

(5)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 三浦稜介×石川涼
アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、駒大苫小牧高でチームメイトであった三浦稜介選手(政経4=駒大苫小牧)と、中大の石川涼選手にご参加いただき、今大会への思いを伺った。
――今回の対談に対する率直な感想をお願します。
三浦:海外勢とか、日本を代表するトップクラスの選手が集まっているのに、自分たちでいいのかなというふうには思いました。
石川:他大学の新聞部の取材というのもなかなかない経験なので、すごく貴重な経験になるのと、こういう高校の同期との対談っていう感じもなかなかないので、すごく楽しい、いい機会になるんじゃないかなというふうに思いました。
――お二人は普段から連絡を取り合うなど、試合以外での交流はありますか。
三浦:基本的に仲悪いのでないです(笑)。っていうのは嘘で、一緒に買い物に行ったりとか。南大沢のところにアウトレットあるじゃないですか。自分がベッドで寝ていたら、電話がかかってきて今何してるって。
石川:いやそれ逆ですね(笑)。三浦からしょっちゅう急に電話がかかってきます。
――お二人は駒大苫小牧高出身ですが、高校以外で一緒にプレーをする機会はありましか。
石川:小学生の時に5,6年で一緒のチームになって、中学でも選抜で同じになったくらいですかね。
三浦:小学校はいろいろ合同チームになったりするので、毎年組み合わせの学校が変わったりして、たまたま5,6年で一緒になったという感じでした
――一緒にプレーをしていた時のそれぞれの印象を教えていただけますか。
三浦:眼鏡をかけていた印象しかないです(笑)。印象はそんな言葉が出てこないですけど、ただただうまいっていうそれしかないですね。あとは家も近いので遊びに行ったりゲームをやったり、ホッケー以外の交流も多いとは言わないですけど、多少はありました。
石川:最初の印象は眉毛が濃かったことですかね(笑)。まあでも、5年生の時に最初に一緒になって、その学年で1番目、2番目を争うくらい上手かった選手でした。しかも、家にホッケーのゴールがあったりして、そういう練習とかも熱心にやっていた印象です。
三浦:使ったことあるか分かんないけどね。
――今の石川選手への印象で何か変わったことはありますか。
三浦:お互い代表とかいろいろ経験していく中で、さらにレベルアップをしていて、眼鏡をかけていた時期から考えると、すごいキーパーになったなっていうのは思います。
――大学での試合では石川選手から点数を取ることはありましたか。
三浦:大学に入ってからしょっちゅうあるので。
石川:たまたまです。たまたま多いだけです。
三浦:やっぱり僕も同期と対戦して点数入れることは、自分的にもうれしいものがあるので、そういう時はゴール前に行ってニヤってしたりは、ルーティンとして行うようにしています。
――今の三浦選手への印象で何か変わったことはありますか。
石川:高校はずっと味方だったので、対戦相手になった時に改めて三浦選手の強みを感じることはあります。あとは三浦選手が同期からゴールを決めるっていうことを言っていましたけど、逆にシュートを止めるっていうのも試合中は意識しています。まあでも、三浦選手は敵になったら厄介だなっていう印象がありますね。
――石川選手から見た三浦さんの強みはどのようなことがありますか。
石川:プレーが粘り強いのですぐにパックを取られないですし、シュート力も持ち味だと思うので、ゴールに向かって来て積極的に打ってくるのが敵としては厄介だなという風に感じます。
――お二人が駒大苫小牧高で印象に残っていることはありますか。
三浦:ありすぎるので、ちょっと時間ください。でも陸トレですかね。もう一回やりたいかと言われたら別にやりたくないですけど、その陸トレが今にすごい生きているのかなというのは正直感じるので、また1日とか1週間とか戻れるなら、また昔の仲間と一緒にやりたいなっていうのがあります。
石川:とにかくよくあんなきついことをやっていたなっていうのは卒業後に改めて感じています。もちろん監督の指導の下、厳しかったというのはあって日本一という目標のためにやっているという一貫性があったので。高校時代はそういうことは考えられなかったんですけど、卒業してちょっと余裕ができた時にふと、きつい中にもちゃんと理由があったんだなっていう風に思います。
――それぞれの大学への印象があればお願いします。
