
明スポ独占 イギリス杯事後インタビュー 佐藤駿
佐藤駿(政経1=埼玉栄)は今月11日から13日に行われたグランプリシリーズ(以下、GP)第4戦イギリス杯に出場したSP(ショートプログラム)を4位で通過し、FS(フリースケーティング)では3位。見事な逆転で表彰台に立った。
帰国後、明スポ独占でインタビューを行った様子をお届けします。
(この取材は11月18日に行われたものです)
――今回イギリスでの大会は初めてですか。
「今回GPが中国とロシアで行えないということで、代替地でイギリスとフィンランドになったのですが、ちょうどそこの2つに派遣されました。イギリスは正直何もなかったですね。田舎すぎました (笑)。会場に行く時も周りは羊しかいなくて、建物は一つもなかったです。こんなところにリンクがあるのか?という感じでした。リンクの周りはご飯を食べるところなどもなくて、本当にリンクとホテルを行き来するだけという感じでした」
――イギリスはイメージと違ったことはありますか。
「ご飯があまりおいしくないというイメージがあったのですが、行ってみたら意外とホテルの朝食などもおいしかったです。でも調味料がなくて、にんじん単体で生という感じでした(笑)。おいしくもまずくもなかったです」
――海外での試合のときに必ず食べるものはありますか。
「ペヤングはいつも持っていきます。海外で食べるペヤングは本当においしいです。日本のご飯が食べたくなるので、ご飯と一緒にペヤングを食べるとすごくおいしいです」
――次戦開催地のフィンランドで楽しみなことはありますか。
「フィンランドはサウナが有名なので、ホテルにサウナがあれば行きたいです」
――海外と国内試合の違いはありますか。
「時差がかなり大変ですね。いつも慣れているのですが今回久しぶりの海外試合だったので大変でした。時差が9時間くらいあって、試合が日本時間の朝4時という眠い中での試合でした。試合のときは目が覚めていましたが、本番に持っていくまでが眠くて大変でした。夜は寝られないし、でも朝は早いから朝に練習してという感じでした。今回行ってから時間がなくて2日後に試合だったので時差に慣らすのに苦労しましたね。いつもは(試合が)3日後とかですが、今回は詰まった予定でした」
――国内試合の方が滑りやすいですか。
「環境に左右されないので、絶対国内の方が良いですね。リンクの氷なども海外と日本で全く違うので合わせるのが難しいなと思います。(今回のリンクはいかがでしたか)出来たてほやほやという感じでした。思ったより回り過ぎたり滑り過ぎたりして調整が難しかったですね」
――GP2戦の間隔が短い中での試合に大変さはありますか。
「本当はずっと向こうに行ったっきりという予定だったのですが、一度日本に帰ってくることになったのでかなりきついですね。時差ボケが大変です。向こうにやっと慣れてきたころに帰国だったので、日本のリズムにもまだ合っていなくて、夜中に全く寝られずに朝方寝るという感じです。多分日本に慣れてきた頃にまたフィンランドに行く形なので、今は振り切って向こうの時差に合わせようと思っています」
――同じ大会に派遣された三原舞依(甲南大大学院)選手と島田高志郎(早大)選手と交流はありましたか。
「チームジャパンみんな仲が良いので、グループラインとかで『頑張ってね』と言い合ったり、打ち上げみたいな感じで、チームジャパンみんなで集まってご飯を食べたりしました」
――海外の選手との交流はありましたか。
「そんなにないですが、試合が終わった後『頑張ってね』と言われたり、エキシビションの時に少しだけ話したりとかはありますね。(それは英語で話すのですか)そうですね、最近はなんとなくは理解できるようになってきたのですが、話すことはできないので、『オーケーオーケー』と答える感じです(笑)」
――SPの演技を振り返っていかがですか。
「練習から調子は良かったので、練習のそのままに挑めたかなと思っています。ルッツは頑張った、耐えたかなと思いますね。4回転トーループについては、ルッツにかなり集中していたので、トーループに行くときにルッツの感覚で行ってしまいました。練習からもっとトーループを跳んでおくべきだったかなと思っています」
――FSの演技を振り返っていかがですか。
「コンビネーションジャンプにトリプルがつかなかったこととルッツのミスもありますが、最後に一番簡単なループでミスをしてしまったのが悔しかったですね。やはり最後まで気を抜いてはいけないのだなと感じました。あともう少し全体的に曲調に乗った演技ができたかなと思います」
