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(5)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 三浦稜介×石川涼

アイスホッケー 2023.07.02

 アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、駒大苫小牧高でチームメイトであった三浦稜介選手(政経4=駒大苫小牧)と、中大の石川涼選手にご参加いただき、今大会への思いを伺った。

 

――今回の対談に対する率直な感想をお願します。

三浦:海外勢とか、日本を代表するトップクラスの選手が集まっているのに、自分たちでいいのかなというふうには思いました。

石川:他大学の新聞部の取材というのもなかなかない経験なので、すごく貴重な経験になるのと、こういう高校の同期との対談っていう感じもなかなかないので、すごく楽しい、いい機会になるんじゃないかないうふうに思いました。

 

――お二人は普段から連絡を取り合うなど、試合以外での交流はありますか。

三浦:基本的に仲悪いでないです(笑)。っていうのは嘘で、一緒に買い物行ったりとか。南大沢のところにアウトレットあるじゃないですか。自分がベッドで寝ていたら、電話がかってきて今何してるって。

石川:いやそれ逆ですね(笑)。三浦からしょっちゅう急に電話がかってきます。

 

――お二人は駒大苫小牧高出身ですが、高校以外で一緒にプレーをする機会はありましか。

石川:小学生の時に5,6年で一緒のチームになって、中学でも選抜で同じになったくらいですかね。

三浦:小学校はいろいろ合同チームになったりするので、毎年組み合わせの学校が変わったりして、たまたま5,6年で一緒になったという感じでした

 

――一緒にプレーをしていた時のそれぞれの印象を教えていただけますか。

三浦:眼鏡をかけていた印象しかないです(笑)。印象はそんな言葉が出てこないですけど、ただただうまいっていうそれしかないですね。あとは家も近いので遊びに行ったりゲームをやったり、ホッケー以外の交流も多いとは言わないですけど、多少はありました。

石川:最初の印象は眉毛が濃かったことですかね(笑)。まあでも、5年生の時に最初に一緒になって、その学年で1番目、2番目を争うくらい上手かった選手でした。しかも、家にホッケーのゴールがあったりして、そういう練習とかも熱心にやっていた印象です。

三浦:使ったことあるか分かんないけどね。

 

――今の石川選手への印象で何か変わったことはありますか。

三浦:お互い代表とかいろいろ経験していく中で、さらにレベルアップをしていて、眼鏡をけていた時期から考えると、すごいキーパーになったなっていうのは思います。

 

――大学での試合では石川選手から点数を取ることはありましたか。

三浦:大学に入ってからしょっちゅうあるので。

石川:たまたまです。たまたま多いだけです。

三浦:やっぱり僕も同期と対戦して点数入れることは、自分的にもうれしいものがあるので、そういう時はゴール前に行ってニヤってしたりは、ルーティンとして行うようにしています。

 

――今の三浦選手への印象で何か変わったことはありますか。

石川:高校はずっと味方だったので、対戦相手になった時に改めて三浦選手の強みを感じることはあります。あとは三浦選手が同期からゴールを決めるっていうことを言っていましたけど、逆にシュートを止めるっていうのも試合中は意識しています。まあでも、三浦選手は敵になったら厄介だなっていう印象がありますね。

 

――石川選手から見た三浦さんの強みはどのようなことがありますか。

石川:プレーが粘り強いのですぐにパックを取られないですし、シュート力も持ち味だと思うので、ゴールに向かって来て積極的に打ってくるのが敵としては厄介だなという風に感じます。

 

――お二人が駒大苫小牧高で印象に残っていることはありますか。

三浦:ありすぎるので、ちょっと時間ください。でも陸トレですかね。もう一回やりたいか言われたら別にやりたくないですけど、その陸トレが今にすごいきているのかないうのは正直感じるので、また1日とか1週間とか戻れるなら、また昔の仲間と一緒にやりたいなっていうのがあります。

