
(1)ルーキー特集 第1弾 〜菊地竜生編〜
昨年度、インカレで男女アベック優勝を達成し波に乗る明大スケート部フィギュア部門。今年度も頼もしいルーキーたちが紫紺の門をたたいた。6回目を迎える今回のルーキー特集でも例年に引き続き、競技の話から普段は見えない選手の意外な一面まで、それぞれの魅力をお届けする。
1人目は、ケガからの復活を果たし、昨年度のインターハイでは5位の好成績を収めた菊地竜生(政経1=目黒日大)。持ち味でもあるジャンプを武器に、大学でさらなる成長を目指す。
(この取材は3月22日に行われたものです)
――フィギュアスケートを始めたきっかけは何ですか。
「元々姉がやっていて、5歳の頃に一緒に遊びに行き始めたのがきっかけです。小学生になってから少しずつ遊びというより本気でやり始めるようになりました」
――フィギュアスケートの魅力は何ですか。
「悲しい表現、明るい表現などで見ている人の感情を揺さぶったり、笑顔にできることです」
――ご自身の強みを教えてください。
「トリプルアクセルを失敗しないところです。ジャンプが自分の持ち味というところで、得点源であるトリプルアクセルを絶対に失敗しないという自信があるので、そこが強みかなと思います」
――今後伸ばしていきたいところはありますか。
「スケーティングスキルがあまり評価されていないので、うまい人たちと練習して身に付けていきたいと思います」
――4回転ジャンプに関してはいかがですか。
「今も4回転の練習に取り組んでいて、まだ完璧ではないのですがだんだん良くなっていて来シーズンから試合に入れていきたいと思います」
――練習で意識していることはありますか。
「一回一回の練習を大切にということを意識しています。大学1年生で残りのスケート人生も少ないので、ただ練習をするのではなく一本一本のジャンプを無駄にしないようにしていて、試合でしっかり結果を残せるようにというのを意識しています」
――高校生活で印象に残っていることはありますか。
「学校行事で印象に残っているのは体育祭です。普段学校に行く回数が少ないのでそういった時に他の人と交流できるのは人生にとっていい時間だなと感じました」
――三浦佳生選手(目黒日大高)は同じ高校の1学年下ということですが、何か話したりはしますか。
「学校が重なるときは普段からもよく会うのでスケートの話やゲームの話をしたりします」
――高校で印象に残っている試合を教えてください。
「おととしの全日本選手権が一番印象に残っています。初めて評価選手に入れた試合なのでそこはやはり自分の中でやり切ったという印象が強いです」
――昨年度の2月に肩の手術がありました。
「最初は手術をするかどうかを悩んでいました。でも右肩がうまく使えなかったのでジャンプに影響が出てしまうことも怖かったです。そういった不安要素を最初に取り除いた方がいいかなと思って手術の決断をしました」
――そのケガを乗り越えて復帰しましたが、その時のモチベーションや心の支えになっていたものはありますか。
「ケガは治ったので自分の中で復帰だという気持ちが強くありました。そこから再起していく時も周りの人たちの支えなどもあって本当にこれからやるぞというモチベーションがだんだん高まってきていました。強化選手に入ってからはナショナルトレーニングセンターを使えて、世界で活躍している選手たちと一緒に練習をする機会もありました。ケガもしましたがそこから復帰する時に強化選手といういい恩恵を受けたのでそういったところがモチベーションになってきたのかなと思います」
――今までフィギュアスケートをやってきて辛かったことはありますか。
「高校1年次に腰をケガしてしまって完全に骨折ではなかったのですが、しばらくジャンプは何をやっても痛くて『これがずっと続くならスケートはできないな』と感じていました。そこからトレーナーさんと一生懸命頑張ってきて、体作りをして今も完全に治ったわけではないのですが痛みを最小限に収めるというところを頑張って維持しています。初めて腰をやってしまった時がジャンプへの恐怖もあり一番辛かったです」
――新しい練習拠点はいかがですか。
「最初は不安もありましたが成長しているというのは実感しています。自分の中では成長するための移籍なので結果的に移籍がいい方向に進んでいると感じます」