――FS後に『この試合を期に自信が戻ってきた』と話していましたがどのような点でそう感じましたか。
「4回転ルッツを成功したこともそうですが、もっとできたことがあったという点でそう思いました。ミスは最小限に抑えられたのですが、コンビネーションでトリプルが残るなどして点数もそこそこになってしまったと思うので、フィンランド大会でそれをしっかり伸ばせるようにしていきたいと思っています」
――Kiss & Cryではどのような感情で点数を見ていましたか。
「終わった後に大体自分の点数はこれくらいかなと分かっていて、それとほぼ同じくらいの点数だったので、妥当かなと思いました。良くもなく悪くもなくみたいな点数だったので、なんとも言えない感じでしたね」
――GP1戦目は3位でしたがグランプリファイナルに向けてはどのような心境ですか。
「1戦目が2位とかならグランプリファイナルを狙っていましたが、3位ということで、2戦目でほぼ優勝しなければならないとなると難しいかなという感じがあります。そのためあまりグランプリファイナルとかを狙わず、全日本選手権(以下、全日本)に向けての調整だと思って次の大会に臨もうと思っています」
――全日本までに一番良い状態に持っていきたいとのことでしたが、具体的な目標はありますか。
「今、構成を少し落としてやっているので、全日本までにこれまでの構成に戻すか、もしくは今のままの構成でさらにレベルの高い演技をするかです。個人的にSPがすごく苦手なので、安定させて一度ノーミスの演技をしたいです」
――4回転フリップも入れたいという話がありましたが、現在どのような状況ですか。
「今は全くやっていないです。自分でも跳べるか微妙な感じなのですが、次のフィンランド大会が終わったらやってみようかなと思っています。うまく行けば全日本で入れるかもしれないです」
――久々の有観客での試合はいかがでしたか。
「お客さんがいると会場が盛り上がるし、無観客より頑張ろうと思えます。緊張はしますが、お客さんがいた方が、応援もありますしやる気が出ますね」
――現在の調子はいかがですか。
「イギリスから帰ってきて、疲れがあまり取れてないのであまり良くはないかなと思います。週末で調子を上げていければと思います」
――フィンランド大会に向けての意気込みをお願いします。
「フィンランド大会では前回のイギリス大会よりも良い順位を目指して、SPから良いスタートダッシュが切れるように頑張りたいです。今回は一応ルッツを降りることはできましたが、いつもSPでのルッツのミスが多いので、SP・FS両方をそろえられるようにしたいですね」
――ありがとうございました。
[布袋和音]
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フィギュアスケート 2022.12.20いよいよ冬の大一番、全日本選手権(以下、全日本)が開幕する。最高の演技を目指し日々練習を重ねる選手たちに懸ける思いを伺った。夢の大舞台でそれぞれの熱い思いを表現し今年度一番の感動を届ける。(このインタビューは12月14日に行われたものです) 第7回は佐藤伊吹(政経4=駒場学園)のインタビューです。 ――最近の調子はいかがですか。 「東日本選手権(以下、東日本)で調子が良かったので、東日本の後から調子を落とさないようにということに気を付けながらやっています。それほど下がりもせず同じ状態を維持できているかなと思います」 ――練習はどのようなことをしていますか。 「全日本はSP(ショートプログラム)がカギになると思っているので、東日本の後からとにかくSP中心に切り替えて練習しています。SPを通すというのはもちろんですが、最初のコンビネーションと二つ目のトリプルフリップを確実に跳べるように続けて練習するということを中心にしています」 ――東日本ではSPでミスが出てしまいましたね。 「本番になると力が入ったり、緊張したりしていつもと違うタイミングになることが多いので、難しいけど練習から本番を想定してということをしています。あとは曲をかけて練習するだけかなと思っています」 ――東日本までを振り返っていかがですか。 「夏は飯塚杯と東京夏季大会に出たのですが、その二つは今振り返ったらあまりいい内容ではなかったです。