

(2)GOAT Challenge Cup主催者・安田桂太朗さんインタビュー
安田桂太朗さん(Connecticut College)が大学在学中に立ち上げたGOAT Challenge Cup。このイベントが今後のアイスホッケー界にどのような影響をもたらすのか。これまでの取り組みから今後の展望。さらには海外での生活についてもお話を伺った。
――安田さんの経歴についてお聞かせください。
「僕は愛知県出身で幼少期から愛知でアイスホッケーをやっていて、その後アイスホッケーのために北海道に移り住みました。その時には三浦選手(稜介・政経4=駒大苫小牧)とも一緒にプレーをしていて、小学校卒業してから1年目はカナダ、その後アメリカに留学をしました。今はアメリカの大学に通っていて、あと1年そこで過ごす予定です」
(写真:ボードを掲げるファンと写真を撮る安田さん)
――アメリカの大学ではどのようなことを学んでいますか。
「経済学と金融学を専攻していて、その中でも特にスポーツマネジメントに興味がありました。その授業ではアイスホッケー以外の運営方法を学ばせてもらったり、地元スポーツチームのボランティアをしたりしていました」
――大学での1日のスケジュールを教えていただけますか。
「アメリカは文武両道が厳しくて、9時から16時までは授業があるので朝は7時くらいに集合して筋トレとか氷上以外のトレーニングをやっています。授業が終わって氷上練習が1時間半から2時間あって終わるのが20時くらいになるんですけど、授業の課題が毎日出るんです。なので、そこから23時くらいまで学校の図書館でみんなと勉強をして日付が変わるくらいに就寝という感じです。自分の時間はほとんどないですけど、土日は試合後に学校が開いているパーティーとかがあるので、そこで息抜きをしています」
(写真:アイスホッケー以外の面でも充実した生活を送る安田さん)
――アメリカで一番印象に残っていることをお願いいたします。
「やはり、たくさんの観客の中でアイスホッケーの試合ができることです。大学のリンクで試合をするんですけど、ホームの時は応援の声がすごいですし、逆にアウェーだと相手の罵声とかも聞こえてきます。それがプレーヤーとしてはたまらない状況で、このために海外に来たんだなというのは今でも感じます。ものすごい熱い感じとか、リンク一周観客で埋め尽くされる状況っていうのは日本だとあまりない環境なので」
――GOAT Challenge Cupを開催しようと思ったきっかけについてお聞かせください。
「アイスホッケーはアメリカやカナダが本場で、もちろん日本のアイスホッケーのレベルと北米のアイスホッケーのレベルは差が多少あるんですけど一番の違いとして、アイスホッケーの運営力やエンターテイメント性にあまり日本はフォーカスを置いていないなと感じました。アメリカに留学をして規模の違いを感じ、そこをもう少し工夫したり、アメリカの仕組みなどを取り入れたりしたら、もっと観客が増えるんじゃないかなというのもあって、アイスホッケー界は試合を開催するという動きがあまりなかったので、とりあえず地元の愛知で何かできないかなと、2021年に始めました」
――北米の試合中のイベントで印象に残っているものはありますか。
「あっちは規模が違うので、観客がセンターラインからシュートを打ってゴールに入ったら景品で車がもらえるとか、四輪バギーを2台セットして競争するとかもありました。あとは、バブルサッカーを氷上でやるとか、スクリーンに有名人に似ている観客を映すとかも印象に残っています」
(写真:NHLの試合。巨大スクリーンや観客数など規模の違いが分かる)
――GOAT Challenge Cupという名前の由来を教えていただけますか。
「GOATはアメリカで使われる単語で、スポーツ界でいうと、大谷翔平選手だったり、イチロー選手だったりがアメリカでGOATという風に言われています。スポーツ界で何かしら史上最高のプレイヤーであったりとか、史上最高のイベントであったりとか、そういったものを表すために使われるのがGOATという単語です。日本のアイスホッケー界で一番盛り上がるイベントをつくりたいと思って、その名前を取りました」
――運営スタッフは大学生の方が中心となっているのですか。
「そうですね。基本的には大学生が中心です。僕がこのプロジェクトでいいなと思っている部分はいろいろなことが経験できることです。例えばマーケティングやインスタグラムの動画編集や画像編集などのテクノロジー系の仕事もあります。あとは、資金を獲得するための営業という仕事もあって、将来のための経験としてはいいスタートアップではないかと考えています。多少なりともミスはありますが、その中でしっかりと学生が成長できると思いますので、基本的な学生に声を掛けてやってもらっています」