石川:明治はよく言われると思うんですけど、チャラいです。試合中の雰囲気とかも、ちょっとなんかヘラヘラしているじゃないですけど、ところどころにそういう感じはあって。でもそれが大学の特有の感じっていうかそれもあるんですけど、それプラスで一人一人すごいスキルがある選手ばっかりっていう感じです。思いもよらないパスとか、独特の崩し方をしてくるのでキーパーとしてはすごく守りにくいし、一人一人がすごくうまい選手の集まりだなっていう風に感じています。
三浦:率直に言えば頭のいいチームだなと感じています。明治は一人一人の個々のスキル
を全面に出して戦うっていうのを売りにしていて、中央はもちろんスキルが高い選手もいっぱいいるんですけど、得点力がないような選手とかもうまく周りがサポートしてあげてその選手も活躍できるような組織づくりが中央はうまいなと思っています。東洋とか明治とか法政とか早稲田とかにはない頭の良さっていうのが突き出ているとは思います。
――今回の大会に出てほしいというのはどのように伝えられましたか。
三浦:もともと運営の安田桂太朗さん(Connecticut College)と食事に行く機会があったんですけど、そこでこういう大会を開催しようと思っているから協力してほしいみたいな感じのことを言われて。よく考えられていたし、ホッケーを盛り上げたいっていう熱い思いを感じて、面白そうだったので出てみようかなと。
石川:僕も三浦と一緒で、運営の安田さんとは小学校の時に同じチームで元々知り合いだったんですけど、LINEのほうで連絡が来ました。安田さんは名古屋出身なんですけど、中央に名古屋出身の後輩がいて、その子つながりで連絡が来て、こういう企画があるっていうのを知って、今までにないような企画でたくさん人が入るような手の込んだ企画だし、すごく貴重な経験になりそうで楽しそうだなというふうに思ったので、今回参加することにしました。
――日本の今のアイスホッケー界についてはどのような印象がありますか。
三浦:最近というか、ずっと男子はオリンピックに行けないし、人気がなくて野球とかサッカーに比べて全然劣るスポーツで。でも、本場でアイスホッケーを見たら一番面白いスポーツだなという風には思うので、ちょっと日本で流行っていないのがもったいないと思いつつも、海外とのレベルの違いっていうのもすごいありますし、そこは日本のホッケー界がどうこうというよりは、下の世代の自分たちがもっと押し上げていかないとホッケー界は変わっていかないと思うので今回のイベントを盛り上げたいな、というふうに思います。
石川:もちろん三浦が言っていたように、海外との差はすごくあったんですけど徐々に海外のプロリーグとかレベルの高いところでプレーするような日本人選手が増えてきているので、それは日本のアイスホッケー界にとっていいニュースだと思っています。そういうところをうまく活用して、アイスホッケーが日本でマイナーなのは本当にもったいないことだと思うので、日本にアイスホッケーを広めていってほしいとは思いますね。
――今回の企画では試合での演出にこだわっていると伺いました。お二人がこれまで見た中で印象的な演出はありますか。
三浦:あんまり海外の演出とかは見ないのでこれといったものがないんですけど、ユニバーシアードは試合前の練習から演出があって、音楽のボリュームというのもいつもの東伏見の試合前の2倍3倍くらいあって、それだけでも観客も選手も盛り上がっていたので印象に残っています。
石川:僕は好きな試合前の演出があって、NHLという北米の世界最高峰のホッケーリーグがあるんですけど、ベガスゴールデンナイツの試合前の演出がすごく個人的にかっこいいと思ってそれが一番好きです。国内でいうと横浜GRITSの演出が一番、熱いのではないかなと。三浦も言っていた音響がすごくて、爆音でリンクに響いていて実際に観に行ったことがあるんですけど、臨場感があってより選手がかっこよく見える感じがしました。
――観客が多くいる中での試合はいかがですか。
三浦:ぶっちゃけ緊張はしますね。今回は海外勢がメインだとは思うんですけど、自分たちの試合を見に来てくれている人がいるっていう誇りをもって臨むので、緊張よりその気持ちが勝っているかなと感じます。
石川:僕も緊張はしますけど、それよりわくわくする感じのほうが強いです。観客が多い試合というのは雰囲気が全然違ってくるので、その中で試合ができると思うとわくわくしています。人がたくさん入っていると、見る側もプレーする選手たちも普段とは違う雰囲気を感じることができるので、ホッケーをやっていて楽しいですし、観客が多いと楽しいです。
――同じチームで一緒にプレーをするのが楽しみな選手はいますか。
三浦:中央の角丸選手です。プレーが一目見てうまいなと思ったのもそうですし、これまで知らない選手だったのでいつか一緒にやりたいなと感じていたのでうれしいです。