というのも、今シーズンのプログラムを完成させたのが遅かったので、プログラムを滑るということにどうしても集中してしまい、あまり慣れてない部分はあったかなと思います。そこでジャンプが不安定になったのが要因だなと思っていて、そこから単純に時間が経って慣れてきたという点と、夏に明治の合宿に行ったり、神宮でもコンスタントに練習したりできていたので、徐々に調子を上げることができて東京選手権(以下、ブロック)を迎えることができたと思います。昨シーズンのブロックはFS(フリースケーティング)で大崩れしたので、今シーズンはFSで調子が良くても本番は緊張したのですが、落ち着いてできたのは昨シーズンから成長したかなと思っています。そこから東日本に向けてはSPもFSもどちらも満遍なく練習はしていたのですが、トリプルフリップがSPでもFSでも課題ではあったので、中心にやって東日本のFSではしっかり降りることができたのでやってきたことは出せたかなという流れです」 ――ラストシーズンですが、これまでのシーズンと試合前の気持ちに違いはありますか。 「あります。全部の試合で『これが最後のブロック』や『これが最後の東日本』と思う部分はあるのですが、それを思い過ぎるとよくないので『そんなに大したことない』と思ってやるようにしていて、そうすると意外と気持ちが楽な感じですごく思い詰めてしまうということもないです」 ――ラストシーズンは思い詰めがちなイメージがあります。 「ラストシーズンだから頑張るというよりも、今まで自分の中ではどのシーズンも全力を尽くして練習してきていつも前のシーズンを超える練習をしなければ前のシーズンの成績も超えられないと思ってやってきたので、結局それの積み重ねでしかないかなと思っています。だから特別頑張るとかそういうことはしてないかなという感じです」 ――全日本が来週に迫っています。今の気持ちを教えてください。 「本番は緊張するかもしれないですが、今は結構楽しみの方が強いです。スケートをやめたらこれほどたくさんの人の前で滑るというような経験はきっとできないと思うので、それを十分楽しみたいなと思っています。そのために、楽しむ余裕を持てるように今頑張ろうという感じです」 ――今の余裕としてはいかがですか。 「まだです(笑)。もう少し改善するところがあって今週中になんとか理想通りにして来週はそれを維持したり調整したりするぐらいにしたいので、今週もう少し詰めて練習しようと思っています」 ――具体的にどのようなところを詰めていきますか。 「SPの最初の二つのジャンプをもっと確実に跳べるように曲かけも練習でもその二つを練習するということと、スピンは確実に点数を稼げるところだと思うので、毎回加点が取れるぐらいのものをやっていかなければいけないなというのを思っています」 ――全日本ではどのような演技をしたいですか。 「まずはSPをクリーンな演技でノーミスしたいなと思っています。昨シーズンはすごくSPが良くてFSを滑るのがすごく楽しみという気持ちで臨めたので、そういう状況になれるように今年もまずSPを頑張るということと、FSは今シーズン調子がいいのでその通りにというか、思い切りやるだけかなと思います。そうしたらうまくいくかなと思っています」 ――改めてそれぞれのプログラムの見どころを教えてください。 「SPはジャンプはもちろんなのですが、曲が盛り上がるところでステップのコースに結構大きな動きを入れているので、曲に合わせて明るく、でも少し強いというのを見てほしいなと思います。あと私はボーカルが気に入って曲を選んだので、曲に負けないような演技をしっかりするのでそれを見てほしいなと思っています。FSは最後のサビの部分が聞いたことある人はあるかなと思うので、そこの盛り上がりに向けて最初は少しおとなしく途中のステップあたりから強めに曲の盛り上がりに合わせて徐々に強くしていくようなプログラムになっているので、段階的に演技するという部分を見てほしいです」 ――今シーズンの試合の中で全日本が初めての有観客の試合ですね。 「楽しみだなと思っています。演技が終わってあいさつをする時に、全日本は会場が広くて見上げるとたくさんの人がいて、いつも拍手をしてくれてそれがすごくうれしいので、今回もその景色を見ることができるように頑張ります。いっぱいのお客さんがいる中で演技ができることがすごくうれしいです」 ――全日本とブロックや東日本で審査員の位置が違いますが、何か意識されますか。 