――今回は日本の大学オールスターと、海外に挑戦している日本人選手の対戦というこれまでにない組み合わせです。この対戦カードで開催しようと思ったきっかけをお聞かせください。
「まず一つはアマチュアレベルの選手にスポットライトを当てている機会がすごく少ないな、という風に感じたからです。若手の選手ですごい上手い選手が多いというか、もっと注目されてもいい選手がたくさんいるという風に前から思っていました。あとは僕自身、留学をしている中、日本でプレーをする機会や試合をする機会が全然なくて、人目に付く機会がすごく少なかったんです。でも日本の大学生にも負けないくらい、海外で頑張っている選手がたくさんいて、そういった選手のプレーを日本で見られないのはすごくもったいないなという風に感じたからです。最後は本当に日本の大学生も含めて、海外の選手たちもぜひやりたいという風に言ってくれて。日本のアイスホッケー界を俺らで盛り上げるという強い気持ちが選手たちからもすごく感じられたので、最終的に決断したのはやっぱりそこだったかなと思います」
――アイスホッケーを初めて見る方とかもいると思うんですけど、特に注目の選手をお願いします。
「難しいですね(笑)。でも海外チームだと、佐藤優選手(Torpedo Nizhny Novgorod)はまず絶対に挙げたい一人で、彼は11歳くらいの時からロシアに留学して、その後フィンランドやアメリカ、カナダで本当にいろいろなところに渡っていました。日本にはいないプレーヤーというか、海外仕込みのプレーヤーという風に一番感じるのはおそらく彼です。それに続くというか、引けを取らないのが榛澤力選手(Sacred Heart Univ.)と安藤優作選手(New Mexico Ice Wolves)。榛澤選手は日本代表にも入って活躍もしていますし、しかもまだアメリカの大学で1年生が終わったばかりで、これからあと3年あるって考えると、本当にとんでもないなという風に感じています。安藤選手は世代のトップを走ってきた選手で、U―18、U―20日本代表でキャプテンを務めて優勝をして、アメリカのジュニアリーグの1部に常に所属していた選手なので、ぜひ見てほしいです。というか僕も見たいぐらいの選手なので、その3人はちょっと別格かなと個人的には思います」
――明大の選手で注目の選手はいらっしゃいますか。
「明治は去年のインカレで優勝しているので、必然的に選手が多くて今回、8人くらい入っていると思うんですけど、その中で挙げるとすれば、三浦選手と丸山選手(詳真主将・商4=北海道清水)と井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)です。井口選手は僕が一緒にプレーをしたことがあるんですけど、彼のスキルは海外選手に引けを取らないというか、なんなら海外の選手よりすごいぐらいなので、井口選手のスキルに注目したいです。三浦選手はご存知の通りいつも冷静なプレーヤーで、どちらかというとゲームを組み立てるタイプの選手なので、三浦選手が各大学のトッププレーヤーとどのようなプレーをするのか楽しみです。丸山選手は生粋の点取り屋みたいな感じなので、それがどこまで海外チームに通用するかというのはすごい楽しみです」
――今回のイベントが成功した後の展望についてお聞かせください。
「一つはパッケージ化をしたいというのがあります。今回は愛知で作ったパッケージをもとに東京でいろいろやっているんですけど、東京での開催が成功したら様々な地域。それこそ北海道もそうですし、関西の地域とかでお話をいただいていているので、こういった動画編集のノウハウであったりとかもいろいろ伝えていきたいなという風に思ってますし、各地域の横のつながりを増やしていけたらと考えています。あとはインターン制度です。アイスホッケー界でインターンをやっている人ってそこまで多くないと思うんです。アメリカの大学生は、必ず夏はみんなインターンをするんですよね。それはすごく面白いなというか勉強になりますし、そういったものをGOATを通して経験してほしいです。そういった人材をGOATから輩出して、その人たちが将来のアイスホッケー界に還元していくような有意義なサイクルをつくり出していきたいです」
――最後に今回のイベントの見どころと意気込みをお願いします