――試合で緊張するタイプですか。
「今はだんだん自信がついてきて緊張はないです」
――ご自身の性格を教えてください。
「マイペースなので自分のペースでやりやすいようにやるタイプです」
――趣味はありますか。
「サウナにはまっています。温泉にも行ったりするのですが、体が疲れやすい方なのでそういった体の調整をするためによく行きます」
――特技はありますか。
「ボルダリングが得意です。結構体を動かすこと全般は得意です」
――ユーチューブを始めたきっかけはありますか。
「もっと一般の方にもフィギュアスケートを知ってもらいたいというのがあります。周りに発信することでフィギュアスケートが面白いと知ってほしいですし、そういうことがきっかけで新しいことにどんどん挑戦していくことが自分の成長につながっているのを感じます」
――どのようなスタイルを目指していますか。
「周りと違うスタイルを目指しています。フィギュアスケートは曲が重なることがかなり多いので他の人とは違う曲を使ったり、表現の仕方で違いを作っています」
――試合前のルーティンはありますか。
「試合前の前日に必ずお風呂に入って体を整えるのと、バナナを食べることです」
――そのルーティンはいつから続けていますか。
「腰をケガしてしまった時から始めました。トレーナーさんと体の調整の仕方を考えていて、バナナからエネルギーをつけるなど体に気を遣っていこうという話になってから自分で続けています」
――オフシーズンで重点的に取り組んでいる練習はありますか。
「スケーティングの強化に一番力を入れています」
――憧れの選手はいますか。
「友野一希選手(上野芝スケートクラブ)です。表現力豊かで、見ている人を笑顔にする彼の演技が自分の力になっています」
――明大で憧れの選手はいますか。
「大島光翔選手(政経3=立教新座)と佐藤駿選手(政経2=埼玉栄)です。身近で尊敬している先輩でジャンプのこつや試合へのメンタルの持っていき方など、スケートの話を普段からさせていただいています。あとスケーターはみんなサウナ好きなので体の整え方を聞いたりしています」
――明大スケート部の印象を教えてください。
「自分の中では『やっぱり明治がナンバーワン』という印象が強いです」
――明大への進学理由を教えてください。
「尊敬できる先輩がたくさんいることです。大島選手、佐藤選手、住吉選手(住吉りをん・商2=駒場学園)や昨年度卒業された樋口選手(樋口新葉・令5商卒・現ノエビア)などの本当に尊敬できる方がたくさんいて、そういった環境で練習したいと思ったからです」
――大学生になるにあたって楽しみなことはありますか。
「明治の先輩方と一緒に練習できるのが楽しみですし、勉強も楽しみです」
――将来的になりたい選手像を教えてください。
「今一番憧れている選手が友野一希選手なので、見ている人を笑顔にしたり自分のプログラムの感情を伝えたりできるような表現力がすごい選手になりたいです」
――表現力を上げていくために普段から気を付けていることはありますか。
「体を使うだけではなく、目線も気を付けています。そして自分がまず楽しむことも意識していて、初めて見る人にそれが分かるようにというのを考えています」
――世界選手権を見ての感想はありますか。
「自分が出たい舞台なのでこういった選手たちを見てもっと勉強したいですし、僕の目標である友野一希選手を一生懸命見て研究して自分の力になるようにしていきたいと思います」
――新たに挑戦したいことはありますか。
「4回転サルコーにチャレンジしていて、今後は4回転ジャンプを全種類跳べるようになりたいと考えています」
――来シーズンの目標を教えてください。
「ジュニアグランプリファイナルと世界ジュニア選手権でメダルを取ることです」
――大学4年間での目標を教えてください。
「インカレ優勝が一番大学で成し遂げたいことです。また世界選手権やオリンピックにも出たいなと考えています」
――ファンの方々へメッセージをお願いします。
「皆さんが見て良かったと思える演技をします!」
――ありがとうございました。
[冨川航平]
◆菊地 竜生(きくち・りゅうせい)令5政経入学、目黒日大高。明大に実際に通ってみて、キャンパスの広さと充実した施設に感動した。166センチ・58キロ
(写真は本人提供)