「全日本は真ん中を中心に審査員の方々がいる感じなのですが、ブロックは自分から見たら右に審査員の方々がいます。ジャッジの前を向くときにブロックなどの感じだと右に向いてしまいますが、毎年全日本の公式練習の時にもう少し真ん中にしないといけないなと思いますね」 ――公式練習の時にそのようなところもチェックしてるのですか。 「しています。どこに椅子があるかでどこにジャッジの人が座るか分かるし、公式練習は本番の前に自分の目線や距離感を考えながら滑っています。(距離感が全然違いますよね)リンクのサイズは一緒なのにすごく広い感じがしますし、上の方までお客さんがいるから目線を高くなどそういうのは考えます」 ――全日本に対する特別な気持ちはありますか。 「この最後の年に全日本という舞台まで来ることができたのはすごく良かったなと思っていますし、何回出ても空気感や会場も含めて特別な試合だと感じます」 ――引退まであと2カ月と少しですが、続けたいなと思うことはないですか。 「いや思わないです(笑)。(選手としてはという感じですか。もう氷に乗りたいとは思わないですかね)しばらくは乗らなくていいなと思うのですが、人のを見てたら乗りたくなると思います。選手としては戻らないけど、いつかちょこちょこ滑っているかもしれないというぐらいです(笑)。(17年やっていてほぼ毎日氷に乗っていた感じですよね)そうですね、これがない生活はちょっと分からないですね(笑)。(17年も同じことを続けられるのはすごいですね)よく飽きないでやっているなと自分でも思ってしまいます(笑)。最初は同い年がいっぱいいたのに、いつの間にかこんなに少なくなってあれという感じです(笑)」 ――全日本での目標を教えてください。 「全日本はSPでノーミスしてしっかりFSを滑るということと、これまでやってきた自分の楽しかったことや大変だったことも含めてスケートへの気持ちなど、周りの人への感謝の気持ちというのもいろいろな気持ちを込めて、しっかりそれが伝わる演技をしたいなと思います」 ――ファンの方に向けてメッセージをお願いします。 「いつも応援ありがとうございます。これが最後のシーズンにはなるのですが、そんなに自分も悲しいとか寂しいという気持ちではなくて、最後楽しみたいですし皆さんに感謝の気持ちを伝えたいなと思っています。そういういろいろな気持ちも込めた演技が全日本でできるように今精いっぱい頑張っているので、全日本も応援よろしくお願いします。頑張ります」 ――ありがとうございました。 [堀純菜]READ MORE -
(28)全日本選手権直前インタビュー 山隈太一朗
フィギュアスケート 2022.12.20いよいよ冬の大一番、全日本選手権(以下、全日本)が開幕する。最高の演技を目指し日々練習を重ねる選手たちに懸ける思いを伺った。夢の大舞台でそれぞれの熱い思いを表現し今年度一番の感動を届ける。(このインタビューは12月14日に行われたものです) 第6回は山隈太一朗(営4=芦屋国際)のインタビューです。 ――体の調子はいかがでしょうか。 「いいと思います。体調もいいし、コンディションというか体のキレに関してはすごく良くなっていると思います。自分が思っているよりも動けるようになってきていて、自分の中では感覚があまり良くないなと思う時でも外から見た時はすごく良かったりするのは、実際にはしっかりと自分が動けていることの証拠だと思います。自分の中での感覚も良くなればもっと良くなるのかなというところもありますが、ちょっとそこはそこまで作れたらいいですけどという感じです。全日本に入るとコンディションも良くなっていくと思うので、少し楽しみですね」 ――ご自身で思っているより動けている理由は何でしょうか。全日本に向けて気を張っているということですか。 「いや、まさに逆と言うか。もちろん体調管理はしっかりしているし、食べるものも気を付けていますが、むしろ東日本選手権(以下、東日本)の前の方がもっと気を張っていたなと思います。今の方が自然体ではないですが、すごく楽に生活できているなあというのは感じますね」 ――最後の全日本ということで気持ちが高ぶっているということはないのですか。 「全然落ち着いています。『最後だからいい演技がしたい』とか、『最後だからいい結果を残したい』とか、そういう風に思うのかなと思っていたのですが、最後だからという気持ちがそもそもそんなに自分の中になくて。