菊地竜生 挑戦の気持ちを胸に 築けフィギュア界の新時代

フィギュアスケート
2023.03.30

 明治に新たな旋風を巻き起こせ!今年度も実力派ぞろいのルーキーたち。4月1日発行予定の紙面に載せ切れなかったルーキーを先取りしてお届けします。フレッシュな若さとこれからの4年間に期待です!

第5回はスケート部フィギュア部門、菊地竜生選手(令5政経入学=目黒日大)です。

 

 5歳の時に姉の影響でフィギュアスケートを始めた菊地。小学生になると徐々に遊びとしてではなく、競技として本気でフィギュアスケートに向き合い始めた。中学2年次にはトリプルアクセルを着氷するようになり一躍有力選手として名乗りを上げ、全国中学校選手権では3位に入るなど驚異的な成長を見せていた。しかし高校進学後に悲劇に襲われる。「何をやっても痛くて、これではスケートを続けられない」。腰のケガだった。選手生命の危機に見舞われ、競技を辞めることも頭をよぎった。しかしトレーナーとの体づくりと懸命なリハビリの末に復活を果たし、菊地は再びリンクへと舞い戻った。その後、高校2年次の全日本ジュニア選手権では8位に入り、この結果日本スケート連盟の強化選手に。見事トップスケーターの仲間入りを果たした。

 そんな菊地の憧れは友野一希選手(上野芝スケートクラブ)。「表現力豊かで見ている人を笑顔にする演技」。選手である菊地自身をも魅了する友野の演技に憧れを抱くとともに、自身も同じようなスケーターになりたいと思い描くようになった。実際に練習から観客の目線をイメージしながら滑ることで表現力が向上。本番でも「まずは自分が楽しむことでそれが観客の方々に伝われば」と意識することで、次第に緊張がなくなりのびのびと演技をできるようになっていった。

 そして昨年の8月に新たに始めたのが姉とのユーチューブ活動。「もっとフィギュアスケートのことを知ってもらいたい」。実際の演技や大会後のインタビューなどの動画をユーチューブにアップすることでより多くの人にフィギュアスケートの楽しさを知ってもらうことが狙いだった。「新しいことに挑戦していくことが自分の成長につながる」。この姿勢は競技面にも生きた。元々の強みであったトリプルアクセルに加え4回転ジャンプの練習も積極的に取り入れるようになり、ジャンプの質が向上。世界で戦うことも意識するようになった。

 大学は「尊敬できる先輩がたくさんいる」とトップクラスの実績を誇る明大に進学を決意。高校時代の苦難を乗り越え、一段と強くなった菊地。フィギュアスケート界のエンターテイナーが明大に新たな風を吹かせるに違いない。

 

[冨川航平]

 

◆菊地 竜生(きくち・りゅうせい)令5政経入学、目黒日大高。特技はボルダリング。166センチ・58キロ

 

(写真は本人提供)