「見どころとしましては、普段見ることのできない海外チームの選手と、大学側はトップ大学の選手が集まって一緒にプレーをするということで、非日常的な試合をお届けできるかなと思っています。目標はGOAT Challenge Cupという名前の通り、史上最高と言われるような試合をつくることです。来場した皆さんがまた来たいなとか、またアイスホッケーを見たいなと思ってもらえるように。また、今後のアイスホッケー界に光を当ててくれるような試合にできたらうれしいです」
――ありがとうございました。
[倉田泰]
※写真はご本人提供
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(10)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 主催者・安田桂太朗さん
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間をつくり上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第5回は、主催者の安田桂太朗さん(Connecticut College)のインタビューです。(この取材は7月4日に行われたものです) ――まずは無事に終わって数日経った今の心境をお聞かせください。 「まずは何も大きなトラブルなく、選手のケガもなく終えることができたのは、いろいろな方の協力があってのことなんですけど、そこが一番ほっとしています。心境としては、当日1200人くらい来ていたんですけど、あれだけのお客さんが来てくれたことに達成感がありますし、試合が終わった後にインスタやツイッターでの反響がすごくて、そういうのを見てやって良かったなと感じています」 ――愛知ではチケットが残り2日くらいで多く売れたとおっしゃっていました。今回のチケットの売れ行きはいかがでしたか。 「全席自由席で値段が一緒ということもあって、早く買おうっていう選択は多くないだろうと、名古屋の時と同じで最後の1週間が勝負になるだろうなと考えていました。その中でも最後の2日間は、300枚くらい売れたんじゃないかな。正確な数字は分からないですけど、そのくらい売れてそれだけ多くの方に買っていただけたのはうれしいですし、選手も残り数日でプッシュしてくれたので感謝しています」 ――クラウドファンディングも成功していましたが、実施しようと考えた経緯をお聞かせください。 「クラウドファンディングは今回初の試みで、名古屋の時は地元で知り合いの方からスポンサー企業の獲得はできていたんですけど、東京はそのような方がいませんでした。企業の方にコンタクトを取っても東京での実績がないので、企業さん的にも信ぴょう性がなくて難しいところがあって。そこで何ができるか考えたときにあったのがクラウドファンディングで、一般の方々からも支援を募ってご協力いただいた形なんですけど、目標額であった50万円を締め切りの3日前に達成できて感謝しています」 ――支援してくださっていたスポンサー企業もありました。 「うちのスタッフが頑張ってくれて美容関係の商品を販売しているお店から『ぜひ応援させてください』と言っていただけました。クラウドファンディングサイトから商品を割引して買えるようにさせてもらったので、うちのスタッフと代理店の方には感謝しています。あとサンエスオルクスは愛知県でアジアリーグに所属するプロチームをつくろうとしている団体で、僕たちももともと愛知で活動していた団体なので『そこはぜひとも応援したい』と言ってくださいました」 ――リハーサルではどのようなことを確認しましたか。 「1週間前に僕とスタッフの1人で23時くらいにリハーサルをしに行って、音響やライトの確認。あとは映像がどのように映るかを東伏見のリンクの方に協力してもらって確認しました。東伏見のリンクに行ったこともなかったんですけど、リンクの方も協力的で要望をいろいろ聞いてくださったので、スムーズに運営できたのはそのおかげかなと思います」 ――試合当日の動きはいかがでしたか。 「リハーサルは試合1週間前にやったんですけど、機材を入れたのは前日なんですよ。前日の夕方にスタッフが全員集まって、搬入をするところから始まって、夜に最終ミーティングを行って、当日の朝9時くらいにリンクに向かって、そこからのぼりの設置やパンフレットの用意をしました。