むしろここから起こる全てのことや、自分がどういう演技をするか、どういう結果が残るかというのは自分の集大成になるわけで。そこでどういうものになろうと、『それが俺だったな。それが俺の競技人生だったな』というのを示すものになると思うから。最後にもちろんいい演技ができればいいけれど、どんな演技をしても、それが自分らしいと思います。どんな演技をするかではなく、最後にその場所で滑れることの幸せと、あれだけのお客さんに囲まれてスケートをするということは、この先あるかどうか分からないし。全日本という本当に競い合う雰囲気の中で演技をするということ自体がもう本当この先レアな経験になるというか、この先経験できないことになると思うから、それをしっかりかみ締めて、肌で感じて滑りたいなという思いがすごく強いです。どういう演技かどういう結果を残すか、というところに対しては自分の意識が全く向いていなくて、そういうところから恐らくすごく落ち着いているのだろうなと思います」 ――目先の結果を気にしないところは最後の全日本を前にしてもブレませんね。 「もう予選がなくなったというのは大きいかもしれないですね。残されている試合は全部決勝戦なので。何だろう、失うものがないということがあるかもしれないです。東日本の時は、そこで落ちたら最後まで戦い切れなかったという風に感じると思う。やはりそれは失うものの一つだから。失うものが一つあるとすごく恐怖を感じるなとは思いましたね。多分ここから先は決勝戦だから、楽に滑れると思います」 ――SP(ショートプログラム)やFS(フリースケーティング)でどのようなことを表現したいか改めて教えてください。 「どちらもすごく大好きな曲で、どちらも手応えがありますが、FSがやはり母親が滑ってほしいと言っていた曲だし、それを届けたいというか、最後にその曲を全力で表現しているところを見せたいですね。自分の中でSPとFSは対照的な気がしていて。動きにしても曲調にしても、SPは自分が滑れている幸せとか楽しさを一番表現しやすいなと思っていて、動きのテンポなどが楽しく踊っているのを表現しやすいかなと。だからSPでは弾けているところを皆さんに見せたいし、逆にFSでは僕が一番好きな感情表現の方法というか、曲調的にテンポの速い曲よりもすごく情感を込めるような、一つ一つの指先からツーっと力が出続けているような、誰かを思うような感情表現の仕方が僕は一番好きなので。SPは楽しく、FSは自分の一番好きな表現をするというところで、すごくメリハリというかコントラストがあるので、そこを出したいというかそれさえ出せればいいかなと思っています」 ――情感たっぷりな感じの表現方法は、弾けるような感じに比べてどのようにお好きですか。 「例えばですが『好きなように踊ってください。氷の上で表現してください』という課題が出たときに、僕は『誰かを思う』みたいなそういう情感を込める音楽を使って表現すると思うんですよ。リズミカルに踊るのもすごく好きだけれど、溢れ出すものというかグワーッと自分の中で盛り上がってくるものを一番拾えるのは情感のある表現なので、だから多分一番好きなのではないかなと思います(FSを踊っていたらグワーッときますか?)むしろそうならない日はないですね。もう今の曲に関しては普通に流しているだけで少し動きたくなるような感じがするので、試合前とかたまにSPの前にもFSの曲を聴いています。音楽がまずすごくいいから、僕が滑る滑らない関係なしに、本当にサロメ(サロメ・ブルナー)の編集が完璧すぎて。完璧に仕上がっているので、その曲で滑るというのは嬉しいです」 ――感情が湧いてきて伝えたい相手は、やはり曲を選ぶきっかけともなったお母様ですか。 「どうなんでしょう、あまり伝えたいという感じではないですね。伝えたいというか、『伝わってくれればいいな』くらいです。その人にターゲットを絞るわけではなくて、これは表現の方法として間違っているかもしれないんですけど、自分が出すということにフォーカスしている感じです。自分が思っているものや感情を、全力で放つんですよね。自分の動きや感情表現で、それを皆さんが受け取ってくれたらいいなと思います。受け取ってもらうために出すのではなく『自分がとにかく出す』みたいな。自分がそれで思い切り感情を発散していること自体が目的だから誰かに届けるためというよりも、悪く言うと自己満のような感じなのですが。