石川:とにかくよくあんなきついことをやっていたなっていうのは卒業後に改めて感じています。もちろん監督の指導の、厳しかったというのはあって日本一という目標のためにやっているという一貫性があったので。高校時代はそういうことは考えられなかったんですけど、卒業してちょっと余裕ができた時にふと、きつい中にもちゃんと理由があったんだなっていう風に思います。

 

――それぞれの大学への印象があればお願いします。

石川:明治はよく言われると思うんですけど、チャラいです。試合中の雰囲気とかも、ちょっとなんかヘラヘラしているじゃないですけど、ところどころにそういう感じはあって。でもそれが大学の特有の感じっていうかそれもあるんですけど、それプラスで一人一人すごいスキルがある選手ばっかりっていう感じです。思いもよらないパスとか、独特の崩し方をしてくるのでキーパーとしてはすごく守りにくいし、一人一人がすごくうまい選手の集まりだなっていう風に感じています。

三浦:率直に言えば頭のいいチームだなと感じています。明治は一人一人の個々のスキル

を全面に出して戦うっていうのを売りにしていて、中央はもちろんスキルが高い選手もいっぱいいるんですけど、得点力がないような選手とかもうまく周りがサポートしてあげてその選手も活躍できるような組織づくりが中央はうまいなと思っています。東洋とか明治とか法政とか早稲田とかにはない頭の良さっていうのが突き出ているとは思います。

 

――今回の大会に出てほしいというのはどのように伝えられましたか。

三浦:もともと運営の安田桂太朗さん(Connecticut College)と食事に行く機会あったんですけど、そこでこういう大会を開催しようと思っているから協力してほしいみたいな感じのことを言われて。よく考えられていたし、ホッケーを盛り上げたいっていう熱い思いを感じて、面白そうだったので出てみようかなと。

石川:僕も三浦と一緒で、運営の安田さんとは小学校の時に同じチームで元々知り合いだったんですけど、LINEのほうで連絡が来ました。安田さんは名古屋出身なんですけど、中央に名古屋出身の後輩がいて、その子つながりで連絡が来て、こういう企画があるっていうのを知って、今までにないような企画でたくさん人が入るような手の込んだ企画だし、すごく貴重な経験になりそうで楽しそうだなというふうに思ったので、今回参加することにしました。

 

――日本の今のアイスホッケー界についてはどのような印象がありますか。

三浦:最近というか、ずっと男子はオリンピックに行けないし、人気がなくて野球とかサッカーに比べて全然劣るスポーツで。でも、本場でアイスホッケーを見たら一番面白いスポーツだなという風には思うので、ちょっと日本で流行っていないのがもったいないと思いつつも、海外とのレベルの違いっていうのもすごいありますし、そこは日本のホッケー界がどうこうというよりは、下の世代の自分たちがもっと押し上げていかないとホッケー界は変わっていかないと思うので今回のイベントを盛り上げたいな、というふうに思います。

石川:もちろん三浦が言っていたように、海外との差はすごくあったんですけど徐々に海外のプロリーグとかレベルの高いところでプレーするような日本人選手が増えてきているので、それは日本のアイスホッケー界にとっていいニュースだと思っています。そういうところをうまく活用して、アイスホッケーが日本でマイナーなのは本当にもったいないことだと思うので、日本にアイスホッケーを広めていってほしいとは思いますね。

 

――今回の企画では試合での演出にこだわっていると伺いました。お二人がこれまで見た中で印象的な演出はありますか。

三浦:あんまり海外の演出とかは見ないのでこれといったものがないんですけど、ユニバーシアードは試合前の練習から演出があって、音楽のボリュームというのもいつもの東伏見の試合前の2倍3倍くらいあって、それだけでも観客も選手も盛り上がっていたので印象に残っています。

石川:僕は好きな試合前の演出があって、NHLという北米の世界最高峰のホッケーリーグがあるんですけど、ベガスゴールデンナイツの試合前の演出がすごく個人的にかっこいいと思ってそれが一番好きです。国内でいうと横浜GRITSの演出が一番、熱いのではないかなと。三浦も言っていた音響がすごくて、爆音でリンクに響いていて実際にに行ったことがあるんですけど、臨場感があってより選手がかっこよく見える感じがしました。