あと東伏見のリンクは映像をパソコンに移さないといけなくて、結構な重さの動画なのでそれを入れたり、選手のユニホームの設置やスポットライトやスモークの準備をしたり、時間は結構ギリギリでした。13時半くらいに選手が到着予定だったので、それまでに準備は終わらせて、選手が到着した後はミーティングをして、ボランティアの方たちとミーティングをして、最後に監督の方たちとミーティングをして。もともと14時45分に開場だったんですけど、14時20分にはとてつもない待機列ができてしまったので、熱中症なども懸念してリンクの方と交渉して14時半から開けていいということになりました。14時半からイベントの受け付けを始めて、開場が早まったことでスムーズにできたのかなと思います」 ――試合前のミーティングではどのような話をしましたか。 「このようなイベントは選手ありきのイベントなので、第一に協力してくれてありがとうということと、選手に全面的にスポットライトが当たっているイベントでこのような機会はこれまでなかったので、しっかり楽しんでほしいというのは選手たちに伝えました。ボランティアの子たちにもアイスホッケーを盛り上げるために協力してほしいということを伝えさせていただきました」 ――ボランティアはどこかの大学生の方ですか。 「大東大の子たちが来てくれました。過去2大会愛知県の試合に出てくれている子で、その子自身スポーツの運営に興味がある子で『ぜひ手伝わせてください』と言ってくれていたので。前回の話のインターン制度に近いように現場の裏側の仕事を知ってもらうことはあまりない機会なのでお願いして、他の子たちはもともとアイスホッケーが好きだったり、すでにチケットを買ってくれていた子たちも協力してくれて、いろいろな子がいました」 ――たくさんの観客が来ていることを実際に見た時はどのような気持ちになりましたか。 「すごくうれしい反面、運営やばくないかと(笑)。心配もあったんですけど、ボランティアの子たちも優秀で、うちのスタッフも仕事ができる人ばかりなので、本当に周りに助けられました。最初にこのイベントを公開した時は正直、人が入るか不安で『GOAT Challenge Cupって何なの』っていうところから入るので。実績が東京ではない中で、個人的にすごく心配でそれこそチケットもクラウドファンディングも最初は微妙な感じだったので。でも当日長蛇の列を作るくらいお客さんがたくさん集まってくれたというのは主催者としては本当にうれしく思いました」 ――監督はどのような経緯でお願いしましたか。 「僕が三浦優希選手(Iowa Heartlanders)と面識があって、今回のことをいろいろ相談させてもらった中で、これだけの選手が集まるなら監督もアイスホッケー界で知名度の高い方にやっていただきたいと思っていました。そこで三浦さんから『平野さん(裕志朗監督・Abbotsford Canucks)ならアイスホッケー普及のために協力してくれると思うよ』と、つなげていただきました。僕から今回のイベントの説明をしてお願いしたら『アイスホッケー普及のためなら何でもします』ということで協力してくださいました。相馬選手(秀斗監督・H.C.栃木日光アイスバックス)は僕の兄が駒大苫小牧高の同期で仲も良かったので、そのつながりもあってお願いしました。相馬選手は国内のエリート街道を進んできた選手で、駒大苫小牧高で全国優勝をして、明大でも全国優勝をして今バックスでもアシスタントキャプテンをやっているすばらしい方です。お願いしたら二つ返事で相馬選手も快諾してくれたので、お二人には感謝してもし切れないと思っています」 ――今回のイベントを通して大変だったことはありますか。 「やっぱり僕たちはエンターテインメント性に力を入れているので、当日のパンフレット、のぼり、ポスターは僕がデザインしていて、演出の動画とかは兄が作ってくれているんですけど、いろいろ細かい作業が多くて大変でした。著作権が大丈夫か、プロフィールが間違っていないかとか、東伏見のリンクのサイズで一番かっこよく見せるにはどういう映像でどのくらいの長さがいいのかとかを細かくミーティングして。これって正解がないというか、極めようと思えばいくらでも極められる作業なので、動画に関しては試合の前日まで練って編集していました。たかが当日の2分とかかもしれないんですけど、どこまでこだわりを持つかは重要視していて、それをやり切れたことに達成感はあったんですけど、やはり一番大変だったかなと思います」 ――今回のイベントで良かったことや、手応えを感じたことはありますか。 