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明スポ独占 イギリス杯事後インタビュー 佐藤駿

フィギュアスケート 2022.11.22

 佐藤駿(政経1=埼玉栄)は今月11日から13日に行われたグランプリシリーズ(以下、GP)第4戦イギリス杯に出場したSP(ショートプログラム)を4位で通過し、FS(フリースケーティング)では3位。見事な逆転で表彰台に立った。

 帰国後、明スポ独占でインタビューを行った様子をお届けします。

 

(この取材は11月18日に行われたものです)

 

――今回イギリスでの大会は初めてですか。

   「今回GPが中国とロシアで行えないということで、代替地でイギリスとフィンランドになったのですが、ちょうどそこの2つに派遣されました。イギリスは正直何もなかったですね。田舎すぎました (笑)。会場に行く時も周りは羊しかいなくて、建物は一つもなかったです。こんなところにリンクがあるのか?という感じでした。リンクの周りはご飯を食べるところなどもなくて、本当にリンクとホテルを行き来するだけという感じでした」

 

――イギリスはイメージと違ったことはありますか。

   「ご飯があまりおいしくないというイメージがあったのですが、行ってみたら意外とホテルの朝食などもおいしかったです。でも調味料がなくて、にんじん単体で生という感じでした(笑)。おいしくもまずくもなかったです」

 

――海外での試合のときに必ず食べるものはありますか。

 「ペヤングはいつも持っていきます。海外で食べるペヤングは本当においしいです。日本のご飯が食べたくなるので、ご飯と一緒にペヤングを食べるとすごくおいしいです」

 

――次戦開催地のフィンランドで楽しみなことはありますか。

   「フィンランドはサウナが有名なので、ホテルにサウナがあれば行きたいです」

 

――海外と国内試合の違いはありますか。

   「時差がかなり大変ですね。いつも慣れているのですが今回久しぶりの海外試合だったので大変でした。時差が9時間くらいあって、試合が日本時間の朝4時という眠い中での試合でした。試合のときは目が覚めていましたが、本番に持っていくまでが眠くて大変でした。夜は寝られないし、でも朝は早いから朝に練習してという感じでした。今回行ってから時間がなくて2日後に試合だったので時差に慣らすのに苦労しましたね。いつもは(試合が)3日後とかですが、今回は詰まった予定でした」

 

――国内試合の方が滑りやすいですか。

   「環境に左右されないので、絶対国内の方が良いですね。リンクの氷なども海外と日本で全く違うので合わせるのが難しいなと思います。(今回のリンクはいかがでしたか)出来たてほやほやという感じでした。思ったより回り過ぎたり滑り過ぎたりして調整が難しかったですね」

 

――GP2戦の間隔が短い中での試合に大変さはありますか。

   「本当はずっと向こうに行ったっきりという予定だったのですが、一度日本に帰ってくることになったのでかなりきついですね。時差ボケが大変です。向こうにやっと慣れてきたころに帰国だったので、日本のリズムにもまだ合っていなくて、夜中に全く寝られずに朝方寝るという感じです。多分日本に慣れてきた頃にまたフィンランドに行く形なので、今は振り切って向こうの時差に合わせようと思っています」

 

――同じ大会に派遣された三原舞依(甲南大大学院)選手と島田高志郎(早大)選手と交流はありましたか。

   「チームジャパンみんな仲が良いので、グループラインとかで『頑張ってね』と言い合ったり、打ち上げみたいな感じで、チームジャパンみんなで集まってご飯を食べたりしました」

 

――海外の選手との交流はありましたか。

   「そんなにないですが、試合が終わった後『頑張ってね』と言われたり、エキシビションの時に少しだけ話したりとかはありますね。(それは英語で話すのですか)そうですね、最近はなんとなくは理解できるようになってきたのですが、話すことはできないので、『オーケーオーケー』と答える感じです(笑)」

 

――SPの演技を振り返っていかがですか。

   「練習から調子は良かったので、練習のそのままに挑めたかなと思っています。ルッツは頑張った、耐えたかなと思いますね。4回転トーループについては、ルッツにかなり集中していたので、トーループに行くときにルッツの感覚で行ってしまいました。練習からもっとトーループを跳んでおくべきだったかなと思っています」

 

――FSの演技を振り返っていかがですか。

   「コンビネーションジャンプにトリプルがつかなかったこととルッツのミスもありますが、最後に一番簡単なループでミスをしてしまったのが悔しかったですね。やはり最後まで気を抜いてはいけないのだなと感じました。あともう少し全体的に曲調に乗った演技ができたかなと思います」

 

――FS後に『この試合を期に自信が戻ってきた』と話していましたがどのような点でそう感じましたか。

   「4回転ルッツを成功したこともそうですが、もっとできたことがあったという点でそう思いました。ミスは最小限に抑えられたのですが、コンビネーションでトリプルが残るなどして点数もそこそこになってしまったと思うので、フィンランド大会でそれをしっかり伸ばせるようにしていきたいと思っています」

 

――Kiss & Cryではどのような感情で点数を見ていましたか。

   「終わった後に大体自分の点数はこれくらいかなと分かっていて、それとほぼ同じくらいの点数だったので、妥当かなと思いました。良くもなく悪くもなくみたいな点数だったので、なんとも言えない感じでしたね」

 

――GP1戦目は3位でしたがグランプリファイナルに向けてはどのような心境ですか。

   「1戦目が2位とかならグランプリファイナルを狙っていましたが、3位ということで、2戦目でほぼ優勝しなければならないとなると難しいかなという感じがあります。そのためあまりグランプリファイナルとかを狙わず、全日本選手権(以下、全日本)に向けての調整だと思って次の大会に臨もうと思っています」

 

――全日本までに一番良い状態に持っていきたいとのことでしたが、具体的な目標はありますか。

   「今、構成を少し落としてやっているので、全日本までにこれまでの構成に戻すか、もしくは今のままの構成でさらにレベルの高い演技をするかです。個人的にSPがすごく苦手なので、安定させて一度ノーミスの演技をしたいです」

 

――4回転フリップも入れたいという話がありましたが、現在どのような状況ですか。

   「今は全くやっていないです。自分でも跳べるか微妙な感じなのですが、次のフィンランド大会が終わったらやってみようかなと思っています。うまく行けば全日本で入れるかもしれないです」

 

――久々の有観客での試合はいかがでしたか。

   「お客さんがいると会場が盛り上がるし、無観客より頑張ろうと思えます。緊張はしますが、お客さんがいた方が、応援もありますしやる気が出ますね」

 

――現在の調子はいかがですか。

  「イギリスから帰ってきて、疲れがあまり取れてないのであまり良くはないかなと思います。週末で調子を上げていければと思います」

 

――フィンランド大会に向けての意気込みをお願いします

  「フィンランド大会では前回のイギリス大会よりも良い順位を目指して、SPから良いスタートダッシュが切れるように頑張りたいです。今回は一応ルッツを降りることはできましたが、いつもSPでのルッツのミスが多いので、SP・FS両方をそろえられるようにしたいですね」

 

――ありがとうございました。


[布袋和音]


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