石川:僕は三浦くんです。高校の同期なのでまた一緒にプレーできるのはうれしいですし、他に挙げるとすれば井口藍仁選手(商2=埼玉栄)ですかね。何度も対戦はしていて、とても厄介な選手なので味方にいたらと思うと楽しみです。
――相手チームで対戦が楽しみな選手はいますか。
三浦:榛澤力(Sacred Heart University)と佐藤優(Torpedo Nizhny Novgorod)ですかね。優は1度、同じチームでプレーしたことがあるんですけど、その2人は本当にレベルが違うので楽しみっていうより怖いとか緊張するなっていう気持ちの方が強いかもしれないです。
石川:僕も同じ2人です。2人ともレベルが高いところでやっていて、佐藤選手はKHLっていうロシアのプロリーグでしっかり活躍しているし、そのようなレベルで通用する選手のシュートを受けるのは楽しみです、不安も少しありますけど、このような経験はなかなかできないので楽しみです。
――海外チームの方とは普段、交流はありますか。
三浦:それこそ力とは去年、日本に帰ってきた時に一緒に練習して今後どうするのかとか話したり、あとはレイ(村上選手・Lone Star Brahmas)とはDMで話したりするくらいですかね。
石川:直接連絡を取るとかはないですけど、安藤優作選手(New Mexico Ice Wolves)とか村上レイ選手とかは同じ苫小牧出身で対戦したり、同じところで練習したりしていたので。あとは力も1度同じチームになったことがあったので、会ったら軽く話すかなっていう感じです。
三浦:あの一ついいですか。今、石川が出身を苫小牧と言っていたんですけど、石川の出身は鵡川町っていうところなので苫小牧と一緒にはしないでほしいです(笑)。
石川:別にいいでしょ、そこは(笑)。
――どのような試合展開になると予想していますか。
三浦:何とか頑張ってスター選手たちに負けないように。もちろんスピードとかもいつも大学リーグでやっているよりはるかに速いと思うので1P、2Pは頑張って耐えて、3Pで勝負していきたいなと考えています。
石川:僕も守る時間が多くなるのかなと考えています。でもそのようなスキルの高い選手たちの攻撃を受けることもいい経験になりますし、守り抜くことができれば試合が盛り上がると思いますし、さらにこっちが勝てれば展開としては面白いのかなと思うので海外組の引き立て役にならないように勝ちたいと思います。
――試合への意気込みをお願いします。
三浦:めったにこのような機会はないと思うので、楽しむところは楽しんで、でも勝ちにこだわらないといけないと思うので、いい準備をして試合に臨みたいなと思います。
石川:初めて東京でこのような試合をするイベントなので楽しみなので、いいパフォーマンスをして盛り上げて、見に来てくれた人にアイスホッケーを好きになってもらって、これをきっかけに徐々にアイスホッケーが人気になってほしいなと思っています。
――ありがとうございました。
[聞き手・杉田凜、倉田泰]
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(10)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 主催者・安田桂太朗さん
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間をつくり上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第5回は、主催者の安田桂太朗さん(Connecticut College)のインタビューです。(この取材は7月4日に行われたものです) ――まずは無事に終わって数日経った今の心境をお聞かせください。 「まずは何も大きなトラブルなく、選手のケガもなく終えることができたのは、いろいろな方の協力があってのことなんですけど、そこが一番ほっとしています。心境としては、当日1200人くらい来ていたんですけど、あれだけのお客さんが来てくれたことに達成感がありますし、試合が終わった後にインスタやツイッターでの反響がすごくて、そういうのを見てやって良かったなと感じています」 ――愛知ではチケットが残り2日くらいで多く売れたとおっしゃっていました。今回のチケットの売れ行きはいかがでしたか。 「全席自由席で値段が一緒ということもあって、早く買おうっていう選択は多くないだろうと、名古屋の時と同じで最後の1週間が勝負になるだろうなと考えていました。その中でも最後の2日間は、300枚くらい売れたんじゃないかな。正確な数字は分からないですけど、そのくらい売れてそれだけ多くの方に買っていただけたのはうれしいですし、選手も残り数日でプッシュしてくれたので感謝しています」 ――クラウドファンディングも成功していましたが、実施しようと考えた経緯をお聞かせください。 