『僕が僕なりの表現を全力でします。それが皆さんに伝わればいいなと思います』という感じで、誰かに伝えたいというよりも自分で表現したいものにする、出したいものを出すという感じですかね。予選の時は見ている方に『(山隈選手は)予選通過できるかな?』みたいな怖さがあって、皆さんやはり結果が頭の片隅にあったと思います。次はその結果を気にせずに見てもらえる、ある意味で全日本はすごくいい場所でできるのではないかなと思います。 大学に入ってからほとんど無観客の大会で、僕が育ってきたスケートの世界とは少し変わってきてしまっていて、本当に寂しい気持ちです。歓声が聞こえてくる全日本をもう味わえないのは悲しいですけど。思わず皆が声を出してしまうような、そんな演技ができれば最高ですが(声を出してはいけない)ルールなのでね。そこは少し寂しいなと思います。それでもやはり皆さんがいるというだけで、観客席を見た時にそこにお客さんがいるというだけですごく力をもらえるし、本当に満員の観客の人たちの前で滑るのが本当に今も楽しみですね」 「今回の会場の東和薬品RACTABは、僕が最初に出た全日本の時に会場だった場所で。最初と最後が同じ会場ということで縁を感じるし、大阪は地元なので楽しみですね。あの場所は会場の雰囲気も好きなので、やはりあそこでもう 1 回滑れるのはとても楽しみです。一番初めに全日本の感動を得られた場所だし『わー、これが全日本か』と思いながら滑っていた思い出があるし。あの時と今で感情は違いますが、同じように楽しむことができたらなと思いますね」 ――最近はスケート以外に何をしていますか。 「最近ですか……家とリンクの往復しかしていないです。あ、でもサッカーワールドカップは今のところほぼ全試合、5試合ぐらいちょっと観れていないのがありますが、ほとんど全部フルで観ています(リアルタイムでですか?)いや、見逃し配信で観ています(笑)。グループリーグは途中までリアルタイムで観ていましたが、12月の2週目くらいからはさすがにしっかり寝るようにしています。あとはFIFAのゲームもやりました。もう最近『自分がサッカー選手だったら』と思うことが多いですね。(本当にサッカーお好きですね。もしサッカー選手だったらどのような選手だったと思いますか?)多分ものすごいエゴを持っているストライカーだと思います。小学校2年生の時ぐらいまでやっていましたが、超わがままなFW(フォワード)だったことだけ覚えています。すっごいめちゃくちゃうまいとかではなかったのですが、めちゃくちゃ点は決めていたので、珍しいタイプのFWだったなと今になって思います。ただその代わりチームプレーが全くできていなくてとても怒られていました。あのまま育っていれば面白いFWになっただろうなあと自分で勝手に思っています(笑)(ということは個人競技のフィギュアスケートが向いていたのでしょうか?)いや、向いている、向いていないで言ったら僕向いていないと思いますよ。多分育ってきたものによるのだと思います。小さい頃から表現するのが好きだったかと言われたら、踊ることは好きでしたし、表現するのもすごく好きだったけれど、その好きはサッカーと同じぐらいというか、サッカーが昔は一番好きでしたから。スケートの方はシフトしてからどんどん好きになっていったし、ノービスとか、ジュニアの最初の方とかそういうのを意識せずにやっていましたし。自分で『スケートが好きなんだな』と認識したのは高校ぐらいからです。みんなには『サッカーをやっていたら全国なんか行けなかった』と言われますが、僕は行けたと思っています(笑)。むしろサッカーだったら多分とても練習していると思います。氷がなくてもボールがあれば練習できるので(笑)」 ――最後に全日本に向けて意気込みをお願いします。 「また大阪のあの会場で滑れるということ、僕の最初と最後の全日本が同じ会場ということにはすごく縁を感じますし、その場所でまた滑れることがすごく幸せです。またあの満員のお客さんの前で、全日本でしか味わえないあの雰囲気を味わうことができるということがすごく楽しみです。最後にその雰囲気を感じて、その幸せを全身で表現できたらなと思うので、皆さんもぜひ最後に僕の演技を心の底から楽しんで観てもらえればいいなと思います。皆さんに感謝の念なども伝えられるように、全力で表現するので、応援よろしくお願いします」 ――ありがとうございました。 [向井瑠風]READ MORE