「アイスホッケーって特殊で首都圏にチームがずっとなくて、西武がなくなって今やっと横浜GRITSが出てきたけど、首都圏で見る機会がなかったのは他のスポーツだと考えられないことだと思うんですよ。アジアリーグは北海道、青森、栃木ってあって今やっとグリッツが出てきて少しずつ変わってきているんですけど、少しもったいないなと感じていました。その中で今回東京で開催できたのはアイスホッケー界にとっても良かったかなと思いますし、愛知とは比べものにならないくらいの注目度だったので、東京ならではの強みといいますか、良かった点かなと思っています。僕が描いている未来図では、1年目はアンケートを取って市場調査、2年目は赤字がでないような経営下での試合開催、3年目は東京に進出して1000人っていうのを企画書に書いていて、4年目は1年で何回か試合を行って5年目からはパッケージ化して全国に流すっていうのを思い描いています。そういった意味では名古屋でやっていたものを東京にアレンジして持ってきて、今回これが成功したから次は何をしようかって考えた時に、これをパッケージ化して全国に流す準備を始めようと個人的には思っているので、東京が初開催で成功したのは僕らのプランの中では重要なポイントだったので、手応えを感じています」 ――今回見つかった課題はありましたか。 「リンクの周りにルール説明のQRコードを貼っていたんですけど、それに気づいている人はあまりいなかったのかなと感じています。今後やっていくにあたって、アイスホッケー関係者だけじゃなくて新規のお客さんを獲得しないといけないと考えた時に、根本的にアイスホッケーってなんなのっていうところにフォーカスを当てても良かったのかなと思っています。初めて見る方も置いていかれないような方法も探っていかないとなと思いましたし、技術面ではゴールが入ったときの映像はあったんですけど、それを選手の映像にするとか、ゴールシーンのハイライトをすぐ流すとかまだまだやりたいことはたくさんあるので、ファンファーストの気持ちは忘れずにファンの方がどうやったら楽しめるかを考えています。あとは北米だとアイスホッケーの試合以外にもサブ要素がたくさんあるので、地元のお店と提携するなど輪を広げていきたいとは思います」 ――今後に向けての意気込みをお願いします。 「今回、アイスホッケー界の光を少し見られたのかなと思っていて、もちろん未来のある才能ある選手がいるのはもちろんなんですけど、それを応援してくださる方の多さに驚きました。日本のアイスホッケー界は厳しいことを言われていますが、まだまだ伸びしろがあるというか、まだまだここから巻き返せるなと思ったので、どんどん輪を広げていって全国各地でアイスホッケーを見に行こうという流れをつくっていきたいと思っています。これからもいろいろな人に支えてもらいながら頑張っていきたいなと思います」 ――ありがとうございました。 [倉田泰]※写真はご本人提供READ MORE -
(9)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 平野裕志朗監督、相馬秀斗監督
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間を作り上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第4回は、平野裕志朗監督(Abbotsford Canucks)、相馬秀斗監督(令元法卒)、のインタビューです。 平野監督――今回どのような経緯で監督を引き受けることになりましたか。 「アイスホッケー界を盛り上げるためのイベントだと聞いて、自分もアイスホッケー界を盛り上げるためならなんでもお手伝いできたらいいなとは思っていたので、参加することに決めました」 ――今回の企画について聞いた時の印象はいかがでしたか。 「もちろんいいことだと思いました。前回名古屋とかでもやっていたっていうのを聞いて、しっかり東京っていう大都市に持ってきて、いろいろな人が見に来られる環境をつくることはいいことだと思うので、今後も続けていってほしいなと思います」 ――監督として試合前は選手たちにどのような声をかけました。 「海外組の監督をやっていたので、日本の選手たちがどうこうではなくて、海外でやっている意地だったり、何か意識の違いだったり、一つのパックに対する強さ。絶対負けないっていう気持ちを見せなさいっていうところは、自分も海外でプレーをしている身として、相手にも味方にもお客さんに見せるべきだと思ったので、試合を通して言い続けていました」 ――試合前の会場でのインタビューで井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)に警戒しているとおっしゃっていました。