「クラウドファンディングは今回初の試みで、名古屋の時は地元で知り合いの方からスポンサー企業の獲得はできていたんですけど、東京はそのような方がいませんでした。企業の方にコンタクトを取っても東京での実績がないので、企業さん的にも信ぴょう性がなくて難しいところがあって。そこで何ができるか考えたときにあったのがクラウドファンディングで、一般の方々からも支援を募ってご協力いただいた形なんですけど、目標額であった50万円を締め切りの3日前に達成できて感謝しています」 ――支援してくださっていたスポンサー企業もありました。 「うちのスタッフが頑張ってくれて美容関係の商品を販売しているお店から『ぜひ応援させてください』と言っていただけました。クラウドファンディングサイトから商品を割引して買えるようにさせてもらったので、うちのスタッフと代理店の方には感謝しています。あとサンエスオルクスは愛知県でアジアリーグに所属するプロチームをつくろうとしている団体で、僕たちももともと愛知で活動していた団体なので『そこはぜひとも応援したい』と言ってくださいました」 ――リハーサルではどのようなことを確認しましたか。 「1週間前に僕とスタッフの1人で23時くらいにリハーサルをしに行って、音響やライトの確認。あとは映像がどのように映るかを東伏見のリンクの方に協力してもらって確認しました。東伏見のリンクに行ったこともなかったんですけど、リンクの方も協力的で要望をいろいろ聞いてくださったので、スムーズに運営できたのはそのおかげかなと思います」 ――試合当日の動きはいかがでしたか。 「リハーサルは試合1週間前にやったんですけど、機材を入れたのは前日なんですよ。前日の夕方にスタッフが全員集まって、搬入をするところから始まって、夜に最終ミーティングを行って、当日の朝9時くらいにリンクに向かって、そこからのぼりの設置やパンフレットの用意をしました。あと東伏見のリンクは映像をパソコンに移さないといけなくて、結構な重さの動画なのでそれを入れたり、選手のユニホームの設置やスポットライトやスモークの準備をしたり、時間は結構ギリギリでした。13時半くらいに選手が到着予定だったので、それまでに準備は終わらせて、選手が到着した後はミーティングをして、ボランティアの方たちとミーティングをして、最後に監督の方たちとミーティングをして。もともと14時45分に開場だったんですけど、14時20分にはとてつもない待機列ができてしまったので、熱中症なども懸念してリンクの方と交渉して14時半から開けていいということになりました。14時半からイベントの受け付けを始めて、開場が早まったことでスムーズにできたのかなと思います」 ――試合前のミーティングではどのような話をしましたか。 「このようなイベントは選手ありきのイベントなので、第一に協力してくれてありがとうということと、選手に全面的にスポットライトが当たっているイベントでこのような機会はこれまでなかったので、しっかり楽しんでほしいというのは選手たちに伝えました。ボランティアの子たちにもアイスホッケーを盛り上げるために協力してほしいということを伝えさせていただきました」 ――ボランティアはどこかの大学生の方ですか。 「大東大の子たちが来てくれました。過去2大会愛知県の試合に出てくれている子で、その子自身スポーツの運営に興味がある子で『ぜひ手伝わせてください』と言ってくれていたので。前回の話のインターン制度に近いように現場の裏側の仕事を知ってもらうことはあまりない機会なのでお願いして、他の子たちはもともとアイスホッケーが好きだったり、すでにチケットを買ってくれていた子たちも協力してくれて、いろいろな子がいました」 ――たくさんの観客が来ていることを実際に見た時はどのような気持ちになりましたか。 「すごくうれしい反面、運営やばくないかと(笑)。心配もあったんですけど、ボランティアの子たちも優秀で、うちのスタッフも仕事ができる人ばかりなので、本当に周りに助けられました。最初にこのイベントを公開した時は正直、人が入るか不安で『GOAT Challenge Cupって何なの』っていうところから入るので。実績が東京ではない中で、個人的にすごく心配でそれこそチケットもクラウドファンディングも最初は微妙な感じだったので。でも当日長蛇の列を作るくらいお客さんがたくさん集まってくれたというのは主催者としては本当にうれしく思いました」 ――監督はどのような経緯でお願いしましたか。 「僕が三浦優希選手(Iowa Heartlanders)と面識があって、今回のことをいろいろ相談させてもらった中で、これだけの選手が集まるなら監督もアイスホッケー界で知名度の高い方にやっていただきたいと思っていました。