代で、対抗戦の早明戦で負けたのがめちゃくちゃ悔しくて、ある程度はこういうことをしてくる、こういうパターンで攻撃してくるみたいなのは分かっていたんですけど、それをたぶん伝えきれなかった自分もいて。でも、選手権の3回戦で早稲田とリマッチした時に、確か蓮さんと良(江藤・令4文卒・現横浜キヤノンイーグルス)さん、大石(康太・令4営卒)さんが僕のところに聞きに来てくれて『早稲田はこういうパターンですよ』というのを伝えて、実際グラウンド内で体現してくださって、勝てた時がうれしかった思い出が1年目の時にありますね」
――昨シーズンを振り返るといかがですか。
「もどかしい思いを抱えて終わったなという風に思っています。テクニカルな話になってしまいますが、対抗戦と選手権の戦い方が少し違って、選手権に対しての準備みたいなものにある程度自分の中で納得していた部分があったんですけど、その伝える難しさを感じたシーズンになりました」
――学生スタッフになり、やりがいを感じた部分を教えてください。
「僕個人で言えば、他大学のアナリストと結構やり取りする機会が多くて、人脈が広がったというか世界が広がったなと感じますね。ラグビー的な観点で言えば、明治にいる選手ってサッカーで言えばレアル・マドリードみたいな感じだと思うので、そういう選手たちと一緒に一つの目標を目指せるのはやってみて良かったなという風に思いますね。あと、試合が終わったふとした瞬間に、去年だったら吉平(石田・令5文卒・現横浜キヤノンイーグルス)さん、一昨年だったら蓮さんや大石さんに『ありがとう』『助かったよ』と言われた時に一番感動しますし、結果を出せなかった申し訳なさはあるんですけど、印象に残っています」
――他大学にはない明大の良さを教えてください。
「やはり一人一人の試合中の意識はすごいと思います。後半のタックルやボールキャリーした後の立ち上がりのスピードが他大学に負けないというか、そういうところを当たり前にできる選手が多いのかなと感じます。また、元々個人の能力がとても高い選手で何かしら優れた武器を持っていますし、その当たり前が最後勝負を分けると思うので、サボらずにできるというのは武器だと思います」
――同期の存在はいかがですか。
「僕の中では適度の距離感を持ってこのアナリストをやっているんですけど、試合が終わった後に4年生が集まって写真を撮っているじゃないですか。ビデオカメラからパソコンに映像を落とす時に、その選手たちの姿を上から見るのが好きで『改めて4年生多いな』って思ってうれしくなりますね。やっぱりこの学年が好きなんだなと頑張れる理由になれますね」
――特にお世話になった先輩はいらっしゃいますか。
「僕が1年生だった頃の4年生で主務をやられていた松下忠樹(令3営卒・現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ主務)さんです。本当にお世話になりっぱなしですね。実は幼稚園と小学校のラグビースクールが一緒で、自分のお父さんが教えていたのもきっかけで、小さい頃から生意気なことも言っていたらしいんですけど、明治に入学したのも知っていましたし、そういう意味ですごい影響を受けていました。今もクボタスピアーズのチームスタッフもやられてすごいなと思いますし、本当に尊敬する先輩の1人です」
――チーム内で尊敬する方はいらっしゃいますか。
「住吉一晟(文4=国学院久我山)と柳田治久(法4=明大中野)です。一晟も治久もすごく苦労してきたと僕が簡単に言っていいのか分かりませんが、治久に関しては入部した頃はセンターで今はフランカーに変わっていますし、一晟もケガが多い中でぶれずにずっとやり続けて紫紺のジャージを着ていて本当に尊敬しています。実は、この2人と光貴(松本・商4=明大中野八王子)と一緒のチームでプレーしたこともあって、同期の中でも少し思い入れが強くなってしまうのかなと思います」
――改めて坂下学生アナリストにとってスローガンである『ONE MEIJI』の意味はどのようなものですか。
「チームとしては『全員で一つになろう』と言っていて、明スポさん、OB会など関わる全ての方々が一つのチームとしてあります。僕個人的には何がチームのためにできるかを考えたときに対戦相手の映像を集める、自分たちの練習の映像を撮るなど自分がやらなきゃいけないことを続けることによって、チームの望む優勝に貢献できると思います。チームの中で与えられた役割をしっかりとやることが僕の『ONE MEIJI』です」
――残りのシーズンに向けて意気込みをお願いします。
「最後優勝トロフィーを見るために、自分だけではなくチームが一丸となって、最後の最後までレベルアップして、その次の100年につなげられる何かを残すことができたらいいなと思っています」
――ありがとうございました。
[井垣友希]
◆坂下 航亮(さかした・こうすけ)法4、本郷高
ラグビーをやっていた時代には、同期の選手の方々と対戦していたそう!「勇気(大越・営4=茗渓学園)は当時めっちゃ追っかけていた存在で、嶺二郎(山本・法4=京都成章)にはラインアウトで勝てなかった印象があります(笑)」
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