日本の大学生はいかがでしたか。 「人数が少ない部分もあって、体力的にそれぞれのプレーができなかったっていうところはあると思います。藍仁のプレーも、パックを持った時に何かするんじゃないかっていうワクワク感は見ている人たちに伝えられていたかなと。一つ一つ細かいところでスキルを出せていたと思うので、見ていて楽しかったのではないかなと思います」 ――今回来てくださった観客の方々に一言お願いします。 「こういったオフシーズンで選手が集まれる環境があって、皆さんそこに足を運んでくれるのはすごいありがたいことだと思いますし、こういったイベントがどんどん増えていって、応援している方がまた来たいって思えるような試合をプレーしている側はどんどんやっていきたいと思います。またそういった機会があれば、ぜひ足を運んでいただいて、日本のアイスホッケー界はこれからだと思うので、応援していて良かったと思ってもらえるようにこっちも頑張るので、これからも応援をお願いしますと伝えたいです」 相馬監督――まずはこの企画を聞いた時はどのような印象がありましたか。 「高校の同期が運営に携わっていたので、こういうイベントもなかなかない中で自分に託してくれるっていうことで喜んで引き受けさせていただきました」 ――個人的に注目していた選手はいらっしゃいました。 「やっぱり佐藤優くん(Torpedo Nizhny Novgorod)とか榛沢力くん(Sacred Heart University)とか代表の合宿で何度か一緒にプレーはしている選手でしたが、試合形式で見るのは初めてだったので楽しみでした」 ――明大で注目していた選手はいらっしゃいましたか。 「やっぱ井口くんは(年代が)被っていないし、試合も見たことなかったので今日はプレーを見られて良かったです。これからが楽しみな選手でした」 ――他大の選手とセットを組む際に意識したことはありますか。 「みんなスキルがある選手ばっかりで、誰と組んでもいい感じでやってくれるとは信じていたので、あまり考えすぎず決めていました」 ――試合を振り返っていかがでしたか。 「こっちの学生はあんまり氷の上に乗っていなかったみたいなので、コンディション的にはあまり良くなかったかもしれないんですけど、みんな楽しんでやってくれたので良かったです」 ――海外の選手の動きはいかがでしたか。 「僕自身も勉強になるプレーだったり、やっぱり落ち着きとかゲームメイクとかホッケーIQはすごく高いなと思っていました」 ――会場の雰囲気はいかがでしたか。 「僕が学生の時はこんなに人が入って試合することはなかったので、恵まれている環境だなと感じました。あとは、このぐらいの観客を今のプロのリーグでも入れられるように盛り上げていきたいなと思います」 [新谷歩美、倉田泰]READ MORE -
(8)GOAT Challenge Cup試合後インタビュー 榛澤力、佐藤優、古川逸暉、村上レイ
アイスホッケー 2023.07.12大盛況のうちに幕を閉じたGOAT Challenge Cup。アイスホッケー界では異例の1000人を超える観客が駆け付け、選手と観客が一体となって熱い試合を繰り広げた。今回は一日限りの夢の空間を作り上げた選手、監督、主催者の方へのインタビューをお届けする。 第3回はFW榛澤力(Sacred Heart University)、FW佐藤優(Torpedo Nizhny Novgorod)、FW古川逸暉(Collingwood Blues)、DF村上レイ(Lone Star Brahmas)のインタビューです。 榛澤――出場経緯を教えてください。 「僕らの世代でということだったので若い世代を盛り上げるようなイベントができたらいいなと思っていました。そこで呼んでもらえたので協力できることは協力しようと思いました」 ――試合内容を振り返っていかがでしたか。 「夏のこの時期は日本の大学生が練習していない時期で自分たちもシーズンインまで少し時間があってベストの状態ではありませんでした。その中で緩い試合ではなく、メリハリのある試合になり、見ている人も楽しんでくれたと思うのでよかったです」 ――日本とアメリカのアイスホッケーの違いは何でしょうか。 「アメリカのリンクより日本のリンクの方が横にも縦にも広いため、日本の方がパス回しやスペース使うことが上手だなと感じました。