そこで三浦さんから『平野さん(裕志朗監督・Abbotsford Canucks)ならアイスホッケー普及のために協力してくれると思うよ』と、つなげていただきました。僕から今回のイベントの説明をしてお願いしたら『アイスホッケー普及のためなら何でもします』ということで協力してくださいました。相馬選手(秀斗監督・H.C.栃木日光アイスバックス)は僕の兄が駒大苫小牧高の同期で仲も良かったので、そのつながりもあってお願いしました。相馬選手は国内のエリート街道を進んできた選手で、駒大苫小牧高で全国優勝をして、明大でも全国優勝をして今バックスでもアシスタントキャプテンをやっているすばらしい方です。お願いしたら二つ返事で相馬選手も快諾してくれたので、お二人には感謝してもし切れないと思っています」 ――今回のイベントを通して大変だったことはありますか。 「やっぱり僕たちはエンターテインメント性に力を入れているので、当日のパンフレット、のぼり、ポスターは僕がデザインしていて、演出の動画とかは兄が作ってくれているんですけど、いろいろ細かい作業が多くて大変でした。著作権が大丈夫か、プロフィールが間違っていないかとか、東伏見のリンクのサイズで一番かっこよく見せるにはどういう映像でどのくらいの長さがいいのかとかを細かくミーティングして。これって正解がないというか、極めようと思えばいくらでも極められる作業なので、動画に関しては試合の前日まで練って編集していました。たかが当日の2分とかかもしれないんですけど、どこまでこだわりを持つかは重要視していて、それをやり切れたことに達成感はあったんですけど、やはり一番大変だったかなと思います」 ――今回のイベントで良かったことや、手応えを感じたことはありますか。 「アイスホッケーって特殊で首都圏にチームがずっとなくて、西武がなくなって今やっと横浜GRITSが出てきたけど、首都圏で見る機会がなかったのは他のスポーツだと考えられないことだと思うんですよ。アジアリーグは北海道、青森、栃木ってあって今やっとグリッツが出てきて少しずつ変わってきているんですけど、少しもったいないなと感じていました。その中で今回東京で開催できたのはアイスホッケー界にとっても良かったかなと思いますし、愛知とは比べものにならないくらいの注目度だったので、東京ならではの強みといいますか、良かった点かなと思っています。僕が描いている未来図では、1年目はアンケートを取って市場調査、2年目は赤字がでないような経営下での試合開催、3年目は東京に進出して1000人っていうのを企画書に書いていて、4年目は1年で何回か試合を行って5年目からはパッケージ化して全国に流すっていうのを思い描いています。そういった意味では名古屋でやっていたものを東京にアレンジして持ってきて、今回これが成功したから次は何をしようかって考えた時に、これをパッケージ化して全国に流す準備を始めようと個人的には思っているので、東京が初開催で成功したのは僕らのプランの中では重要なポイントだったので、手応えを感じています」 ――今回見つかった課題はありましたか。 「リンクの周りにルール説明のQRコードを貼っていたんですけど、それに気づいている人はあまりいなかったのかなと感じています。今後やっていくにあたって、アイスホッケー関係者だけじゃなくて新規のお客さんを獲得しないといけないと考えた時に、根本的にアイスホッケーってなんなのっていうところにフォーカスを当てても良かったのかなと思っています。初めて見る方も置いていかれないような方法も探っていかないとなと思いましたし、技術面ではゴールが入ったときの映像はあったんですけど、それを選手の映像にするとか、ゴールシーンのハイライトをすぐ流すとかまだまだやりたいことはたくさんあるので、ファンファーストの気持ちは忘れずにファンの方がどうやったら楽しめるかを考えています。あとは北米だとアイスホッケーの試合以外にもサブ要素がたくさんあるので、地元のお店と提携するなど輪を広げていきたいとは思います」 ――今後に向けての意気込みをお願いします。 「今回、アイスホッケー界の光を少し見られたのかなと思っていて、もちろん未来のある才能ある選手がいるのはもちろんなんですけど、それを応援してくださる方の多さに驚きました。日本のアイスホッケー界は厳しいことを言われていますが、まだまだ伸びしろがあるというか、まだまだここから巻き返せるなと思ったので、どんどん輪を広げていって全国各地でアイスホッケーを見に行こうという流れをつくっていきたいと思っています。これからもいろいろな人に支えてもらいながら頑張っていきたいなと思います」 ――ありがとうございました。 [倉田泰]※写真はご本人提供READ MORE -
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