 

――観客が多くいる中での試合はいかがですか。

三浦:ぶっちゃけ緊張はしますね。今回は海外勢がメインだとは思うんですけど、自分たちの試合を見に来てくれている人がいるっていう誇りをもって臨むので、緊張よりその気持ちが勝っているかなと感じます。

石川:僕も緊張はしますけど、それよりわくわくする感じのほうが強いです。観客が多い試合というのは雰囲気が全然違ってくるので、その中で試合ができると思うとわくわくしています。人がたくさん入っていると、見る側もプレーする選手たちも普段とは違う雰囲気を感じることができるので、ホッケーをやっていて楽しいですし、観客が多いと楽しいです。

 

――同じチームで一緒にプレーをするのが楽しみな選手はいますか。

三浦:中央の角丸選手です。プレーが一目見てうまいなと思ったのもそうですし、これまで知らない選手だったのでいつか一緒にやりたいなと感じていたのでうれしいです。

石川:僕は三浦くんです。高校の同期なのでまた一緒にプレーできるのはうれしいですし、他に挙げるとすれば井口藍仁選手(商2=埼玉栄)ですかね。何度も対戦はしていて、とても厄介な選手なので味方にいたらと思うと楽しみです。

 

――相手チームで対戦が楽しみな選手はいますか。

三浦:榛澤力(Sacred Heart University)と佐藤優(Torpedo Nizhny Novgorod)ですかね。優は1度、同じチームでプレーしたことがあるんですけど、その2人は本当にレベルが違うので楽しみっていうより怖いとか緊張するなっていう気持ちの方が強いかもしれないです。

石川:僕も同じ2人です。2人ともレベルが高いところでやっていて、佐藤選手はKHLっていうロシアのプロリーグでしっかり活躍しているし、そのようなレベルで通用する選手のシュートを受けるのは楽しみです、不安も少しありますけど、このような経験はなかなかできないので楽しみです。

 

――海外チームの方とは普段、交流はありますか。

三浦:それこそ力とは去年、日本に帰ってきた時に一緒に練習して今後どうするのかとか話したり、あとはレイ(村上選手・Lone Star Brahmas)とはDMで話したりするくらいですかね。

石川:直接連絡を取るとかはないですけど、安藤優作選手(New Mexico Ice Wolves)とか村上レイ選手とかは同じ苫小牧出身で対戦したり、同じところで練習したりしていたので。あとは力も1度同じチームになったことがあったので、会ったら軽く話すかなっていう感じです。

三浦:あの一ついいですか。今、石川が出身を苫小牧と言っていたんですけど、石川の出身は鵡川町っていうところなので苫小牧と一緒にはしないでほしいです(笑)。

石川:別にいいでしょ、そこは(笑)。

 

――どのような試合展開になると予想していますか。

三浦:何とか頑張ってスター選手たちに負けないように。もちろんスピードとかもいつも大学リーグでやっているよりはるかに速いと思うので1P、2Pは頑張って耐えて、3Pで勝負していきたいなと考えています。

石川:僕も守る時間が多くなるのかなと考えています。でもそのようなスキルの高い選手たちの攻撃を受けることもいい経験になりますし、守り抜くことができれば試合が盛り上がると思いますし、さらにこっちが勝てれば展開としては面白いのかなと思うので海外組の引き立て役にならないように勝ちたいと思います。

 

――試合への意気込みをお願いします。

三浦:めったにこのような機会はないと思うので、楽しむところは楽しんで、でも勝ちにこだわらないといけないと思うので、いい準備をして試合に臨みたいなと思います。

石川:初めて東京でこのような試合をするイベントなので楽しみなので、いいパフォーマンスをして盛り上げて、見に来てくれた人にアイスホッケーを好きになってもらって、これをきっかけに徐々にアイスホッケーが人気になってほしいなと思っています。

 

――ありがとうございました。

 

[聞き手・杉田凜、倉田泰]


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