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(3)GOAT Challenge Cup事前インタビュー 丸山詳真×中村柊志綺

アイスホッケー 2023.06.29


 アイスホッケー界を盛り上げるため企画されたGOAT Challenge Cup。海外で挑戦を続ける日本人選手オールスターと、日本で活躍を見せる大学生オールスターの戦いが幕を開ける。今回は、北海道清水高でチームメイトであった丸山詳真主将(商4=北海道清水)と、中村柊志綺(政経4=北海道清水)に今大会への思いを伺った。

 

――このイベントの開催を聞いた時の心境はいかがでしたか。

丸山:(アイスホッケーは)プロ選手やアジアリーグの試合以外で人がたくさん集まるイベントがあまりありません。もともと昨年度までこのイベントは愛知県で開催していたらしいのですが、その映像を見た時は東京で実現できたらアイスホッケー界にとっても大学生にとってもいい経験になりますし、興味深いと感じました。

中村:普段は競い合うだけの試合しかしていないのですが、アイスホッケーを盛り上げていこうというイベントに初めて参加するということで、面白いなという印象が最初にありました。楽しみにしています。

 

――お二人は世代別日本代表に選ばれることが多く、昨年度もユニバーシアードに出場されましたが、日本と比べて観客は多いのでしょうか。

中村:昨年度のユニバーシアードが開催されたアメリカはアイスホッケーの人気がかなり高いので、決勝になると観客は多かったです。特にアメリカ対カナダが決勝だったのですが、観客が満員くらいいるのではないかと思いました。アジアリーグに比べても多かったです。

 

――日本のプロのアジアリーグにどのような印象がありますか。

丸山:やはりアイスホッケーはずっと続けてきた競技ですし、競技に対しての気持ちはずっと昔から変わっていません。ですが、大学生になって多くを理解していく中で日本の今のアイスホッケー界は経済的にチームの運営が厳しく、競技を引退する時に今後どうするかとその先のことまで考えておく必要があります。アイスホッケーだけで生活ができるわけではないので、そこが盛り上がりに欠ける要因の一つだと思います。

中村:アジアリーグを見に来てくれる方は結局、アイスホッケーに関わる人が多いなと感じています。関わっていない人がもっと来てくれるようにしないと、アイスホッケーが普及して盛り上がっていかないのかなと思います。

 

――今回対戦する海外チーム所属のオールスターのメンバーを見た第一印象はいかがでしたか。

丸山:高校の世代別日本代表で一緒のチームでプレーしていたり、試合で対戦したメンバーが大半です。みんな海外に行ってアイスホッケーをしていて懐かしく、楽しみだなと思いました。

中村:海外組の選手はアイスホッケー界で有名な選手が多く、普段対戦することができない相手なのでそういった人たちと試合できることは楽しみだなと思います。海外のホッケーと日本のホッケーの違いを肌で感じることは今後に向けていい経験になると思います。

 

――海外で競技をする選手と日本の選手との違いは何でしょうか。

丸山:海外で競技をする選手たちは日本と比べてチーム内での競争率がすごく高いです。結果を残せないと残っていけない世界でみんなプレーしている選手ばかりなので、ここぞというシーンや勝負どころで強いと感じています。

 

――海外で競技をする選手のシュートはどのような印象がありますか。

中村:日本の選手がワンテンポ待って打つという感じだとすると海外の人はためも短く、打てるところで打つ、見えたらすぐに(シュートを)狙う印象があります。あと、練習に対する姿勢も違うと思います。

 

――お二人と同じ北海道清水高出身で今回対戦相手となる榛澤力選手(Sacred Heart University)とは今でも連絡を取られていますか。

丸山:普段の生活の中で連絡をしたりとか、アメリカから帰って何週間くらいかは東京にいたりするので、遊びに行ったり今回のことも含めて連絡はしました。

中村:特別連絡したわけではないのですが、久しぶりに一緒にアイスホッケーできることが懐かしく、楽しみに思います。

 

――丸山選手は榛澤選手と中学次から一緒にプレーされていますが、どのような印象がありますか。

丸山:中学次からずっと一緒のセットで組ませてもらっていました。スピードもありますし、すごく周りを見ているというイメージがあり、自分がここで欲しいというタイミングでパスをくれたり、パックのキープ力も人一倍ありました。自分とはタイプの違うプレーをする選手なので、連携が取れていたと思います。中学次から自分でも自分を生かすことができるし、人を生かすプレーもできるように考えていて、頭を使ったプレーが多い選手だなと思いました。

 

――中村選手は榛澤選手と中学次は別のチームでしたが、何か印象はありましたか。

中村:同じ地区だったので中学時から何度も対戦をしています。同じ地区の中では本当に頭一つ抜けていてゲームメイクや得点力、パスも上手で試合中は本当に意識していました。

 

――丸山選手は小学次で軽井沢から北海道に行かれましたが、その経緯を教えてください。

丸山:小学次から北海道の選手のプレーを見たり、試合を一緒にしていく中で競技を行う環境の違いを感じました。その頃からアイスホッケーの選手になりたいという目標があり選手のほとんどが北海道出身だと気付いたので、自然とこの先アイスホッケーを続けていくのであれば北海道に行きたいという気持ちがありました。

 

――他に対戦することが楽しみな選手はいますか。

丸山:やはりずっと競技を続けてきたら、名前を知っているメンバーが多いので、もちろん初めて試合をする人もいますし、そういった面で特定の誰かではなく全員が楽しみだなと思います。

 

――中村選手はキーパー目線でどの選手のシュートが楽しみでしょうか。

中村:昔一緒にプレーしたことはあるのですが、佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)は日本人として初めてのKHL選手で活躍もしているので、今どんなプレーをするのか楽しみです。

 

――日本の大学オールスターで同じチームで戦う選手の印象はいかがですか。

丸山:普段大学リーグや関東の大会で何回も対戦してる相手なのでどのようなプレーをするのか分かっています。そのため、普段異なるチームでプレーしている選手たちと同じチームになったらどうなるのかという楽しみはあります。

中村:自分はキーパーで一緒にセットを組むことはないのですが、大学リーグで活躍している選手と実際にプレーし、味方になることはとても心強いと思います。

 

――このような大会の開催はモチベーションのアップにつながりますか。

丸山:やはりこの企画の目的の一つはアイスホッケーを知らない人に来てもらってアイスホッケーを盛り上げたい意味合いがあります。そういった面でも普段見に来てくださる人もそうですし、普段見ない人も見に来てくれることはモチベーションになります。

中村:このようなイベントが初めてなので、本当に楽しみだなと思います。オールスターに呼んでいただいて、すごい選手たちの中でプレーできることはモチベーションにつながっていると感じます。

 

――最後にイベントに向けて意気込みをお願いします。

丸山:これまでアイスホッケーを続けてきて、このような経験をすることはほとんどないので本当に楽しみながらプレーしたいです。その中で試合をするからには勝ち負けにこだわっていきたいです。個人的な成果を得たりというより、イベントを通じてアイスホッケーが面白い、今後も応援したいと思ってもらえるよう精一杯プレーできればと思います。

中村:海外組のスター選手が揃う中で、自分がどれだけできるのか挑戦することがで楽しみですし、しっかり力を発揮して日本の大学生もできるとアイスホッケー界に見せていきたいです。単純にこのような機会がないのでしっかり自分たちも楽しんで、見ている人にも楽しんでもらえるそんな機会にしたいです。

 

――ありがとうございました。

 

[聞き手・倉田泰、編集・原田青空]


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