守りも動く距離が長くなるのでリンクを使った特徴的なホッケーに日本は慣れていて、スキルの違いを感じました」 ――印象に残った選手はいらっしゃいますか。 「昔から知っているのですが、井口選手(藍仁・商2=埼玉栄)です。足が速く、スキルもあって良い選手です。見せ場をつくられてしまったので上手だったという印象です」 ――観客の皆さんに一言お願いします。 「暑い中、お忙しい中にも関わらず、お金を払って当日見に来てくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。とても盛り上げてくださって選手一人一人がわくわくできたと思います」 ――ありがとうございました。 佐藤――日本のリンクでプレーしていかがでしたか。 「久しぶりに東伏見の舞台でプレーしたので最初は少し慣れなかったのですが、だんだん感覚もつかめてきて最終的には良いプレーができたので良かったです」 ――印象に残ったプレーや選手はいらっしゃいますか。 「角丸選手(陸斗・中大)のシュートはやはり良いコースに入ったなと思います。序盤であの遠くからのシュートはすごいと思いました。村社君(海莉・文2=埼玉栄)は見るたびに上手になっていて本当にあのディフェンスはすごいと思います。昔は止められなかったのですが、お互いに成長できていると感じました」 ――結果についてはいかがでしたか。 「第3Pはなかなか点が入らず、そこだけ少しマイナスだと思いました。もっと点差が開けばもっと盛り上がったと思います。来年度、また機会があれば参加できたらもっと良い試合を見せられるようにしたいです」 ――試合前にチームで話し合ったことはありますか。 「少しガチでいこうと思ったので自分は相手のチームには話しかけませんでした。ですが、試合が終わった後はナイスゲームと集まって言いました」 ――観客へのメッセージをお願いします。 「こんな暑い中でも会場に来てくださってありがたいです。選手たちも本当に頑張っていましたし、この試合を楽しんでくれたことを願います。こんなにトップ選手が集まる機会なんてないので来年度にまた選手も進化してもっと良い大会にできるよう、アイスホッケー界を盛り上げていけたらと思います」 ――ありがとうございました。古川――試合前はどのような話がありましたか。 「平野さん(平野裕志朗監督・Abbotsford Canucks)から少しアドバイスがあり、それぞれ話し合って楽しもうという雰囲気がありました」 ――日本大学生オールスターと対戦していかがでしたか。 「展開が早く、このリンクをよく練習で利用していると思うのですが、使い方がよく分かっているなと思いました。こちらは慣れていない分、そこは少し弱かったと思います」 ――対戦して印象的な選手はいらっしゃいましたか。 「井口や村社はやはり頑張っていたなと思いますし、みんなそれぞれ良かったと思います」 ――観客の皆さんへ一言お願いします。 「遠くから来てくださり、ありがとうございました。これはまだまだ序章といいますか、これからみんな日本代表の試合に出るようになると思うので、また見に来てほしいです」 ――ありがとうございました。 村上――会場の雰囲気はいかがでしたか。 「最高でした。中学2年生くらいで留学したので、日本でプレーすることがほとんどありませんでした。しかし、会場の雰囲気は本当にアメリカにいる時と同じくらいの歓声で良かったです」 ――同じ中学校でプレーされていた三浦選手(稜介・政経4=駒大苫小牧)についてはいかがでしたか。 「三浦さんは後輩思いの本当にいい先輩です。氷上でも常に全力ですし、毎日高いモチベーションをもって練習されていて、スキルも高い選手なのですごかったです」 ――日本大学生オールスターはいかがでしたか。 「最初にスピードがとても速くて、すばしっこいなと思いました。あとは長い距離のパスをつないでチャンスをつくって、ディフェンスは少し後ろに引いて守らないといけないので、すごくやりづらかったです」 ――今日のご自身の得点を振り返っていかがでしたか。 「パワープレーの5人対3人の状況で、佐藤さんが時間をつくって、自分に良いパスが来ました。スペースができて誰もプレッシャーに来ておらず、打ったら入ったという感じです」 ――今回来ていただいた観客の皆さんに一言お願いします。 「来てくださってありがとうございますという気持ちと、普段は日本のファンの皆さんを前にプレーをできることはないので、本当に良い経験になりました」 ――ありがとうございました。 [覺前日向子、倉田泰、原田青空]READ MORE